251103 よい職場の雰囲気をつくる
チームのパフォーマンスや職場の雰囲気を、あるシンプルな法則で改善できる、まさにそれを可能にするフレームワークである成功循環モデルについて説明をしていきます。これを知れば、明日からの仕事がきっと変わるはずです。一度は考えたことあるのではないでしょうか。どうやったら、職場の雰囲気がもっと良くなり、働きやすくなるかということです。これはリーダーだけではなく、チームの一員なら、誰でも抱え、なかなか答えの出ない悩みでもあります。この問いに答えを示す理論があります。それが成功循環モデルということになります。組織にポジティブな変化をもたらすための、シンプルで、しかも裏付けのある、とても効果的な考え方のフレームワークであります。このモデルを提唱したのは、組織開発の専門家、ダニエル・キムであります。この理論のポイントは、とてもシンプルで、成功しているチームにはある共通点があるということを挙げております。
その共通点は、4つの大事な質が関わってきます。まるで歯車みたいに、がっちり噛み合って、お互いをどんどん高め合っていき、好循環が生まれる状態になります。逆に言うと、多くの組織がうまくいってない状況においては、この歯車のどこかがかみ合っていない、悪循環に陥ってしまうという状況にあります。
その良いサイクル、好循環を生み出す4つの質は、まず一つ目は、全ての土台になるのが関係の質であります。お互いをよりリスペクトして、信頼し合えるかということです。
2番目が成功の質です。安心できる関係があるからこそ、生まれる、前向きで、良いアイデアが創出されます。
3番目は、そのアイデアをただの思いつきで終わらせないための行動の質です。
4番目は、これらが積み重なって生まれる、目に見える成果、結果の質です。
この4つの要素が、成功への鍵を握っていることになります。この4つの質が、バラバラにあるのではなく、順番があり、前の質が次の質を高めていくということになります。この流れ、方向性を理解することが、このモデルを使いこなすための第一歩となります。まず、良い人間関係を築くことです。これが、心理的な安全性や信頼の土台を作るということになります。そうすると、メンバーがビクビクしないで、安心してどんどん新しい良いアイデアを出せるということになります。そして思考の質が上がっていくことになります。良い考えが浮かんだら、それは自然と良い行動につながっていきます。そして質の高い行動を行えば、当然質の高い結果も生まれてきます。結果が出たら、チームのモチベーションも上がり、さらに人間関係も良くなっていきます。
これが無限に成長し続ける、好循環の出来上がりになります。このモデルが示す一番大事なことは、結局、一番の起点が、組織の中における人と人の関係の質であるということです。多くの組織において、どうしても結果を出さなければならない状況にあります。でも、良い結果というのは、良い人間関係という土壌があって初めて実る果実のようなものです。いきなり結果から入ろうとすると、このサイクルで考えると、うまく回ることにはなりません。
このサイクルは、経営者自身やマネージャーだけが回すものではありません。私たち一人一人、自分自身から始めることができるものです。皆さんの職場にもいると思います。いつも周りから信頼されて、良いアイデアをポンポン出して、率先して行動して、しっかりと結果を出す人。そういう人たちは、このモデルのことは知らなくても、感覚的にこの成功のサイクルを自分で回して、チーム全体の良い流れを作る中心人物になっていることが多いです。
あなた自身はどんなスタンスで仕事をしていますか。周りの人たちとの関係の質を良くするために、明日からできることは何だと思いますか。チームの思考の質を上げるために、会議でどんな一言が言えるでしょうか。そして、自分自身の行動の質をどうやって高めていきますか。全部、あなた自身の選択に関わっていくことになります。これらを難しく考える必要は全然ありません。この大きな成功のサイクルは、普段、周囲の人に声をかける、ちょっとした前向きな一言から始まることもあります。会議で出たアイデアに、「それいいね」と声をかけること、そこから始まることもあります。職場の未来を変える力は、どこか遠くにあるのではなく、今日、あなたが起こすたった一つの小さなポジティブな行動の中に、もうすでにあります。