感情の基本的理解

感情の基本的理解

アメリカのイエール大学の研究によると、ビジネスで成功した人は、ほぼ例外なく感情を扱う力、EQ、これが高いということです。これは、自分の感情を管理した上で、相手の体に働きかける力です。

そのような研究結果が出ています。

ビジネスの成功のために、感情を扱う力が重要になります。感情が乱れると、論理的思考を司る前頭前野の働きが低下するため、パフォーマンスが下がります。前頭前野は、おでこの左部分です。おでこが論理的思考を司ります。ですので、論理的思考を司る前頭前野の動きが低下したら、パフォーマンスが下がります。

その動きというのは、上司の感情の状態が良い組織は、上司の感情の状態が悪い組織と比べて、業績が良い傾向にあります。現在、人手不足の会社がありますが、そういう会社は、離職が問題になってきます。人に辞められたら、現場が回らないとなります。人がよく辞める会社の特徴の一つが、上司が感情的だということです。

上司の感情の状態が悪い組織というのは、離職率が高いです。そして、この研究にもあるように、上司の感情の状態が業績に大きく影響をします。よって、自身の感情の状態を良い状態に保つというのは、業績を確保し、そして離職率を低く保つ上では、すごく重要な仕事なのです。いつも機嫌が悪いのは、職務怠慢と言っても過言ではありません。それぐらい感情の状態を良い状態に整えるというのは、上司としての大事な仕事なのです。

それから、怒りや焦りによって取り乱すと、これまで気づいた信頼が失われます。信頼の喪失は、経営ビジネスに長く悪影響をもたらします。信頼を築くのは、なかなか時間がかかりますけれども、信頼が失われるのは、ほんの一瞬で、失われます。何か問題が起きたときに、感情的になったり、焦って取り乱したりすると、これまで気づいていた信頼というのは、一瞬で失われます。やはり感情を扱う力が大事になります。

感情とコミュニケーション

コミュニケーションは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに分けることができます。言語コミュニケーションは、言葉でのコミュニケーションです。非言語コミュニケーションは、言語以外のコミュニケーションであり、態度、表情、姿勢、動作、声のトーンです。このような要素を,非言語コミュニケーションと言います。コミュニケーションというと、言語コミュニケーション、さらに話すことばかり、ここばかり意識されることが多いです。コミュニケーションは話すことでしょと思いがちです。実は話すだけではないのです。

聞くことも大事なわけです。加えて、言語コミュニケーションだけではなく、非言語コミュニケーションも極めて重要なことなのです。非言語コミュニケーションがいかに大事かというところに関しては、メラビアンの法則という有名な法則があります。

メラビアンの法則

アルバート・メラビアンの実験です。どんな実験をしたかと言いますと、視覚情報、聴覚情報、言語情報で矛盾した情報を与え、どの情報を優先して状況を判断するかを実験しました。具体的には、悲しげな表情で肩を落として、暗い口調でため息まじりに、「毎日仕事が楽しい」と話してもらいました。

そして、その状況を見た方が、「この人は仕事が楽しいと思いますか」という質問をします。それに対して、どう答えたかという実験です。そして、55%の人が「悲しげな表情で肩を落としているよ。きっと仕事は楽しくないに違いない」と答えているわけです。そして38%の人は「口調が暗いとため息交じりに話しているよ。仕事が楽しくなさそうじゃん。だからきっと楽しくないんだろう」と判断したのです。そして7%の人は、「仕事が楽しいと言っているので楽しいでしょう」と判断をしました。つまり55%と38%を足して93%の人が言葉では仕事が楽しいと言っているにも関わらず、仕事は楽しくないんだと判断したわけです。言語情報を重視した人はたった7%であります。93%の人は非言語情報を重視したのです。

これぐらい非言語コミュニケーションはコミュニケーションに影響を与えているのです。ところが、コミュニケーションというと、言語コミュニケーションばかり考えることが多いのです。非言語コミュニケーションの力も高めようということを意識してコミュニケーションを取るようになると、コミュニケーションの能力はワンランク上へ上がります。それぐらい変わります。ところが、ここが盲点なのです。言語コミュニケーションばかり考えている。したがって、コミュニケーション能力を高めるためには、非言語コミュニケーションも高めていかなければなりません。

この非言語コミュニケーションを高めるというところに対しては、人は言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションを統合的に判断して、コミュニケーションをします。言語情報の言語コミュニケーションよりも、非言語コミュニケーションを優先するケースも多いです。まさにメラビアンの実験が示すとおりに、非言語コミュニケーションを優先するケースが圧倒的に多かったわけです。言葉は優れていても、落ち着きがなく、表情は引きつり、声は上ずり、猫背だと、部下は信頼や安心感を感じにくく、商談やプレゼンの説得力を感じにくくなります。この点が経営やビジネスに大きく影響します。コミュニケーション能力が高い人は、言語コミュニケーションと、非言語コミュニケーションともに優れています。

非言語コミュニケーションを認識することは、コミュニケーション能力を大きく高めることになります。それが経営やビジネスのさらなる成果をもたらします。この非言語コミュニケーションをとりわけ意識しているのは、アメリカの大統領なのです。特に非言語コミュニケーションが優れていると言われていたのがオバマ大統領なのです。非言語コミュニケーションの部分を今後意識されると、コミュニケーション能力を上げていけます。

情動伝染

感情には、情動伝染という性質があります。これは、脳はミラーニューロンの作用により、相手の感情を読み取り同調するため、感情は伝染するという性質なのです。ミラーニューロンというのは、ミラーという鏡です。これは、相手のことを真似しようとするのです。ですので、相手の状況といったミラー理論の作用によって、感情を同調させようとするのです。例えば、腹を抱えて笑っている人を見ると、つられて笑うとか、辛くて泣いている人を見ると、もらい泣きすると思います。こういうふうな形で感情は移ります。情動伝染により、同じ言葉でも、どんな感情で伝えているかによって、相手の感情の反応も変わります。この人の話は、聞き入っちゃうな、というような方の話し方を、ぜひ観察してみてください。私の場合、言葉に感情が乗ってるのです。言葉に感情が乗った人の話っていうのは、その感情を自分に伝染していきますから、自分のそういう感情に引っ張られるのです。そうすると聞き入ってしまいます。ですので、言葉に感情を乗せるのが上手いというのは、相手を惹きつけるのが上手いのです。そして影響力を発揮していくわけです。ですので、同じことを話すにしても、どんな感情で話すかによって、伝わり方がまるで違ってくるのです。相手を惹きつけられるかどうかが全然変わってくるのです。その感情もコミュニケーションを取ってください。

感情自体がもう重要なコミュニケーションです。その感情の状態を,どう保つかというところがコミュニケーションにものすごく影響をします。何を言うかではなく、どんな感情で言うかも考えてコミュニケーションに挑むと目的を達成しやすいです。

例えば名刺交換の時、相手と仲良くなりたいなと、楽しく会話をしたいなと思うのであれば、楽しい感情で話すと話が弾みやすいです。人と仲良くなるのがうまいなという人は、まず自分がその相手と楽しんでいるこの時間を楽しんでいます。楽しいなという感じで喋っています。その楽しいなという感情が伝わるのです。なので、いろんな方と仲良くしてしまう。逆に名刺交換の時に緊張したり、あるいは暗い雰囲気の人は、なかなか相手と仲良くなるのは難しいのです。相手と仲良くなりたければ、まずは相手といるこの場を自分が楽しむということが大事なのです。そうすると、楽しいという感情が伝染するのです。仲良くなりやすいのです。さらに、揉めた時、冷静に話すと、相手も冷静になりやすいです。感情になってしまった時、自分も相手も感情的になっていると、そういう時に自分がスッと冷静になると、相手もトーンダウンしたり、こんなふうにして、自分の感情を変えることによって、相手の感情も変えていくというふうなことができるわけです。こういうふうな、相手に感情の影響を与えていくというふうなことも、自分の感情を変えることによってできるわけです。ここもぜひコミュニケーションをするときには意識しなければなりません。

影響力のあり方

影響力を感じるあり方。余裕と落ち着きがある。軸がぶれない。姿勢が良く、堂々として、動作がゆったりとしている。低い声でゆっくり話す。間を取って、よどみなく話す。エネルギーが高い。前向きでポジティブである。自然な笑顔で共感する。相手を受け入れる。こういう風なあり方をされる方には、影響力を感じることになります。こういう風なあり方をしていると、自分の発する言葉がより。強い力を持つようになります。特に甲高い声で速く話すことをやっていきますと。緊張しやすくなります。これは人間の体の構造なのです。早口で、声高い声で、しかも目線を近くに持ってきて話すと、緊張しやすくなります。逆に目線を遠くにして、ゆっくりと低い声で間を取って話すということをしていくと、気持ちが落ち着きやすいのです。

このあり方を実践する上で、最も重要なのが、感情を整えるということです。感情が乱れると、それはあり方に出てしまいます。感情が落ち着いていると、あり方も整いやすくなります。その意味でも、いかに感情を扱う力が大事かということです。その感情を扱う力を高めるということが大事になってきます。

感情が生じるメカニズム。

脳の中心部に、扁桃体があります。扁桃はアーモンドという意味です。アーモンドみたいな形をしているので、扁桃体というのです。ここがインプットした情報を側頭葉の記憶に、より価値観に基づいて評価し、評価に合った感情を生じさせ、増幅させる。感情のアクセルという機能を担っています。側頭葉というのは横の部分にあり、ここに長期記憶が溜め込まれています。生まれてから今に至るまでの長期記憶があり、記憶に基づいてこの出来事は評価をしていくわけです。そして、その評価に合った感情を生じます。

良いことだと評価をすれば、嬉しいとか楽しいとか感情を生じさせるわけです。悪いことだと評価すれば、怒りとか悲しみという感情を生じさせるのです。そしてその生じさせた感情を増幅させて、アクセル機能を動しているわけです。

そして前頭前野、おでこです。ここが論理的思考や創造性を司る、ここが感情のブレーキ役となります。ですので、扁桃体で感情を生じさせ、増幅させて、おでこで感情のブレーキを効かせています。このような感情の生じるメカニズムになっています。注意が必要なのは、加齢とともに前頭前野は縮んでいくのです。ということで、感情のブレーキが効きにくくなるのです。だから年を取るほど、感情の管理というのは要注意なのです。

感情が生じるプロセス

何か出来事が起きました。そしてその出来事を認識した。出来事に対して意味づけというのがあります。意味づけというのは、先ほどの評価です。意味づけをし、意味づけに沿った感情が生じます。良いことだと意味づけをすれば嬉しい、楽しいという感情が生じます。悪いことだって意味づけをすれば、怒りと悲しみという感情が生じます。そして、その感情がコミュニケーションに影響を与えていくわけです。なので、何に意識を向け、どういう意味づけをするのかで、感情が決まるのです。つまり、感情はすべて自分で決めているのです。起きる出来事によって決まるのではないのです。自分自身がどういう出来事に対して意識を向け、そして認識した出来事に対して、どういう意味付けをするかで感情が決まるのです。

ですので、同じことが起きても、それを良いことだと意味付けをして喜ぶ人もいれば、これは悪いことだと意味付けをして腹を立てる人もいます。結局、感情は全部自分で決めているのです。こういうふうな感情が生じるプロセスになっています。

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