251018 成果が上がらない人の思考パターン
成果が上がらない人の思考パターンにふれて、収入が伸び悩む人とそうでない人の考え方の違いと、その核心にある構造について説明していきます。仕事への取り組み方一つで、将来的な収入に影響します。仕事に対する姿勢や動機づけを軸に、いくつかの思考パターンを対比させて、その因果関係を説明していきます。特に、プラスの仕事をするか、仕事に何を求めるか、報酬と行動の関係性、仕事の根幹にある動機づけ。このような要素が収入の伸び、あるいは停滞に結びついていくという見解であります。
一つ目は、これは仕事の範囲に対する姿勢です。思考貧乏または思考不全とも言えます。自分に与えられた仕事の範囲で、できる限りそれを超えないようにと、仕事をしないように立ち回る人、このように定義します。この思考貧乏、または思考不全の状態にある人というのは、常にどうすれば余計な仕事を引き受けずに済むかと考えてしまいます。そして、どうすれば自分の責任の範囲を限定できるかのようなことを考えて行動する傾向があります。与えられたタスクをこなすというのは、前提でありますが、そこから一歩踏み出すことに対して抵抗感が強く出てしまいます。
この思考貧乏的な立ち回りというのが、やがて個人の成長や収入の構造を妨げることになってしまいます。仕事を与えられた範囲のことしかやらない人材になってしまうと、組織全体から見ると代替えが可能、つまり替えが利く存在になりやすいという点があります。常に自分の器を守ろうとする姿勢というのは、結局、組織への貢献度を自分で限定をしてしまいます。その結果として、この人でないとダメだという存在にはなりにくくなってしまいます。
これに対して、まず与えられた仕事を迅速かつ的確に終わらせた上で、他に何か自分が貢献できることはないのか、もっと責任のある仕事を任せてほしいみたいに自分から進んで、より大きな責任や役割を求めていく。そういう姿勢があります。つまり、その自分の役割を固定的には捉えないで、常に組織全体の目標達成にどう貢献できるかという視点を持つことが大事になります。その積極性がより多くの責任のある仕事を引き寄せて、それをこなすことでスキルや経験値が上がり、結果的に組織内での評価、ひいては昇進や昇給につながっていく、こういう構造となります。理想の自分をどう持てるかが大事にもなります。これも積極的な姿勢や自己成長への意欲、そこにつながります。
自分の役割を職務定義書みたいなものに書かれた範囲だけをこなすだけでなく、常に組織全体のニーズを考えて、半歩先んじて行動を起こせる人材、そういう人こそが、結果的に個人の成長と報酬の両方を手にすることができるようになります。
二つ目は、働く動機と自己実現に関するものです。収入が上がらない人の思考として、仕事は生活のためと割り切り、給料分だけ働けば十分みたいな考え方をしてしまいます。そういう考え方は、仕事はあくまでもその経済的な安定を得るための手段であり、自己実現や生きがいというのは、仕事以外のプライベートな時間で追求するものだという価値観があったりします。これもある意味では、すごく現実的な捉え方とも言えることにもなりますが。仕事イコール生活の糧という考えとなってしまうものとは、全く対照的なものが、仕事即人生という仕事を通じて自己実現を果たすという価値観をかなり強く持っていることです。仕事そのものが自己表現の場であり、挑戦でもあります。そこで何かを成し遂げること自体に深い喜びや意義を獲得する、そういう生き方です。
遊びの時間も多少は犠牲になるくらいに仕事に打ち込んだ時期もあります。何かを得るためには何かを差し出さなければなりません。それが、いわゆる。代価の先払いという考えにつながっていきます。代価の先払いは、大きな成功や自己実現というものを得るためには、多少なプライベートの時間も削ってでも代価を先払ったんだと、そういう解釈です。仕事へのコミットメントの度合いが根本的に違うということです。一方では、仕事は生活を支えるための必要最低限のことと捉えて、プライベートの充実を優先する。その一方で、仕事そのものに情熱を注ぎ込んで、自己成長や社会への貢献を通じて、人生の充実感を得ようとする。前者は、仕事そのものが、自分の願望のど真ん中にない状態。後者は、まさに仕事こそが願望のど真ん中にある状態であります。この動機の違いが、結果的に仕事の質や結果、達成、長期的な収入の格差につながっていくということになります。
どっちが良いとか悪いとか、そういう価値判断をしているわけではないのですが、どちらのスタンスが成功や収入構造につながりやすいかという、そのような観点からの分析となります。もちろん、プライベートも大事にしないといけないのですが、仕事を通じて大きな成果と高い報酬を目指すために、それ相応のコミットメント、つまり時間やエネルギーの投入が必要になってきます。
三つ目は、行動と報酬の関係性。これは報酬が保証されない限り、行動に移さないタイプと言えます。このような人たちは、損得勘定を第一に行動すると捉えてしまいます。この考え方がどうしても収入の伸び悩みにつながります。この対比として、先義公利の考え方があります。これはまず義が先に来て、つまり人として正しいこと、価値ある貢献を先に行えば、義つまり利益や報酬は、後から自然とついてくるという考えです。東洋学的な思想であります。この考え方を、自分のビジネスやキャリア形成に当てはめて、成功の本質は代価の先払いにあるということになります。つまり、将来的なリターンが不確実であっても価値があると信じることに対して、先に自分の時間や労力、知恵といった代価を投資できるかどうか、これが決定的に重要となります。目先の損得勘定にとらわれず、長期的な視点で価値提供を優先できるかどうか、ある種のリスクテイクの姿勢が問われるということになります。この代価の先払いを実践できる人には、積極的な姿勢になり、常に期待される意欲あり、を与えられ、半歩先を行くような仕事をするような人に自然と多くの仕事やチャンスが集まってきます。なぜなら、そういう行動を取れる人は周りからの信頼を生みますし、この人に任せれば期待以上のことをしてくれるだろうという評価につながります。
逆に、これだけの報酬が保証だったらやります、またはやりませんというスタンスの人は、そういう成長の機会や、より大きな責任を伴うような仕事を自分から遠ざけてしまうことになります。やがて、代価の先払いができるタイプにどんどん仕事を取られてしまいます。保障がないことに対するそのリスク許容度の違いが、長期的に見て、経験やスキルの蓄積、それから人脈形成みたいな面で大きな差を生み出す可能性があるということです。
四つ目は、仕事の質、その根源にある動機づけについてです。収入が上がらない人の仕事ぶりを指して、やっつけ仕事や深みのない仕事みたいな言葉を使っています。こうした仕事になってしまう背景として、そもそも知恵がなかったり、言われたこと以上の提案が出てこないみたいな能力的な側面。それだけではありません。単なるスキルや経験の問題だけではなく、根本的な動機の違いにあります。決定的な違いとしては、相手に喜んでもらいたいという純粋な動機があるかどうか、その点なんです。この貢献意欲や利他の心を強い人は、いい加減な仕事はできなくなり、期待以上のものを提供したいというプロフェッショナルとしてのプライドを持つようになります。仕事は単なるお金のためだけじゃなく、仕事そのものの質を追求すること自体が目的化していくという考えになります。
相手の満足や喜び、自分自身の達成感、喜びとして感じられるかどうか。これが仕事の質を左右する根本的な要素となり、願望のど真ん中に相手を喜ばせることが入っているかどうか。この動機が存在すると、仕事は単なる労働の対価としての糧を得るための手段だけではなく、仕事そのものが含まれる精神的な喜びや報酬を発見するプロセスへと消化していく。だからこそ、単なる作業としてやっつけ仕事ではなく、どうすればもっと相手に価値を提供できるのか、どうすればもっと喜んでもらえるのかという観点から、自発的に知恵を絞って具体的な提案を生み出すことができるようになります。このような内発的な動機が質の高い仕事、そして結果として評価や報酬の向上につながる、そういう好循環を生み出していきます。
以上、4つの対比の説明となりますが、全体を通してとても明確で一貫したメッセージがあります。受け身で自分の殻を守って、目先の損得勘定や保証を重視する思考。これに対して、能動的で常にプラスアルファの貢献を目指して、自己実現を仕事に求めて、代価の先払いを嫌からずに相手への貢献、意欲を強く持つ思考は、この後者の思考こそが、持続的な成果をあげることには不可欠になります。