業務提携8つのパターン
1. 営業委託型提携
これは最もオーソドックスな、提携先から顧客を紹介してもらうパターンです。提携先となるのは、皆さんの対象顧客と多くの接点を持つ人や会社です。 まずは「ターゲット市場」や「ターゲット業界」など、自社の対象顧客(ターゲット)を明確にします。そのターゲットと日常的に接している相手こそが、有力な提携先候補となります。
提携の成功には、お互いのメリットが不可欠です。紹介料を支払う、あるいはこちらからも仕事を紹介するといった物理的なメリットも有効ですが、見落としがちで非常に重要なのが「提携先のお客様が喜ぶ」という視点です。 提携先は、自社のお客様に有益な情報を提供して喜ばれたいと考えています。皆さんのサービスが本当に有益であれば、提携先は紹介料がなくとも「ぜひ紹介したい」と率先して動いてくれます。
そのためには、自社の魅力を提携先が代弁できるよう、以下の情報を端的な言葉で提供しておく必要があります。
- 強み:他社にはない差別化ポイントとその理由。
- 実績:販売数や顧客数などの具体的な数字。
- 事例:大きな成果が出たエピソード。
また、提携先に商品を無料や割安で体験してもらい、良さを実感してもらうことも重要です。自信を持って勧めてもらえる環境を整えます。
2. 営業受託型提携
こちらは営業委託型とは逆で、自社がお客様を紹介する、あるいは販売代理店として商品を売り、手数料をいただくパターンです。 提携先は、自社のお客様のニーズを満たせる商品を持つ会社を選びます。お客様が抱える悩みを解決できる相手を紹介すれば、「良い人を紹介してくれてありがとう」と感謝され、信頼関係がより深まります。 自社のメリットとしては、紹介料の獲得、相手からの相互紹介、そして顧客満足度の向上が挙げられます。この場合も、提携先の強みや実績を自分が語れるように準備しておくことが大切です。
3. 商品開発型提携
対象顧客のニーズを満たす商品を自社のみで作るのが難しい場合に、他社と協力して新商品を作るパターンです。 自社にない独自技術や価値を持つ会社とコラボレーションすることで、一人では提供できなかった新しい価値を生み出します。メーカー同士が技術を持ち寄るケースが代表的ですが、サービス業などでも有効な手法です。
4. 同業者との提携
同業者は敵ではなく、味方に付けることで大きな効果を発揮します。完全に事業が重なる相手ではなく、以下のように「競合しない同業者」と協力体制を築きます。
- エリアの棲み分け:対応外の地域の顧客を紹介し合う。
- ターゲットの棲み分け:自社の対象外となる顧客を紹介し合う。
- 業務の棲み分け:自社が扱わない専門業務を任せ合う。
- リソースのシェア:設備、ツール、人手を融通し合い、大きな案件を共同受注する。
5. 認知力強化型提携
対象顧客に自社を知ってもらうための提携です。集客力のあるセミナー会社で無料登壇させてもらう代わりに商品を告知したり、多くの読者を持つメディアのメルマガで紹介してもらったりする手法があります。相手にも「講師料がかからない」「読者に有益な情報を届けられる」といったメリットを提示し、関係を築きます。
6. 関係構築型提携
顧客の悩み(例えば税金、法律、集客など)を解決できる専門家を紹介し、まずはお役立ちを通じて信頼関係を深める手法です。「助かった、ありがとう」という感謝から始まり、そこから自社の本業へと繋げていきます。
7. コスト低減型提携
人手やインフラをシェアし、コストを下げる提携です。オフィスを複数人でシェアして家賃負担を抑えたり、個人事業主同士で資金を出し合って強力な集客サイトを構築したりする事例があります。
8. 独立した従業員との提携
社員の独立を無理に止めるのではなく、発想を転換して「提携先」として良好な関係を築く方法です。独立を志す人が求める「自由」や「代表という肩書き」は、会社員である限り提供が難しいため、あらかじめ独立後の協力体制を定めておきます。
- 外注先としての活用:受注案件を外注として任せる(消費税の節税メリットが生じる場合もあります)。
- 案件の相互紹介:独立直後の相手が受けきれない大きな仕事を共同で受注する。
- フランチャイズ化:集客や経理・総務などのバックオフィスを自社が支え、ロイヤリティをもらう。
- オフィスのシェア:自社オフィスを間借りさせ、コスト負担をシェアする。
ポイントは、退社時に喧嘩別れせず、良好な関係を維持しておくことです。独立の申し出があった際に、即座にこれらの提携案を提示できるよう準備しておきます。
| 業務提携先 | ||||||
| 提携パターン | A社 | B社 | C社 | D社 | D大学 | 支援機関 |
| 営業委託型提携 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| 営業受託型提携 | 〇 | 〇 | ||||
| 商品開発型提携 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| 同業者との提携 | 〇 | 〇 | ||||
| 認知力強化型提携 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| 関係構築型提携 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| コスト低減型提携 | 〇 | |||||
| 独立した従業員との提携 | 〇 | |||||