220801 後継経営者憲章
1. 次代経営者として具備すべき条件は、次の3つの力の総合的発揮である。
(1) 先見力と決断力
(2) 統率力
(3) 実行力(意志力と行動力)
2. 企業即経営者、経営者即企業である。
企業は経営者の器以上に大きくならず、経営者の能力以上には伸びない。まさに企業の盛衰は、 経営者の成長度合いによって決まる。
3. 経営者の仕事は、 究極するところ、決断を売る仕事である。 この決断力に地位と報酬が与えられるといっても過言ではない。
優柔不断は、経営者としての致命的欠陥となる。
4. 決断力と決定力は違う。決断力とは材料不足の中で決定する力である。
5. 決断に際して求められる能力が先見力である。先見力を身につけるためには次の3つが必要となる。
(1) 事業への強い意志 (熱意がすべての起点となる)
(2) 過去に学ぶ (時間の経過が決断の成否を教えてくれる)
(3) 長い目で、 大きく広く捉える (ロングレンジ、 ビッグレンジ、ワイドレンジ)
6. 先見力は、 経営者がイノベーター(変革者)であり、 リスクテイカー(リスクを背負う者) として発揮する決断力と表裏一体の能力なのである。
7. 統率力を発揮する基盤は、的確な判断力であり、そのためには本物と本質を見抜く能力が必要である。
市場・商品・人・システム・情報について、 何が本物かを見極める能力と、既成概念や現象面に惑わされず、 その根底にある問題の本質を見抜く眼をもたなければ、事に処しての正しい判断はできない。
8. 本物を見極める能力を身につけるためには、つねに 「超一流の本物」に接し、 よく視ることである。
特に、 経営者として人物をみる眼が大切であり、 実際に 「一流の人物」と機会あるごとに接しておくことである。
9. 問題の本質を見抜く能力を身につけるためには、的確な現状認識を行ない、正しい価値判断の基本を身につけることである。
10. 現状認識とは、 三現主義(現実・現場・現品)で、 事実を事実としてあるがままにつかむことから始まり、問題の根源を一言で集約することである。
つまり、現状認識は第一ボタンであり、これをかけ間違えると後のすべてが狂ってしまう。
11. 価値判断の基準を身につけるためには、自らの使命感を確立し、これを中軸にして「いま、 何が大切か」という価値判断回路を整理することである。
12. 経営者としての統率力とは、 自分より優れた能力をもっている人々の衆知を集め、 自在に動かす力である。
このために「統一して拘束せず、放って軌を逸せざること」 が大切である。そのポイントは、 企業使命感のもとに、固い同志的結束の組織力 (チームワーク)をつくることである。
それ故、組織を破壊するような考え方や行動は、断固として排除し、粉砕しなければならない。
13. 経営者は、つねに人の上に立って 「光を放つ人」でなければならない。 その底には、その人に「何としても幸せになってほしい」と心から願う愛情が基盤になければならない。
真の統率者とは、 人に対する真の愛情の持ち主であり 「人をつくる人」なのである。
14. 経営者はすべての企業業績によって評価される。 業績のあがらない企業は社会的罪悪であり、 公器としての役割を果たしていないことになる。
業績とは、トップの実行力から生まれる。
15. 実行力とは、 傍観し、 解釈し、評論することではなく、ましてや単にお題目を唱えることでもない。自ら現場を歩き、 決し、行動することであり、意志力と行動力である。
究極は自己啓発と健康管理である。
16. 意志力とは、継続させる力であり、競争にうち克つ力である。
企業競争は自由意思の大衝突であり、勝つことは、 即ち意志力の勝利である。 強い意志力をつくるためには、たえず自らに重荷を課し、 自らを衆人環視の前に、あるいは断崖絶壁の前に立たせることである。
即ち、自らやらざるを得ない仕組みをつくることである。 経営者には「克己心」が求められる。 何事も3年は続けよ、3年やれば自らの体質となる。
17. 健康を害すれば、 強い実行力は出てこない。
健康管理は4つの 「快」 の基本動作を生活習慣にまで定着させることである。
4 つの 「快」とは
(1) 快食 (バランスの良い食事。腹八分目)
(2) 快動 (足腰の鍛錬。 歩け、歩け)
(3) 快心 (現在への集中。 プラス発想)
(4) 快眠 (一日決算主義。全てに感謝)
である。
18. 自己啓発と健康管理のもととなるものに家庭内の協力がある。
よき家庭をつくること、 そして家族のよき協力を得ることに不断の努力を払うことである。
19. これらの総合力は、 難局に直面した時、その真価が問われる。
企業の危急存亡のとき、社員は経営者に注目する。 経営者は常に見られて
いる。
経営者は、あらゆる失望悲運を制し、冷静明察を失わず、 明るい言動をとり、社員の信望を集めて、 その志気を奮いおこして、勝利を獲得することに努めなければならない。
20. 後継経営者としての道は厳しい。
より早く、より完全に「創業以来の成功ノウハウ」を吸収することが必要である。
経営者にふさわしい能力と見識を身につけ、 経営者道を極めることによって創業の精神、 会社の歴史と業績基盤の上にたって更に花を咲かせ、結実させていかねばならない。