251012 コーチングとは コーチングの本質を理解して、組織変革に生かしていきます。コーチングがどのように目標達成に成り立つのか、そして、どうやって組織全体を変える力になるのか、説明していきます。コーチングでは、対話を通じて、その人のものの見方や捉え方そのものに働きをかけていきます。 まず、基本的なことですが、コーチングを,どのように定義をしているか考えます。二人の間に問いを置いて一緒に考えることです。とてもシンプルな考えです。問いを前に置くということは、ただ話し合うということではなく、ゴールは何かということをはっきりさせて、目標達成をすることです。ポイントになるのが、そのために新しい視点、考え、捉え方が必要になります。行動を変えるだけではなく、その根源にある認識の部分を変えていく必要があります。 普段、上司が部下の話を聞く場面はよくありますが、新しいアイデアややる気につながる必要があります。ただ聞くような、自動的に耳を傾けるのではなく、問いを間に置いて、その問いはどういう意味があるのか、価値があるのか、上司と部下が一緒に探していく能動的な感じになります。その対話の中で、部下自身が自分の中に凝り固まっている考え方や枠組み、古い価値観や考えを一旦壊して、スクラップして、そして新しい論理、つまり新しいものの見方、捉え方、新しい価値観、これを自分で組み立て直していく、ビルドする。それを促すのがここで言う「聞く」という行為になります。スクラップアンドビルドを対話で起こします。少し遠回りに聞こえるかもしれませんが、何か答えをすぐに,与えてしまう方が早いかと思われてしまいます。ティーチング、つまり教えることに比べてコーチングは遠回りに見えるかもしれませんが、実は早いし効果的なアプローチになります。本質的な変化、つまり捉え方そのものの変えるには答えをすぐに上げるのではなく、対話を通じて、本人が自分で考えて、気づきを与えて、それが大事になります。行動変化につながりやすくなります。結果的に見るとそれが早いし効果的に成長につながります。時間はかかっても自分で見つけた答えは腑に落ちるものです。そして納得感が違います。 コーチングは、私たちが無意識に持っている前提や当たり前だと思っている考え方、これに対してそれって本当に正しいのか、建設的に疑う手助けをすることになります。コーチングが持っている変革力であります。リーダーシップについて話しあるときに、リーダーシップと何かと聞いて答えは返ってきますが、あなたのリーダーシップはいつ更新されましたかと問われた時に答えられますか。自分の考えがいつ更新されたか、普段全然意識しないものです。しかし今の時代は環境も変わっているし、社会も組織も働く人もリーダーに求めるものはどんどん変わっていくはずです。昔うまくいったリーダーシップが、今もそのまま通用するとは限りません。コーチとの対話というのは、まさにそういう自分の中に無意識にある前提。例えばリーダーたるものはこうあるべきだという考えに光を当てたときに、それが今の状況に合っているのか問い直しをして、必要であればアップデートしていく。こういうことは一人でやるのは難しいものですが、共同作業により対話を通じて捉え直していきます。 その前提への挑戦というのが、個人レベルだけの話ではなく、組織で考えていきます。進化する組織は常に対立を超えて、お互いの前提にチャレンジしていきます。それを超えていく対話をしているものです。つまり、変化し続ける組織の強さは、そういう対話の中にあります。個人が自分の前提を問い直すだけではなく、チームや組織全体で共有されていきます。当たり前のこと、うちの部門では昔からこうやるのが普通みたいな前提に対して、しっかりと健全な形で疑問を投げかけて、それで対話を通じて乗り越えていく。これが組織で。進めていき、環境の変化に対応して進化し続けるためのエンジンになるという見方です。ただ、仲がいいだけではなく、建設的な意見のぶつかり合いが必要になります。 個人の視点が変わり、チームの対話も深まり、その先に組織全体の変革がある。では、具体的にそれはどのような形で表れていくのか。単に新しい仕組みを作ることや、システムを入れることではありません。そういう目に見える変化だけではありません。組織の中のコミュニケーションを変えることこそが、コーチングが目指していくことになります。組織を変えるというのは、どうしても新しい制度やルールやITツールや、そういうハード面に目が行きがちですが、ここで大事なのは組織の中で毎日交わされるコミュニケーションの目的そのものを一人一人で変えていくということです。コミュニケーションの目的を変えるとは、例えば,会議で発言するときのことを考えてみてください。その目的が、単に自分の意見を通したいだけなのか、それとも、いろんな人の意見を引き出しして、もっと良い結論にたどり着きたいのか、あるいは上司に報告するのか、または義務だから仕方なくやっているのか。しっかりと状況を伝えて必要なサポートをもらうことなのか。本当の目的は何なのか、何のためにコミュニケーションを取るのか,という意識が変われば、おのずとコミュニケーションの取り方、つまり何をどうやって、どれぐらいの頻度で伝えるのか、みたいな量と質が変わってくるはずです。目的が変われば、行動が変わってくることになります。一人一人のコミュニケーションの変化が積み重なり、組織全体の雰囲気や文化、風土が変わり、最終的に業績にも直結していきます。表面的な行動を直すのではなく、その行動を生み出している根本的な動機や意識レベルを変えていこうとしている。だからこそ、単なる仕組みやシステム導入だけでなく、もっと本質的で長続きする変化へ仕向けていきます。 コミュニケーションの目的に注目していきます。コミュニケーションでは具体的にどんな要素で成り立っているのか。考えていきます。コミュニケーションは情報、要望、提案、質問の4つに整理していきます。特に力を入れているのは明快に要望することです。明快に問いかけをすることです。つまりコミュニケーションの目的を何か曖昧にしないではっきりと相手に伝えて伝えるということが大事です。 例えば。相手に何かしてほしい時に、これについてあなたはどう考えていますかというように、遠回しの言い方に含みを持たせるのではなく、ストレートに、もちろん丁寧に伝えること、明快に伝えることが大事です。目的が曖昧だと、コミュニケーションに弊害が引き起こされます。目的がはっきりしないと、受け取った方は、この人本当に何が言いたいのだろうかと、何を期待しているのだろうかと余計なマインドリーディングつまり損得や推測が働いてしまい、これが実は結構な負担になってしまいます。そして誤解を招いたり、コミュニケーションのすれ違いを生む原因になってしまいます。逆に目的が明確であれば、受け手はその。要望なり問いかけになり、どう答えるのかに集中できる。結果として心理的負担も減るし、誤解も少なくなる。これが組織の中の心理的安全性、つまり誰もが安心して意見を言ったり、疑問を投げかけたり、助けを求めたりできる状態を高めることにつながります。一方的な上意下達みたいなコミュニケーションはかえって心理的壁を作ってしまいます。コーチングは、その反対の考え方と言えるでしょう。 心理的安全性が高まると、よりオープンで建設的な対話がしやすくなります。それが先ほどの前提への挑戦にもつながってくるわけです。ですから、明快な要望、明快な問いかけ、これが意図の分かりやすいコミュニケーションの基本であり、健全で進化し続ける組織を支える大事な要素になります。 コーチングというのは、単に目標達成のテクニックやスキルというよりは、少し深いレベルで変化を促すプロセスであります。問いかけや対話をきっかけにして、私たち自身がとらわれている前提という囲いみたいなものに気づいて、そこから抜け出して新しい景色を見ることになります。そういう内面的な,深掘りがあります。そしてその個人の内面の変化が組織の場で現れてコミュニケーションの目的そのものを問い直すきっかけになって、結果として明快な要望や明快な問いかけみたいに具体的な行動の変化につながっていきます。その連鎖反応が組織全体の心理的な安全性を育てて変化に強い進化し続けるための土台を作っていきます。 そのように組織を発展していきます。組織でのクリアなコミュニケーション、特に明快な要望や、明快な問いかけ、心理的安全性を高めて組織を元気にするという話をしました。思い込みや推測、マインドリーディングなど、これを意識的にちょっと横に置いといて、代わりにあなたにこうしてほしいだとか、これについてどう思うみたいな明快な要望や明快な問いかけを今よりもほんの少しだけ増やしてみたらよいです。そこで、関係性や物事の進み具合、あるいは自分自身の気持ちにどのような変化が生まれる可能性があるので試してみます。
Month: October 2025
人を見る目の養い方
251011 人を見る目の養い方 人を見る目の養い方と価値観の形成について説明していきます。人間関係の形成や自分自身の成長に役立つような実践的な知恵やヒントを見つけ出していこういうものです。私たちは,日々、無意識にでも、人を見分けるような場面があります。その本質をどのように捉えて、どのように習得していくのか、その考えを示していきます。これはとても普遍的で、ありながら、とても大切なテーマでもあります。 まずはじめに、強調しておきたいのが、言葉よりも行動を見るという点であります。これは、人を見る上での、鉄則のようなものです。その人が何を求めて生きているのかを行動から読み解いていきます。言葉というのは、どうしてもその場の意図や状況によって変わってしまいますが、繰り返し行われる行動、特にプレッシャーがかかった時のその人の対応や、誰も見ていないような場面の行動には、その人の価値観や本質が現れるものです。その人が、実際に何に時間やエネルギーを使っているのか、それを普段から見ていくということは、人を見る上で、とても大事なことになります。 その行動の中でも特に人は事実・約束を守ることが大事であります。これは信頼関係の築く上でとても根幹であります。約束の大小にかかわらず、それをきちんと守るという行動は、その人の誠実さや責任感、あるいは他者への敬意を示す、最も基本となる表れであります。一つ一つの約束が守られる、その積み重ねが、結果として揺るぎない信頼関係を築いていくものになります。逆に言えば、どんなに立派な言葉を並べたとしても、行動が伴わなければ信頼というのは生まれてきません。 そして、行動を観察する上でのポイントとして挙げられるのが、その人が身近な人を大事にできるかという視点であります。一見すると、公の場での振る舞い方だけが大事な気もしますが、人は対外的な場面、特に利害関係が絡むような相手には、ある程度自分をよく見せようと、努めるものでありますが、家族や古くからの友人など、利害関係が比較的薄い、あまり気を使わないでいられる相手に対して、どのように接しているのか、その人の人間性や他者への態度が露呈しやすいということであります。身近な人への対応の仕方が、もしぞんざいな人であれば、その人が果たして他の場面だけで本当に誠実でいられるのか疑問が出ます。ある意味、一番の素が出やすい関係だからこそ、その人の本質が映し出されやすいということになります。人として、信頼に値する人物かどうかは、そういうことが判断基準になるわけです。 それに関連して、友人を見ればその人の人なりが分かるということもあります。人は価値観や興味、あるいは目立つ方向性が近い人と自然に集まる傾向があります。類は友を呼ぶ。その人が具体的にどのような友人関係を築いて、そして維持しているのか、それを見ることで、その人自身の人間性や大切にしているものを間接的に知ることもなりますし、手がかりになるという考え方です。友人への接し方にも当然、その人の身近な人を大事にするという姿勢が現れてきます。行動、約束、それから身近な人への態度、これらがまず人を見る基本であります。 では、これらを踏まえて、私たちはどのように人と積極的に,関わっていくべきなのでしょうか。自分の人生の振り返りができて、一筋の道を歩む人を手本にしてください。これは単に目標を持っている人ということだけではなく、人の継続性や一貫性があるかどうかということが大切です。自分の信念や、あるいは専門性を持っていて、あまり浮ついたものに流されずに、地味に努力を続けている人。そのような人は、自己規律があり、精神的な安定を持っています。そういう人と交流することは、あなた自身の刺激になるだけではなく、価値観を共有できたり、あるいは困難な時に精神的な支柱になったりします。そういうブレない軸を持っている人と一緒にいると、自然と自分の背筋が伸びるような、そんな感覚があります。 一筋というのは頑固さや柔軟性の欠如と紙一重という見方もされてしまいます。真の一筋の人というのは、自分の核や信念を持ちつつも、新しい情報や異なる意見に対して完全に耳を閉ざすわけではなく、むしろ自分の道を深めていくために、必要な学びや柔軟に取り入れていく姿勢があります。単なる固執ではなく、信念に基づいた探究心があるかどうか、そこがポイントとなります。信念と柔軟性のバランスが大事になります。 また、好きな仕事を徹底してやるという姿勢も大切になります。これも一筋の道と深く関係します。自分の好きなことに対して情熱を傾けられる。仕事に打ち込むという姿勢は、その人のエネルギーの源泉であります。まさに一筋の道を歩む上での原動力になります。そのような情熱を持っている人と時間を共有するということが、自分自身のモチベーション向上にもつながります。そして人生の充実感を高める上でも重要なことでもあります。 そうした情熱をどこに向けるか。それについて、自分がコントロールできることに集中して、その姿勢が大事になります。コントロールを集中して増大していくという考えは、日々の生活でも意識したいものです。私たちのエネルギーの時間というのは、どうしても有限であります。それを自分の努力や工夫次第で結果が変わる可能性のある領域、つまりコントロール可能なことに集中させるべきであります。例えば、自分のスキルアップや健康管理、あるいは仕事への取り組み方といったものです。 逆に自分がコントロールできないことには、時間やお金の投資はしないほうがよいです。これは例えば、他人の評価や経済全体の動きや、あるいはもう変えられない過去のことなど、そういうのに心を煩わせすぎないようにしようということであります。実際は簡単なことではありませんが、つい私たちはコントロールできない外部の要因に一喜一憂してしまいがちです。しかし、意識的に、自分がコントロールできないか自分がコントロールできる範囲なのかと常に問いかけすることで、ある意味潔く距離を置いて、できることにリソースを注ぐ。そういう訓練することが、自己成長や目標達成への着実な道筋になります。 その上で、自分の本業に集中することも大事であります。あれもこれも、幅広く手を広げたくなる気もありますが、まずはその核となる部分をしっかり固めないといけません。多方面に手を出すこと自体が悪いわけではありませんが、自分の強みや最も情熱を注げる本業に深くコミットして、専門性を磨くことが結果的に揺るぎない基盤になります。そして他の分野へ展開にもつながっていくという考えです。 これも一筋の道とも通じる選択と集中の重要なことになります。意欲先行であっても、いずれは能力が追いついてくるものです。最初から完璧でなくても良いわけです。つまり意欲さえあれば、それがエンジンとなって必要な知識やスキルを,貪欲に吸収して試行錯誤を繰り返す中で能力というのは後からついてくるものであります。完璧な準備が整うのを待つのではなく、まず一歩を踏み出す。その意欲そのものが大切であります。 これはポテンシャルを秘めた人を見極める際にも参考になる視点です。能力はまだ、もしかしたら未熟かもしれないけど、強い意欲を持っている人は、将来伸びる可能性があることを気づかせてくれます。これらの人を見る目は、どのように養われていくのか。それは生まれつきに備わっているものではありません。才能や直感という要素もゼロではありませんが、基本的には意識的な学習と、そして経験を通じて時間をかけて磨かれていくスキルでもあります。単なる勘ではなく、後天的に獲得していく能力であります。 獲得する過程では、多少痛い思いをしながら、人の見抜き方を養っていくこともあります。失敗経験や避けて通れない道ということでもあります。誰もができれば避けたい道ではありますが、人間関係において残念ながら期待を裏切られたり信じていた人に,失望させられたりといった、いわゆる痛い思いをするというのは、ある程度は避けられないかもしれません。しかし、そうした苦い経験こそが、人の言葉の裏にある本音や、あるいは見せかけの行動の裏にある動機、そういったものを見抜く洞察力を最も効果的に鍛えてくれる側面もあります。 順風満帆なだけでは気づかないことも多いかもしれません。経験することだけではなく、何を学び取るのか、ということが重要になります。基礎となる知識も必要であります。経験則だけに頼るのではなく、例えば心理学の基本的な知識と、人間行動のパターン、あるいは社会や文化に関する理解、そういった体系的な知識があると、個々の経験をより客観的に分析して一般化することができます。経験と知識、その両輪が必要となります。 そして最終的には知識や経験、そして価値観の形成が大事ということにあります。この3つが揃って初めて何か揺るぎない判断軸ができるということになります。それは三位一体ということになります。知識がまず判断の土台を提供して、経験がその知識をいわば肉付けして,実践的な知恵と変えていきます。そして、それらを通して培われたあなた自身の価値観、つまり何を善意として何を重要と考えるかという基準が養われます。これが最終的な判断のよりどころになるわけです。この価値観が曖昧だと、いくら知識や経験があったとしても人を見る目というのはなかなか定まることはありません。 価値観というものは、楽な経験だけではなかなか固まるものではありません。自分の価値観が本当に試され、そして鍛えられるのは、むしろ困難な状況や倫理的な葛藤に直面した時であります。やさしい道を選びたくなる誘惑とか、あるいは周囲からの圧力に負けてしまいそうな時、それでも自分が大切にしたいものを守り通そうとする。そうした経験を通じて、何が自分にとって本当に譲れない一線なのか。それが明確になって、価値観が骨太になっていきます。ある程度の痛みというのは、その強度を増すためのプロセスであります。 人を見る目を養うプロセスというのは、同時に自分自身の価値観を問い直して固めていくものでもあります。それが結果的に約束を守れる人間になる。そして理想に向かって努力をする。そして、人のせいにしないという具体的な自己のあり方へとつながっていきます。他者への視線がそのまま自分への要求にもなっていきます。人のせいにしないという態度は、あらゆる状況において主体性を持つ、つまり自己責任の原則であり、これは成長には不可欠な心構えと言えます。 これらの考え方は、日々の生活や仕事の中でどのように活用していけるか、考える必要があります。ぜひ、試してほしいのは、自分自身の過去の経験や、特に人間関係における成功体験や失敗体験、振り返ってみて、あの時なぜうまくいったんだろうかあるいはなぜ期待と違う結果になってしまったんだろうか、判断の決め手は何だったんだろうか、もしかしたら見落としていたんだろうか、冷静に分析見ることで具体的な学びがきっと見えてくるはずです。自分の体験に照らし合わせて考えてみると、すごく腑に落ちる部分が多いと思います。 抽象的な教訓としてだけではなく、具体的な場面を思い浮かべながら、これからは、少し意識的に周りの人の行動に着目してみてください。言葉だけを鵜呑みにしないで、その人が実際に何をしているのか、小さな約束はしっかりと守られているのか、あるいは利害関係のない相手、例えばお店の店員さんや後輩に対してどのように接しているのか、最初はちょっと意識しないと難しいかもしれませんが、観察を習慣化することで、徐々にその行動パターンやその人なりの一貫性みたいなものが見えてくることがあります。 すぐに人を見る目が養うものではありませんが、じっくりと習得してください。これは一夜漬けで習得できるような技術では決してありません。むしろあなた自身の人生経験とも人生経験とともに生涯をかけて磨き続けていく,とても深い学びのプロセスにあります。ですから、焦る必要は全くありません。ただ、意識し続けることが変化の第一歩になるということです。人の本質を見抜く鍵というのは、言葉よりも行動、特に一貫性のあるということ、約束を守るか、身近な人を大切にできる。次に誰と付き合うのか。つまり自分がどのような影響を受ける環境に身を置くのか、それを意識することが重要であります。一筋の道を歩む人と、情熱を持って物事に取り組む人との関わりというのは、あなた自身を成長させる力になる可能性があります。そして自分の貴重なエネルギーをコントロール可能な範囲にしっかりと集中させること外部の要因に振り回されず自分の本業やスキルアップに打ち込んでいき、たとえ意欲が先行だとしても努力を続けることで必然と能力が身についてきます。 人を見る目を養うということは、知識と経験、時には痛みを伴うような経験によって後天的に養われていくスキルです。そしてその土台は経験を通じて形成されたあなた自身の確固たる価値観が必要だということです。これらのプロセス全体では、自分自身が約束を守り、理想に向かって努力して、人のせいにしないで自立心を高めて、自己成長とつながっていくものであります。 人を見る目を養う上で、見極めは難しいところがありますが、最も重要な対象というのは他人ではないかもしれません。それはあなた自身に対する向き合い方です。あなたは他者に求めるその誠実さや一貫性をあなた自身で。きちんと体現できているか、考えてみてください。自分自身の日々の行動は、自分自身が大切だと信じる価値観に、本当に一致しているのか。人を見る目を磨くという探求は、結局のところ、自分自身の真の姿を見つめて理想に近づいていこうとすることです。他者を見つめる視線が鋭くなればなるほど、それは自分自身にも向けられるものになります。
言葉にできるは武器になる
251010 言葉にできるは武器になる 私が最近読んだ本の中で、とてもおすすめしている本であります。言葉にできるは武器になる。言葉の定義を、内なる言葉と外なる言葉に分けて考えます。私たちは日々、頭の中で使っているのは、内なる言葉です。これをどう磨いていくのか。そして、それをどう思考を深めて、他の人とのコミュニケーションを変えていく力になるのか。このような点について説明をしていきます。これは、思考力を深めることや、表現力を高めることにつながります。内なる言葉と、どのように向き合っていけばよいか、それを相手に届く外に向かう言葉に変えていくことにつなげていきます。言葉は、何かを伝えるツールだけではなく、自分自身の考え方そのものを形作るものであります。人間関係や自己認識を深めることにも影響を与えます。 はじめに、内なる言葉と向き合うことの重要性について説明していきます。これは、頭の中で考えていること、自分自身と話している言葉と言えます。内なる言葉の質や、その解像度を高めて、豊かさを高めていきます。それが自分の思考の深さにつながります。場合によっては、自分で限界を判断してしまったりしています。人には、相手の言葉に宿る重さや軽さ、深さ、先を通じて、その人の人間性そのものを、無意識のうちに評価をしています。これには、その人の内なる言葉の蓄積が発する言葉の節々に滲み出ることになります。 コミュニケーションを取れるレベルに触れます。相手との①不理解②理解③納得④共感。一番深いレベルが、共感です。この共感レベルの関係を築くには、内なる言葉が豊かでないと、難しいことになります。つまり、自分の考えをもっと鮮明にしたいとか、あるいは誰かに何かを深く伝えたいと思うならば、まずは自分の中にある言葉、つまり内なる言葉の質を高めることから始めなければなりません。普段の自分自身の内なる言葉、頭の中で考えのプロセス、自分の頭の中で考える言葉について、どれくらい自分自身が耳を傾けているのでしょうか。言葉の力について、人を動かす力ではなく、人が動きたいと思わせる力でもあります。強制ではなく、内側からの動機づけを促す力となります。これは表面的なテクニックではなく、磨かれた内なる言葉が生み出す納得感や共感が初めて発揮される力になります。この共感レベルに到達することが本当の意味で言葉を武器にするということになります。 その重要な内なる言葉をどのようにすれば磨いて思考を深められるのか考えていきます。まず頭に浮かぶことを書き出すことが必要です。これはとても単純な作業ですが、とても効果の出る作業です。思考を整理して、客観的に見るための第一歩であるので、とても効果が出ます。頭の中だけで考えていると、どうしても同じところをぐるぐる回ったり、漠然としたままだったりしがちですけど、書き出すことで思考が見える化できるので、自分を知り、内なる言葉を磨かれます。書き出すことにより頭が空っぽになると考える余裕が生まれます。それが、思考のためのスペースを作る行為ということになります。 そして、T字型思考という考え方があります。一つのテーマと考えて、それを内なる言葉に対して、本当にそうか前提を疑います。それから、それでどうする具体的な展開を考えます。また、なぜそうなのか、深掘りをして本質を追求します。この3つの問いかけにより、思考を縦と横に広げて深めていくアプローチ方法です。1つの情報をそのまま受け入れるのではなく、いろんな角度から掘り下げて考えていきます。本当にそうか批判的に考えてどうするか未来や行動につなげて、なぜそうなのか根本的に理解しようとすると、これを繰り返すことで考えが具体的で、しかも本質的になっていくイメージとなります。その他にも、時間軸、認証軸、願望軸、感情軸で考える。これも、思考を立体的にするのに役立ちます。 そして、自分の思い込みから脱すること、自分の壁から解放することがとても大事になります。私たちは、無意識のうちに、常識ではこうだとか、自分の専門性ではこうとか、過去に前例がないからいけないとか、これは苦手だから考えないなど、そういう思考の罠にとらわれがちです。これは常識的、仕事観、専門性、時間、前例、苦手意識といった、見えない壁として存在をしてしまいます。こういう壁があることに、まず気づくこと、そしてそれを意識的に乗り越えようとすることが、思考の自由度を高めて、新しい発想や深い洞察につながっていきます。この壁を認識して挑戦していくことが、前述のT字型思考を含めて、より強烈に思考を深めることになります。普段、思考する上で無意識に使ってしまっている壁は何かそれを特定するだけでも、思考は一歩前に進むことになります。 書き出して、客観視して、T字型思考で深掘りして、多軸思考で多角的に掘り下げて、さらに自分を縛る壁を認識して、それを乗り越えようとする。この一連のプロセスが内なる言葉を豊かにして思考を鍛えるサイクルになるということになります。 このようにして深めた内なる言葉を次にどうやって外に向かう言葉にしていくのか言葉にするプロセスの段階に移ります。ここで大事なのが伝えたい動機の存在です。伝えたい動機が内なる言葉を余すことなく伝える原動力になります。どんなに素晴らしい考えを持っていても、それを届けたいという熱量がないと、なかなか相手の心に響くことはありません。思いが言葉に魂を込める源泉になるわけです。 そしてその思いを効果的に形にするための型として、例える、繰り返す、対比で話す、断定する、感じる言葉を使う、5つの型を理解していきます。ここが重要なポイントは、言葉で自分を大きく見せることや人から良い印象を得ようとすることに使うのは意味がなく、内なる言葉に適切な形を与えるための変換手法として理解すると良いです。つまり、これらの技法というのは小手先のテクニックではなく、自分が内なる言葉として掴んだ本質やイメージをもっと的確に、そして相手と共有できる形で表現するための技法として捉えます。あくまでも内なる言葉を忠実に効果的に伝えるための手段です。 偉人の言葉を引用すると、とても印象的です。「一人の人間にとって小さな一歩だが、人類にとって偉大な一歩である。」これは対比を使うことで、行動のスケールと歴史的な意義を一瞬で伝えています。あるいは、「明日描く絵が一番素晴らしい。」これは断定することで、揺るぎない自信と未来への創造性を感じさせます。「涙は、人間の作る一番小さな海です。」これは、ちょっとした感動した時に出る涙を表現したたとえです。これらの例では、適切な表現がいかに思考や感情を際立たせて、聞き手の想像力を掻き立てることがよくわかります。 そして、こういう技法を使う上で、心得について説明します。 まず、誰一人として平均的な人などいない、一人にでも届ける努力をする、という姿勢です。これは不特定多数に向けた漠然としたメッセージよりも、目の前の一人の人を想像して、その人に届けるつもりで言葉を紡ぐことの重要性を表しています。 一文字でも文字を減らす。余計なものを削ぎ落として本質に迫る簡潔さを意識します。 口に出して読むことで、言葉のリズムを磨き、論理の流れを体で確認することが大事です。 似て非なる言葉を使い分ける。表現の繊細さや知数を深めていきます。知識の量と知恵を活用する力。評価と評判では、客観的な判断と世間の声を使い分ける。意味定義と意義の価値みたいな違いを意識します。 このような言葉のニュアンスの意識が思考の解像度と評価の精度を高めていきます。表現の技法だけでなく,それを支える心構えが,言葉に対する感動を同時に磨くことになります。相手に正確に伝えて,さらに共感を呼ぶためには,この両方が不可欠であります。 普段のコミュニケーションにおいて,内なる言葉で、自分の思考を深めて、技法で言葉を表現して、心構えを持って相手に届ける意識を高める。このようなことを普段から意識すれば、今よりもさらに伝え方が変わることになります。私たちの思考とコミュニケーションの大切さがあり、内なる言葉と外なる言葉の使い分けにより、自分の思考を豊かにして、それをいかに力強い言葉として外に向かう言葉に変えていくのか意識していきます。 自分の内なる言葉と、これに真摯に向き合うことの重要性、そして思考を深めるための具体的なサイクル、書き出すこと、T字型思考、壁を壊すこと、そしてその深めた思いを的確に伝えるための表現方法、それを支えることを心構え、言葉がいかに思考を形作って他者とのつながりを深める上でとても大切な役割を果たしていることが分かります。 「言葉にできるは武器になる」は、自分の考えを研ぎ澄まして、それを相手に的確に伝えて、心を動かす力の強力な推進力となります。普段の生活の中で、意識的に言葉を豊かに、深く、魅力的に考えて、どのような言葉を選ぶのか考えていきます。 偉人の言葉 たとえる 今一度日本を洗濯致し候 坂本竜馬 元来女性は太陽であった 平塚らいてう リーダーとは、希望を配る人のことだ ナポレオン・ボナパルト 旅は私の学校だ。 自分の目で見、自分の頭で考える マルコポーロ なみだは人間の作るいちばん小さな海です 寺山修司 反復 もう一歩。いかなる時も自分は思う。もう一歩。今が一番大事な時だもう一歩 武者小路実篤 未来を考えない者に、未来はない ヘンリーフォード ギャップをつくる。 ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ。ニール・アームストロング 努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る 井上靖 人間は負けたら終わりではない。辞めたら終わりなのだ リチャード・ニクソン 大きな目標があるのに小さなことにこだわるのは愚かだ ヘレンケラー 楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ ウィリアム・シェームズ 言いきる 明日描く絵が一番素晴らしい ピカソ 呼びかけ 困れ、困らなきゃ何もできない 本田宗一郎
話しかたに学ぶコミュニケーションのコツ
251007 話しかたに学ぶコミュニケーションのコツ 伝え方のプロ集団より学びを得た、話し方について話をします。コミュニケーションについて深く考えていきます。あなたの毎日や仕事に役立つようなコミュニケーションのヒントとなります。これはテクニックだけの話ではなくて、コミュニケーションの本質的な話になります。 普段、コミュニケーションに悩んだことある人は何パーセントぐらいいると思いますか?約84%です。これだけの人が話すことと、コミュニケーションでなにかしら悩んだ経験があるということです。裏を返せば、コミュニケーションというのは、才能というよりは、多くの人にとってまだ伸ばせるスキルということになります。コミュニケーションがいかに多くの人にとって課題であるか、数値ははっきり示されます。 コミュニケーションは相手へのプレゼントという考え方です。とても大切で大事な考えです。単に情報を伝えるという作業ではなく、相手のためにしっかりと準備をして心を込めて届ける。プレゼントを選んだり、準備したりする気持ちと同じです。時には大変なことでもあります。よく考えなければなりません。それと同じように、コミュニケーションにも意識とか努力が必要になります。それは自分自身も温かくするものでもあります。このプレゼントという考え方はとてもユニークです。 何も発声だけがコミュニケーションだけではありません。そこで強調されているのは、コミュニケーションを単なる情報を伝達するということだけではないということです。むしろ人生を豊かにするための根源的なスキルだということです。苦手意識を持っている人が多いのは事実ですけど、このスキルが上がれば仕事の効率も上がりますし、人間関係の質も深まっていきます。世界的に見ても重要なビジネススキルであり、同時によりよく生きるためのライフスキルでもあります。84%の数字を考えると、多くの人がスキルアップに関心があるはずです。だからこそ、プレゼントという捉え方が心に響きます。相手に思いやりを持って接することが、巡りに巡って自分に返ってくることになります。この意識を持つことがコミュニケーションの改善の第一歩であります。 そして、基本中の基本は挨拶から始まります。様々な挨拶があります。くだけた挨拶もあります。これも立派な挨拶であります。こんにちはだけが、挨拶ではありません。挨拶って本当にいろいろな形があって、私たちが普段使っているのはほんの一部に過ぎません。例えば、おはようございます。今日も暑いですねと一言加えるだけで、あるいはお疲れ様ですね、元気とか、ほんのちょっとしたことでそこから会話が始まるきっかけが生まれるわけです。挨拶のレパートリーを意識的に増やすというのは、実はすごく手軽に始められる関係構築の第一歩とも言えます。 そして、次に、常に感謝の気持ちを伝えることが大事です。大事なことは、ありがとうと言えることです。ここでありがとうの反対の言葉は何かわかりますか?答えは当たり前です。ありがとうは文字通りあることが難しいということです。つまり、相手がしてくれたことは決して当然のことじゃないという、そういう感謝の表明でもあることになります。感情は意識しないと湧きにくいものだと言われますけど、特に感謝は意識的にありがとうと口に出す習慣が温かいコミュニケーション、つまりプレゼントを贈る行為につながります。普段どれだけ当たり前と思っているのか、ちょっと考えさせられます。 初対面の場面ですと自己紹介します。これについても考えていきます。名前や所属を言うのは普通ですけど、相手が本当に知りたいのは実はそこだけじゃないかもしれません。相手はこう無意識のうちに探っています。この人はどんな人なんだろうとか、自分に対して敵ではないのかとか、私のことをどう思ってるのかなみたいに、もっと深いレベルの情報を実は探っているということになります。だからこそ表面的な情報よりもあなたと良い関係を築きたいというメッセージを届け、そちらの方が伝える方は実は大事になります。例えば、実は人見知りなんですけど、今日はあなたと仲良くなりたいと思ってきました。ですとか、あるいは緊張すると無愛想に見えてしまうんですが、実はお会いできるのをすごく楽しみにしていました。そういう一言が大事になります。シーンをスムーズにする潤滑油になるわけです。これはちょっと勇気がいるかもしれませんが、効果は大きいです。すぐに試してみる価値があります。 初対面の人と話す時に話題作りとして、出身地や食べ物の,話題に盛り上がる時があります。非常に面白い例えがあります。カレーです。カレーを知らない人にカレーを説明するって、そういう思考実験です。あなたならどう説明しますでしょうか。食べ物、スパイスの溶かした、なんかドロッとした液体スープみたいな甘口も辛口もいろいろ出てくるものです。 なかなか核心にたどりはつかないのですが、聞いている方は、えっ、スープみたいに混乱しちゃって、あの描写が本当に伝わらないもどかしさがリアルに出てきます。この例えが非常に鮮やかに示しているのは、自分がよく知っているいわば当たり前のものを説明する時って、私たちはつい特徴から話してしまいますが、、辛いやスパイシーだと黄色と。相手がカレーそのものを食べ物であるという前提、つまりそれが属している大きなカテゴリーを共有しないと、いくら特徴を並べても全体像は全く伝わらないということであります。カレーとはまず食べ物ですというふうに、相手が確実に知っていそうな、もっと大きな枠組みから話し始めることが大事なのです。これは仕事で専門外の人に説明するときや、本当に多様な背景を持つ人や人が集まる場なんかで特に意識しないといけないポイントになります。 自分の当たり前は相手の当たり前ではないということを意識しなければなりません。まさに多様性を尊重する姿勢そのものです。丁寧な説明というのは、相手への配慮の表れでもあります。初対面の人に何を話せばいいかわからないと悩むに対して、この例えば教訓とも言えます。 比較的に誰とも共有しやすい、盛り上げやすい話題です。ここまでの話を踏まえて、さらにコミュニケーションを円滑するために、具体的な習慣とも言えるポイントがあります。日々の実践につながるヒントになりますので、習得してください。 一つ目は、相手の目線を向けるだけではなく、体を向けるということが大事になります。こんにちはと言いながら通り過ぎていることもできてしまいます。でも、体ごと相手に向かうことで、私は今あなたに集中していますという非言語的なメッセージがより明確に伝わるわけです。これは相手に安心感とか尊重されるという感覚を与える非常にパワフルなボディランゲージです。忙しい時ほど、つい体は次の作業に向いたまま声だけかけちゃうみたいなことがあるかもしれません。意識したいです。 次に聞くことも大事になります。その理由として。この人は私の話をしっかり聞いてくれた。だから私もこの人の話を聞こうという心理が自然に働くということであります。良い対話というのは、まず相手の話を真剣に聞くから聞くことから始まります。そういう循環が生まれるわけです。話したいことが、ある時ほど、まず聞く姿勢が求められるということが大事です。 その聞く姿勢を示すための相槌、これもポイントがあります。単に「へー」とか「そうなんです」「ですね」って繰り返すだけでは、ちょっと不十分で良い相槌ではありません。そこで、どうしてなんでと理由や背景を尋ねることで話が,深まります。例えば相手がカバンを買ったという話題に対して「へーそうなんですね」と終わるのではなく、どうしてそのカバンを選んだんですか、どんなところに惹かれたんですか、みたいにもう一歩踏み込む。これによって単に事実を確認するだけではなく、相手の考えとか価値観、感情に興味を持ってますよという姿勢が伝わって対話が深まっていきます。 そして最後のポイント。意見を言いたい時ほど、まず相手の意見を認める、受け止めるということです。極めて重要なことです。意見が対立する時って、私たちはつい「いや、でも」とか「それは違うんじゃないか」みたいな反論から入りがちになります。でも、それをこうぐっとこらえて、なるほど、あなたはそういう視点で考えているのですね。まず相手の意見をそこにあるということを認める、受け止める。その上で一方で私はこう考えますというふうに自分の意見を伝える。このワンクッションがすごく大事になります。これが感情的な対立を避けて建設的な議論を可能にする鍵になります。完璧である必要はありません。ただ、このままずっと受け止めるという原則を知っていて、意識的に実践しようと努める、その姿勢が大切になります。 これらのポイントは、結局知っているだけじゃ意味がなく、日々のコミュニケーションの中で意識して、試行錯誤しながら身につけていくスキルになります。職場でも家庭でも友人関係でも本当にあらゆる場面で応用できる普遍的なヒントになります。コミュニケーションはプレゼントという心構えから始まって「ありがとう」の本当の意味、それから相手の心に響く自己紹介のコツ、わかりやすい説明の原則、さらに聞くこと、問いかけること、そして何よりも相手を受け止めること。これらがコミュニケーションにおいて重要なことであります。 単なる表面的なテクニック以上に相手への尊重と深く理解しようとする真摯な姿勢。これこそがコミュニケーションの神髄ということです。言葉だけに頼らない、心でつながろうという姿勢の大切さも強く意識させられます。あなたがご自身のコミュニケーションにおいて、何を大切にして、どんなプレゼントを相手に届けたいのか、それを考えるきっかけにしてください。
人の心をぐっとつかむ話し方
251006 人の心をぐっとつかむ話し方 ぐっと人の心をつかむ話し方、特に情景の描写が必要になります。自分の見たこととか感じたことをいかに相手の心に届けるか。すごいと響かせられるのか、その秘訣を伝えていきます。 人を動かすというのは、コミュニケーションの、本質的な部分です。人はどこかで、他者と感情的につながりたいと願っていますが、同時に、傷つかないように、無意識に心のシャッターを下ろしてしまう部分があります。人は心が動かないように、プロテクトをかけているところがあります。動かされたい欲求とプロテクトの気持ちが働きます。一見矛盾するような心の動きのその境目で、どうやって相手に働きかけるかが大事となります。 自分の心が動いた経験を伝えることが大事です。そのため、日々、そのための素材を集めることです。自分のリアルな体験を話すことが重要です。いかに話に魂が宿るかに関わってきます。借り物の言葉や一般論では、表面的なものになりがちです。自分が実際に見て聞いて、それで心が揺さぶられた経験は、言葉を超えたリアリティー、つまり真実味と、熱量が乗ります。大事なことは、単に体験しましたで、終わらないことです。 いくら熱量を込めるといっても、主観を伝えてばかりでは響きません。むしろ客観的な事実を描写できることができるようにすることが、実は伝わる秘訣です。自分の感動を、もう最高、 感動したと、熱く語るんじゃなくて、何か淡々と事実を描写する方が、かえって相手の心を動かすことになります。 人の心を動かすために、ある種の逆説的な考え方です。非常な重要なテクニックです。なぜ客観的描写が必要なのか説明します。それは、聞き手の頭の中にスペースを作るからであります。聞き手の頭の中には、客観的な事実を基づき、例えば、色や形や音など、人の動きの場の雰囲気を具体的に描写することで、聞き手はその情報をもとに、自分自身の頭の中でその状況を再構築、できるようになります。その再構築された状況の中で、聞き手自身の感情が生まれるのを待つことも大事であります。情景の共有です。つまり、ただ感動したと言っても、それは伝わることはありません。それは自分の感情の結果であって、聞き手の受け取る感情とは違います。客観的な描写をすれば、聞き手はその情景を追体験して自分なりの感情として受け止め、同じ感動かもしれないし、あるいは何か寂しさや懐かしさもしれないけど、とにかく聞き手自身の感情を引き出すことが大事になります。 例えば、「昨日の夕焼け、めちゃくちゃ感動した」と言ったとします。私が興奮して言ったとします。しかし、それだけでは相手はそうなんだと一言で終わってしまうかもしれません。それだけでは心は動くものではありません。もし僕が日が落ちる直前で、あの雲の切れ目から漏れた光が古いビルの壁をサーッと金色に照らしたんです。すぐそばの工事現場のクレーンが、なんかまるで巨大な鳥みたいにシルエットになって、風がピタッと止まって遠くから聞こえる電車の音だけがやけにクリアだったみたいな。そのような具体的に描写できたら、何か情景が目に浮かんできます。聞いてる人も心の中で、ズバッと生まれてくる感じがします。 話し手の感情を押し付けないからこそ、聞き手の感情が自由に動けるものです。話をしている側の盛り上がりが相手には伝わらないというのは、このような注意喚起が必要になります。主観的な言葉、例えば、すごい、面白い、やばい、感動した。そういうのを連発すると、話し手は気持ちいいかもしれないですけど、聞き手は結構置いていかれる気がしてしまいます。客観的な描写というのは、いわば聞き手の想像力というエンジンにかけるための鍵を提供するようなものです。自分の感情を避け、相手の心に火を灯すために、ある種の火をそっと置くみたいな感じであります。これは意識して使ってみたい技術です。 その客観的描写をどうやって効果的に伝えていくのか、伝え方にも工夫が必要です。ワンセンテンスは長くなく、場面を切り替えていくと集中して聞けるようになります。情景の共有や場面の展開を早くしてあげます。短いショットをテンポよくつないでいくと、聞き手の集中力も保つ上で有効になります。聞き手に飽きさせないということにもなります。人間の集中力は、特に聞くという行為に対する集中力は、残念ながらそんなに長くはつきません。 聞き手の脳内に情景を浮かべるということが大事になります。ダラダラと長く一文で説明されるよりもパンと短い文で画面が変わる方が映像がクリアに結びやすくて話の流れに突入していくようになります。このテンポの良い客観的描写が目指す最終的なゴールは、やはり聞き手の心が動くことにあります。何らかの感情が動くというその体験を引き起こすことです。 この巧みな描写とリズミカルな展開。そっと何か気づかれないようにプロテクトを解除していき、心の奥にある本当は心は動かされたいんだというその欲求に応えてあげる。そういうアプローチとも言えます。心のプロテクトを描写とテンポ良さで解除していきます。意識的な訓練も必要になります。興奮すると、どうしても自分の感情をそのまま言葉にしたくなりますから、そこをグッと堪えて客観的な視点を保って、何が見えたのか、何をどのように感じたのか、その事実に立ち返ることが大事です。それを短い言葉で描写して慣れるまで、確かに難しいかもしれません。 また、ここで大事にしたいのは、相手に、面白く興味が湧く話が大事ということです。どんなに描写とか構成の技術を磨いても、そもそもその話題自体がつまらなければ、人の心は動きません。面白い話、興味深い体験を伝えるために、まず観察者として冷静に素材を集めるということも大事になります。自分の感情を直接叫ぶのではなく、客観的な事実を短いセンテンツでテンポよく描写していく。 それによって、聞き手の頭の中に情景を共有して、聞き手自身の感情が生まれるのを助ける。これが、人の心を動かす話し方の秘訣ということになります。この観察者としての視点を意識的に持つというトレーニングについては、コミュニケーション能力を高めるだけではありません。自分自身が普段、日常の世界から何に気づいて何を感じる,そして読み取るのか、つまり自分自身の認識の解像度自体を変えていくという習慣づけが大事になります。 例えば、目の前にあるコーヒーカップ。ただのコーヒーカップがある。ではなく、白い陶器で、取っ手の付け根に、小さなヒビが入っているなとか、湯気がこうゆらゆらと立ち上がっていて、部屋の蛍光灯が表面に鈍く反射していくみたいに。そうやって意識的に描写しようとすると、普段は見過ごしている、細かいところに気づくようになります。色とか形、質感、感覚、光の当たり方なんか、小さな変化とかをとらえ習慣を続けると、世界がもっと豊かに面白く見えてくるかもしれません。心を動かす話をするための改善というのは、まず自分の周りの世界に驚きを持って注意深く見つめることから始まるということです。
自分を信じる勇気
251005 自分を信じる勇気 自己信頼や自己理解、そして幸福感それらを見つけるにはどうするかその鍵となる考え方を理解を深めていきます。自分の知性と性格とどう向き合っていくか。それから誰もが持っている劣等感これをどう力に変えていけるのか。そして自己受容と人生の目的を説明します。これらの概念が自分自身の日々の生活と自己信頼に響いていくのか考えていきます。単なる自己啓発のテクニックではなく根本的に自分自身と向き合い方、そしてより肯定的に生きていくための視点、特に自分に何が備わっていて、それをどう活かすかがポイントとなります。 一般的に私たちが考える,IQだけが知性ではありません。問題解決能力や創意工夫、これも立派な知性となります。学校で育むべき要素として尊敬、共感、信頼感、貢献感、 人間関係に関わる力もあります。ハワード・ガードナーの多重性知能理論があります。言語的な知性、対人関係の知性、自分自身を深く理解する内省的な知性など。知性も多様な側面があり,自分自身の強みについて,どのあたりにあるのか考えることができます。今まで知性なんて思ってみなかった部分に光を当てて考えてみるものです。この知性の多様性というのを理解することが、自己理解の第一歩でもあります。自分がどの領域で輝けるのか、それを知ることで、自分が最終的にどうなりたいのか、という自己認識が深まるわけです。それだけではなく、他の人が持っている異なる知性や価値を認めることにもつながっていきます。これが他者への尊敬や共感を自然に育む土壌にもなります。そしてこの自己理解の性格の形成とも密接に関係してきます。 例えば、持って生まれた気質は、内向的か、外向的か、または、育ってきた家庭環境や、家族が大事にしてきた価値観や家族全体の雰囲気、これらが複雑に絡み合ってその人固有の思考パターンや感情の反応、つまり性格を形作っていくということも考えられます。自分らしさを知る良い手がかりになります。知性も性格もまずは。自分を知ることから始まるということになります。 その次に、自分らしさを磨くことに移ります。個性的であることと周りとうまくやっていく協調性のこの2つのバランスが大事になります。そして、セルフトレーニング、つまり自分で努力し続けることの重要性も大事になります。情動を上手にコントロールできる人は、理性と感情を適度に使い分けながら行動できる人であります。 具体的にどういう状態を指しているのか考えます。これは感情に蓋をするのとは違います。感情を無視したり、抑圧したりするのではなく、まず自分の感情をしっかりと認識した上で、その感情に短絡的に反応してしまうのではなく、状況や目的に合わせて理性と感情の。いわば調整する能力が大事になります。感情というとすぐにカッとなって行動に移すのではなく一呼吸置いて考える、そういうことが大事になります。 次にリーダーシップの話も大事です。リーダーシップは誰もが必要であります。いわゆる管理職やリーダーという役職に限った話ではありません。ここで言っているリーダーシップは私たち一人一人が自分の人生という船の船長として主体的に行き先を決めて困難を乗り越えていく力であります。そういう意味合いで捉えています。自分の人生の主導権を握るということです。自分の人生のリーダーです。そのように考えると誰にでも必要な力ということがわかります。 そしてこの自分らしさを、自分の人生のリーダーシップを追求していく上で,多くの人が直面するのが、劣等感の付き合い方です。人は生きている以上、劣等感を抱く存在となります。これは、ある意味、すごく正直なことであります。完璧な人間なんていないからです。他人と比べて感じる劣等感と、あとは自分の中の理想と比べて、感じる劣等感この2種類があります。ここでとても重要なポイントは劣等感と劣等コンペックレックスは分けて考えるということです。 自分はここが足りないと感じる。劣等感自体はむしろ成長へのバネになり自然な感情であります。劣等感そのものが全部悪いというわけではありません。問題になってしまうのはその劣等感が過度に強くなってしまい、そしてどうせ自分なんてみたいな言い訳や、行動しないことにつながり、自分自身のブレーキに使われてしまう、劣等コンプレックスの状態になり、これに陥らないように意識することが大事であります。そのために大事なことは、貢献感を持つことです。つまり、自分は誰かの役に立っているという感覚を持つことが大事になります。 これは、アドラー心理学の中心的な考え方であり、個人の主体性や目的、共同体感覚を重視する心理学にも通じるところがあります。誰かの役に立てているということを感じると、何か自分の価値を感じることにもつながりやすくなります。 自分の努力では変えられないこと、例えば、生まれた環境や過去の出来事、そういうことがあったとしても、 それに対してどう反応してどう意味づけるのかというよりは完全に自分自身の選択できることに主体的な姿勢を持ちそれが劣等感を乗り越える上でとても大事な力になります。変えられないことに囚われるのではなく、変えられる反応や意味づけに焦点を当てること。これが大切になります。 そこで大事になるのが言葉の力であります。普段何気なく使っている言葉が自信に影響するということは、 多くの人が実感していることであります。特に陽性感情,つまりポジティブな感情を意識的に働かせることが大事になります。安心感,期待感,満足感,喜び,興味,感動,愛情,幸福感,このように,リストアップするだけで、とてもたくさんのポジティブな感情があるということを、改めて気づかされます。そして、そのポジティブな感情を引き出す道具というのが、まさに言葉であります。自分自身に向ける言葉、いわゆるセルフトーク、これを意識的にポジティブなものに変えることで、気分や思考もポジティブな方向へ導かれやすくなります。一種の自己暗示のような効果も期待できます。例えば、失敗したときにもうダメだとつぶやく代わりに、よし、ここから何を学べるか考えようと、このほんの小さな習慣の積み重ねが、自己肯定感を育んでいきます。普段からセルフトークを意識してみてください。結構ネガティブなことも言っている人も多いことに気づきます。だからこそ、意識的に変えていく価値があります。 ネガティブな感情の中でも、妬みと嫉妬は区別して考えます。その対処法について考えていきます。妬みと嫉妬は似ているようですけど違います。嫉妬というのは,主に人間関係の中で大切な人との関係が何か脅かされるという感じた時に生まれる感情であります。その感情の存在を認めて、事実を確認して、建設的なコミュニケーションで対応することが大事になります。一方で、妬みというのは、他者が持っているものをこう羨ましく思う感情です。これを単に相手を引きずり下ろしたりしたいという破壊的な方向ではなく、羨望、つまり自分もああなりたいな、自分もあれを手に入れたいなという向上心や目標達成へのエネルギーに転換していくことが大事になります。ネガティブな感情も見方を変えればエネルギーの源になり得るということです。 そして、いろいろな感情や自己認識を得て、次に「自己受容」というテーマにつながります。ありのままの現実、ありのままの自分を受け入れることが、最終的に人生の満足度や幸福度に高めていくということになります。ここで大事なのが、見方を変える発想を転換することの力であります。同じ出来事や、同じ自分の弱みであっても、捉え方次第で、悩みや短所が可能性やユニークな魅力へと変わっていきます。 例えば、頑固ということは、意志が強いと転換できます。飽きっぽいということも、好奇心旺盛なんだなというふうに捉え直すこともできます。これをリフレーミングと呼びます。この視点の転換、発想の転換ができるようになると、今までは、これは自分の性格だからと言って避けてきたことであっても、少し挑戦してみようかな、そのような勇気が湧いてくるかもしれません。結果として、生き方そのものがより肯定的になって可能性が広がっていきます。自己受容は、自己肯定感を育むための大切な土台とも言えます。 そして、その自己受容を土台にして、今度は未来を描いていく人生のシナリオについても考えていきます。自分の中には無意識のうちに描いている究極目標地点、つまり理想の自分像みたいなものがあります。そして、その魅力的な未来の自分に到達するために、今この瞬間に何をすべきか、何を積み重ねていくべきか、考えることが重要になります。 未来志向的で何か希望を感じさせる考え方です。ここでポイントなのは、その究極目標については必ずしも具体的で達成可能な短期目標とは限らないということです。むしろ人生の羅針盤みたいな大きな方向性を示すものでありますから、そこに至るための長期目標や中期目標、短期目標というのは状況の変化とか自己理解が深まりに応じて、柔軟に見直ししたり変更したりしても構いません。 何か固定的な計画に縛られたりするのではなく、大きな方向性を見失わずに、しなやかに進んで対応していくイメージです。柔軟に変更しても構いません。計画は必ずしも予定通りいくことがすべてではありません。 そして、ここでもまたセルフトークが鍵になってきます。未来の理想の自分を思い描いて、それに向かって進み、自分を励ますような言葉をかけます。これが日々のモチベーション維持や困難に立ち向かう勇気から来ます。 自分を励ます言葉が大切です。そして、自分だけではなく、他者との関係における勇気づけ。これも重要な要素として挙げられます。リスペクトをすること、それから共感すること、信頼する、そして協力する、こうした関わりが良好な人間関係を築くだけでなく、巡りに巡って自分自身の価値を感じて、自己価値観を高めて、幸福度を高めることにつながります。 プラスのイメージを掛け算でアップしていくイメージも良いです。ポジティブな関わりが相乗効果でどんどん良い循環を生み出していくイメージになります。そして具体的な行動指針として,示しているのが、誰かに必要とされていると感じることです。それを自分にできる範囲でやること。そして、今更遅いなんて思わずに今から始めること。非常に前向きで実践的な考えです。貢献感にも直結する考え方であります。今からやる、何を始めるにしても遅すぎることなんてありません。そして本当に大切なことは、自分が持っているもの、自分に残されているものは何かを考えることであります。 パラリンピックの創設に尽力したルード・ヴィヒ・グッドマン博士の「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に活かせ。」この言葉は、事故などで身体的な機能を失った選手たちに向けられた言葉でありますが、我々全員に当てはまる普遍的なメッセージでもあります。次に、アルフレッド・アドラーの言葉。「重要なことは、人が何をもって生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである。」この言葉は、持って生まれた才能とか、環境、あるいは過去の経験といった、「与えられた」そのものよりも、それを自分がどう解釈して、どう活用していくか、その使い道こそ人生を豊かにすることに鍵があるということを意味しています。失われたものではなく、残されたものに目を向け、与えられたものをどう使いこなすかこれは自己信頼と幸福への道筋を示す根本的な哲学であります。 知恵の捉え方、劣等感との建設的な向き合い方、自己受容の力、そして何よりも、今、ここから自分に与えられたものを最大限にいかしていきます。自分自身に与えられたものは何か。それは才能かもしれないし、経験かもしれない。あるいは、特定の価値観や人間関係かもしれません。その中で、今日から特に意識して活用したいなと。あるいは、これからもっと育てていきたいと感じるもの。何かあるはずです。自分自身の内面を見つめてみることが大事です。内省的な知能を働かせること自体が、自分を信じる勇気を育むための確かな第一歩になります。
思考特性と行動特性
第1章:ハーマンモデルとエマジェネティクスの概要 ハーマンモデル(HBDI:Herrmann Brain Dominance Instrument)は、人間の思考スタイルを4つの象限に分類することで、個人の「利き脳」や認知傾向を理解するための理論モデルです。1980年代にGE社のネッド・ハーマン博士によって開発され、世界中の企業や教育機関で活用されています。 一方、エマジェネティクス(Emergenetics)は、「Emerge(出現する)」と「Genetics(遺伝学)」を組み合わせた造語であり、ハーマンモデルの思考特性に加えて、3つの行動特性(自己表現性・自己主張性・柔軟性)を取り入れた理論です。これにより、人の思考と行動の特性をより立体的に捉えることが可能になります。 以下のサイトでは、簡単な質問に答えることで、自分の思考タイプを知ることができます。👉 https://herrmann.rere.page/ 第2章:思考スタイルの違いが生むコミュニケーションギャップ 人はそれぞれ、考え方やコミュニケーションの取り方に癖があります。こうした違いは、なぜ生まれるのでしょうか。そして、それが日常の人間関係や仕事の進め方にどのような影響を与えているのでしょうか。 日頃のコミュニケーションを見直したり、自分自身の新しい見方を理解するために、思考スタイルの違いを知ることは非常に有益です。職場では、コミュニケーションのすれ違いによって意思疎通がうまくいかず、結果として人が離れてしまうことが少なくありません。実際、離職の原因の多くはコミュニケーションギャップにあると言われています。 「なぜ伝わらないのか」「なぜ分かり合えないのか」——その根本にあるのが、エマジェネティクス(EG)という考え方です。 第3章:思考スタイルの違いを理解する EGはEQ(感情指数)とは異なり、脳の特性に基づいた思考や認知の好みのパターンを示します。いわゆる「利き脳」の概念です。 人にはそれぞれ異なる思考パターンがあり、「違うこと」が前提です。私たちはつい、自分の「普通」を基準にしてしまいますが、その「普通」は人によってまったく異なります。 例えば、ある人にとっては結論から話すのが自然でも、別の人には経緯から丁寧に説明されないと理解できないというのが自然です。こうした根本的な思考スタイルの違いが、コミュニケーションギャップにつながる可能性があります。 仕事におけるコミュニケーションは、単に仲良くすることではなく、考え方の違いを認識し、それを乗り越えて情報を正確に伝えることが重要です。感情的に寄り添うだけでなく、相手がどのようなプロセスで考えているのか、思考の地図のようなものを理解することが非常に大切です。 第4章:EGの思考特性と行動特性の分類 エマジェネティクス(EG)では、人の思考スタイルを以下の4つのタイプに分類しています。それぞれ色で象徴され、特徴的な認知傾向を持っています。 思考特性(4タイプ) 誰もがこれらの要素を持っていますが、どの特性をより好んで使うかに違いがあります。たとえば、「あの人はデータに厳しいから青っぽい」「いつも周囲に気を配っているから赤の人だな」といったように、周囲の人を思い浮かべると当てはまることがあるかもしれません。 行動特性(3タイプ) EGでは、思考の好みに加えて、行動のスタイルも重視しています。以下の3つの行動特性があります。 この4つの思考特性と3つの行動特性の組み合わせにより、非常に多様な人間のスタイルが生まれます。思考の「エンジン」としての4タイプと、それをどう「動かすか」という行動特性の組み合わせが、個人の特性をより深く理解するための鍵となります。 たとえば、同じ分析型でも、じっくり考えて発言する人と、積極的に意見を主張する人では、周囲からの見え方やコミュニケーションの取り方が大きく異なります。 これは単なる性格診断ではなく、「なぜ人が特定の状況でそのように振る舞うのか」という背景にある好みを理解するための、非常に解像度の高い地図と言えるでしょう。 第5章:ハーマンモデル(HBDI)との比較と診断結果の考察 ハーマンモデル(HBDI:Herrmann Brain Dominance Instrument)は、正式名称を「ハーマン・ブレイン・ドミナンス・インストゥルメント」といい、脳の特性に基づく思考の優位性、いわゆる「利き脳」を可視化するツールです。 EGが4つの思考特性と3つの行動特性で人の傾向を捉えるのに対し、HBDIでは思考様式を以下の4つのゾーンに分類します。 HBDIの4つのゾーン HBDIでは、どのゾーンの思考をより自然に、あるいは優先的に使う傾向があるかをスコアで可視化します。 実際の診断結果から読み取れる傾向 2016年2月29日に私が受けたHBDIの診断結果では、以下のスコアが出ました: この結果から、特にDゾーン(概念的・創造的思考)が非常に高く、最も優先される思考スタイルであることが分かります。HBDIでは、スコアが67点以上を「優勢領域」、34点〜66.5点を「使用可能領域」、33点以下を「回避領域」と定義しています。 私の場合、BCDの3つが優勢領域に入り、特にDゾーンが100点を超えているため、創造的思考が最も強い傾向にあります。一方、Aゾーン(論理的・分析的思考)は使用可能領域にあり、必要に応じて使えるものの、好みとしてはやや低めです。 このプロファイルは、全人口の中でも約10%程度しか見られない比較的珍しいタイプとされており、非常に多彩な思考スタイルを持っている可能性が高いとされています。 多様性とバランスのある思考スタイル この診断結果から読み取れるのは、以下のような特徴です: これらの異なる性質の思考モードをバランスよく、しかも高いレベルで使いこなせる可能性があります。人事、コンサルタント、教育者、セラピストなど、多角的な視点と対人スキル、創造性が求められる役割で力を発揮しやすいタイプです。 一方で、どの領域にも強く関心がある分、一つの専門分野に深く特化することが難しい場合や、周囲から「何を考えているのかつかみどころがない」と思われる可能性もあります。 第6章:簡易診断結果から読み取れる自己理解 2025年9月28日に行った簡易診断の結果では、以下のようなスコアが得られました: この結果から、私はまず何よりも人間関係や他者の感情、チームの調和といったC領域の要素を非常に重視する傾向が強いことが分かります。共感力が高く、人と協力したりサポートしたりすることに喜びを感じるタイプです。 加えて、D領域も高得点であることから、新しいアイデアを生み出す力や、物事の本質・全体像を捉える力、未来志向の思考も私の大きな強みであるといえます。 自覚と傾向の理解 Cタイプが満点、Dタイプも高得点という結果から、私は人と話すことや新しいことを考えることが好きであるという自覚があります。 一方で、A(論理)とB(計画)のスコアが相対的に低いことから、データや事実に基づいた客観的な分析や、細かい手順やルール、スケジュールに厳密に従うことに対しては、CやDほどのエネルギーを感じない、あるいは苦手意識がある可能性もあります。 たとえば、会議では感情的な側面や新しい可能性については活発に発言する一方で、具体的な実行計画の詰めやリスク分析になると、興味が薄れてしまう場面もあるかもしれません。 こうした傾向をしっかりと自覚しておくことは、自己理解を深めるうえで非常に重要です。 第7章:コミュニケーションギャップの実例と異なるタイプとの関わり方 前述のように、約49%の人が職場でのコミュニケーションギャップに悩んでいるというデータがあります。これは、思考スタイルの違いが原因で、相手の言動が理解できなかったり、誤解が生じたりすることが多いということを示しています。 たとえば、CやDタイプ(感情的・創造的思考)が得意な人が、Aタイプ(論理的思考)やBタイプ(計画的思考)の人と仕事をする場合、次のようなすれ違いが起こる可能性があります。… Continue reading 思考特性と行動特性
行動経済学から考える 認知 状況 感情
行動経済学について 私たちは普段、自分がしっかり考えて物事を選んでいると思いがちです。しかし、後になって「あれ?なんであんなことをしてしまったんだろう」と不思議に思うこと、意外と多くありませんか? 経済は、私たち一人ひとりの日々の選択や行動の積み重ねによって成り立っています。だからこそ、その行動の主体である「人」の心の動きを理解することがとても重要になります。 行動経済学の世界では、私たちの意思決定がなぜ常に合理的とは限らないのか、その背景にある思考の癖や感情の影響、そして目に見えないメカニズムに注目します。難解な理論ではなく、日常の中で「なんでこんな選択をしたんだろう?」という疑問の裏にある仕組みを解き明かしていくのです。 私たちの思考には、基本的に2つのモードがあります。行動経済学ではこれを「システム1」と「システム2」と呼びます。 システム1は直感的なモードで、素早く自動的に判断を下します。努力をほとんど必要とせず、例えば目の前にボールが飛んできたときにとっさに避けるような反応です。 一方、システム2は熟考モードで、注意とエネルギーを使ってじっくり考える働きをします。複雑な計算や論理的な文章の理解などに使われます。 この2つはうまく連携していますが、疲れていたり時間に追われていたりすると、システム1が前面に出やすくなります。システム1の判断は効率的ですが、認知バイアスと呼ばれる思考の癖によって、非合理的な選択をしてしまうことがあります。 たとえば有名なものに「サンクコスト効果(埋没コスト)」があります。これは、すでに費やした時間やお金、労力を理由に「今さらやめられない」と感じてしまう心理です。プロジェクトや人間関係がうまくいかないと分かっていても、過去の投資を取り戻そうとしてさらにリソースを注ぎ込んでしまうのです。しかし冷静に考えれば、これから使う時間やお金は、もっと有益なことに使えるかもしれません。 ここで重要になるのが「機会コスト」という考え方です。サンクコストにとらわれると、未来のより良い選択肢を見失ってしまいます。たとえば、面白くないと分かっている映画を「チケット代がもったいないから」と最後まで観てしまう。あるいは、自分に合わない習い事を「月謝を払っているから」と惰性で続けてしまう。こうしたことは、日常の小さな場面でもよく見られます。 次に紹介するのは「確証バイアス」です。これは、自分の信念や考えを裏付ける情報ばかりを無意識に探してしまう傾向です。たとえば、欲しい商品があると、良いレビューばかりが目に入り、悪いレビューは「たまたまだろう」と無視してしまう。政治的な意見でも、自分の立場に合ったニュースばかりを信じ、反対意見には耳を貸さなくなる。これも典型的な確証バイアスです。このようなバイアスが強くなると、視野が狭くなり、客観的な判断が難しくなります。 さらに、私たちの選択は「状況」にも大きく左右されます。自分で主体的に決めているつもりでも、実は状況が意思決定をデザインしていることが多いのです。代表的なのが「フレーミング効果」です。これは、同じ情報でも伝え方や見せ方(フレーム)によって、受け取り方や判断が変わってしまう現象です。 たとえば、ある手術の説明で「成功率90%」と言われるのと、「失敗率10%」と言われるのでは、どちらが安心しますか? 内容は同じでも、前者の方が安心感がありますよね。これは、ポジティブな側面を強調するか、ネガティブな側面を強調するかの違いです。 また「おとり効果」という選択のデザインもあります。たとえば、カフェでSサイズが300円、Lサイズが500円だと迷いますが、そこにMサイズ480円が加わると、「それならLサイズの方が得だ」と感じやすくなります。これは、Mサイズという「おとり」があることで、Lサイズが相対的に魅力的に見えるようになる仕組みです。私たちの脳は、絶対的な価値を評価するのが苦手で、比較によって判断しやすくなるという性質があります。これを利用したのが「おとり効果」です。 そして3つ目の要素が「感情」です。感情の影響は非常に大きく、特に行動経済学で注目されるのは「エモーション(喜怒哀楽)」だけでなく、「アフェクト」と呼ばれる瞬間的で微細な感情反応です。たとえば、何かを見たり聞いたりした瞬間に「なんか好き」「なんか嫌だ」と感じることがあります。このアフェクトは、直感の羅針盤のように働き、私たちの判断や行動のショートカットになります。これを「アフェクト・ヒューリスティック」と呼びます。 たとえば、ある企業の名前に良いイメージがあると、深く分析する前に「この株は買いだ」と判断してしまう。逆に、ネガティブな印象があると、リスクを過大評価してしまうこともあります。ただし、アフェクトは必ずしも悪いものではありません。ポジティブな感情は、視野を広げ、創造性を高め、新しいことに挑戦する意欲を引き出す力もあります。これは「拡張形成理論」と呼ばれています。 大切なのは、自分が今どんな感情状態にあるのかを**自覚すること(メタ認知)**です。「今ちょっとイライラしているから、このテーマに否定的なのかも」「気分がいいから楽観的になりすぎているかも」といったように、自分の感情が判断に与える影響を客観的に見ることができれば、よりバランスの取れた意思決定がしやすくなります。感情を無理に抑えるのではなく、自覚してうまく付き合うことが大切なのです。 このように、私たちの選択は「思考の癖(認知バイアス)」「状況のデザイン(フレーミングやおとり効果)」「感情(特にアフェクト)」という3つの要素に大きく影響されています。その結果、私たちの意思決定は、理想的な合理性からしばしば逸れてしまうのです。 人間は、予測可能な非合理性を持つ存在です。完璧な合理性を目指すのではなく、「人間ってそういうものなんだ」と知ることが大切です。自分の意思力を過信したり、周囲の情報に流されたり、機会を逃すことを極端に恐れたりする。まずは、自分のパターンに気づくことが第一歩です。 これらのメカニズムを知ることで、「これはサンクコストの罠かも」「この選択肢の提示、フレーミング効果を狙っているな」と、一歩引いて状況を眺めることができるようになります。知っているだけで、無意識の力に振り回されることを減らせるのです。そしてその知識を、自分自身や周りの人のより良い選択のために活用していくことが目指すところです。 前述の「おとり効果」の話で、私たちは何かと比較することで判断しやすくなるという脳の性質に触れました。 そこで、最近の複数の選択肢の中から比較して決断したことを思い出してみます。 それは大きな買い物かもしれないし、仕事上の選択、あるいは今日の夕食のメニューかもしれません。そのとき、もし選択肢の数や種類が少し違っていたら、同じ選択をしていただろうか? 自分の選択を疑うわけではありませんが、その背景を知ることで、見え方が変わってくるかもしれません。 私たちの非合理で、でもとても人間らしい選択の裏側にある世界、その一端でも、感じてみることは、視野をひろげることの大事さにつながっていきます。 行動経済学で取り上げる理論となる 自制バイアス 自分を過大評価する 埋没ユスト 一度やったら、効果なくてもやり続け、時間を消費する 機会ススト 時間を費やしてしまい、本来できることができなくなる。 ホットハンド効果 ある事象が連続して起こると、同じことが起こる 確証バイアス 何かを思い込んだら、それを証明するばかりに根拠を集める 真理の錯誤効果 絶対にあり得えないと思いつつも、降り返り見たり聞いたりすると信じてしょう 疑わしいと思ったら真偽、真相を検証する。 五感 概念メタファー 人の上に立つ、出世する優位性といった抽象的な概念を具体的なもので比喩することで人が理解しやすくなる認知の枠組み 時間 双曲割引モデル 将来の大きな利益よりもすぐに手に入る利益をさせてしまう認知のクセ 人は時間を非合理に認知している。 解釈レベル理論 考えることが先になるにつれて思考は抽象的になっていく 快楽適応 人は何が起こっても繰り返しベースラインの幸福度に戻る デュレーション・ヒューリスティック 期間や時間を、直感的、時間的に判断してしまう。 サービス内容よりもかかった時間で評価してしまう。 状况… Continue reading 行動経済学から考える 認知 状況 感情