提携という発想も持つ

提携という発想も持つ

提携という発想を持つ

提携という発想を持って、ビジネスを考えていきます。他社はそれぞれ独自の経営資源を持っています。この経営資源も活用するという発想を持って事業を考えていくと、さまざまな新しい可能性が見えてきます。ここでは、この提携を実現させるために、どのように進めていけばいいのかというお話をします。

効果的な提携の進め方として、まずは提携先と接点を持つことが必要です。先ほど8種類のパターンを紹介しましたが、「この提携をやってみよう」と思えるものがあったとき、その提携先の候補として「こういう会社、こういう人と提携したい」というターゲットを定めます。そして、その会社や人と出会わなければなりません。

接点をもつ

どのように接点を持つかについてですが、まずは見込み提携先に直接連絡する方法があります。ホームページを見て、直接電話やメールをしてみるという方もおられます。いきなり提携に至る確率は低いですが、そういった方法も一つの手段です。

それから、見込み提携先を紹介してもらう方法です。紹介の依頼は、比較的ハードルが低いです。「お客様を紹介してください」という依頼はハードルが高いものですが、「提携先を紹介してください」という依頼は、そこまで高くはありません。その代わり、提携先となる会社にとってのメリットもしっかり説明しなければなりません。

「うちは今、こういう会社と、このような提携を考えています。そうすることによって、うちにもメリットがありますし、お相手の会社にもこのようなメリットがあると考えています。なので、こういう提携先を探しているのですが、心当たりはありませんか」と伝えます。そうすれば「それなら2、3社心当たりがあります。よろしければ紹介しましょうか」という形で提携先を紹介してもらえるようになります。そのための依頼をするという方法です。

それから、見込み提携先が主催するセミナーに参加する方法があります。提携したい相手がセミナーを開催している場合、そこに参加すれば、講師として必ず提携先の担当者がいます。セミナーが終わった後に質問に行き、そこで提携の話を持ちかけることで、やりたいことを実現していく接点を持つわけです。

提携の基盤

接点を持つことができたら、次にどうやって提携の話を進めていくかという段階に入ります。ここでは「この人と一緒に仕事がしたい」という気持ちが提携の基盤となります。いくらメリットが得られると思っても、この人と一緒に仕事がしたいと思えなければ、提携しようとはしません。やはり人間は感情と論理で動きますから、最終的な行動を突き動かすのは感情です。頭では「こことコラボレーションすればメリットがある」と分かっていても、感情が許さなかったり、気持ちが前向きになれなかったりする相手とは、結局コラボレーションなどしようとは思いません。この人と一緒に仕事がしたいという気持ちをお互いが持てること、これが提携の基盤です。

相手にその気持ちを持ってもらうために、次の点を丁寧に聞く姿勢を示し、正確に理解することが大事になります。相手のビジネスモデル、現状、ニーズ、悩みなどを丁寧に理解しようと努めてください。それから、相手の今の方向性や目標について「今後はどうしていきたいですか」「どんな風にされたいですか」という点を聞きます。「ああしていきたい、こうしていきたい」という話を聞けたら、それが実現できるようなお手伝いを我々もできないかと考え、支援をしていきます。

今回の提携で相手が求めるメリット、どのようなメリットを求めておられるか、こうした点を丁寧に聞く姿勢を示すことが重要です。この姿勢を示すことによって、「一生懸命うちのことを理解しようとしてくれているな」「何か力になろうとしてくれているな」という印象を持ってもらえます。そして、より多くのメリットを提供できないかを、さまざまな角度から本気で考えます。

相手が強いメリットを感じない提携は長続きしません。まずは相手にしっかりとメリットを得ていただくことが大切です。自分がメリットを得ることばかり考えていては、提携はなかなか前に進みません。まずはお相手にメリットを提供できないか、本気で考えるべきです。お相手のニーズをしっかり把握して、お相手が求める以上のメリットを提供しようという形で話を詰めると、良い相手と良い提携ができるものです。

提携の心構え

次に、提携者の心構えについてです。何といっても「人間性が信頼できるか」という点が重要です。そして「お客様を大切にしているか」という点を重視して、提携先を慎重に選んでください。人間性が信頼できない相手とは、提携すべきではありません。

人間性が信頼できるかどうかを見極める上では、やはりお客様に対する姿勢が鍵となります。提携先は、自分に対しては丁寧な態度をとってきます。なぜなら、提携したいからです。しかし、お客様に対してはどうでしょうか。この「お客様に向き合う姿勢」をよく確認するのです。

中には「とりあえず儲かればいいんだ。無理やり商品を売りつけてもいいから、利益が出ればいい」という考えの人もいます。そういう人とは提携しないほうがいいです。自分たちが儲かりさえすれば、多少ずるいことをしても構わないと思っている相手とは、手を組むべきではありません。

また、相手に十分なメリットを提供できるかを考えます。これができなければ、結果として提携は機能しません。メリットの配分は「自分対相手が49対51」くらいがちょうどいいと言えます。提携はお互いにウィン・ウィンでなければなりませんが、特にお相手にしっかりとメリットを得てもらわなければなりません。

自分のメリットよりも相手のメリットのほうが少し多いくらいを意識します。相手が「こんなにしてもらって悪いですね」と言うくらいがちょうどいいのです。それくらいのメリットを提供しようという姿勢を維持し、お相手に提携のメリットをしっかり感じてもらうことが大事です。どうすればメリットを提供できるか、相手の想定以上のものをなんとか提供できないかと考えていきます。

そこにはコストもかかります。基本的にはこちらで引き受け、多少の負担であればこちらで持つという覚悟が必要です。こちらから提携を持ちかけているわけですから、主体的に動いていきます。

そして重要な点は、後で揉めないように書面に残すことです。予想以上に利益が出た場合は、心変わりの可能性があります。提携がうまくいかないときは立ち消えになるだけで済みますが、怖いのは予想以上にうまくいったときです。

提携して一緒に取り組み、「ものすごくお客様が集まってきた」「大きな売上が得られた」という状況になったときが注意です。一方が「あちらの方がもらいすぎているのではないか」「もっとうちがもらってもいいはずだ」と言い始め、後から条件の見直しを要求してくることがあります。これが原因で喧嘩別れをして、せっかく順調だった売上がゼロになってしまうケースは非常にもったいないことです。

「多少のことであれば目をつぶれる」という関係であればいいのですが、喧嘩別れによってコラボレーション自体がなくなり、売上が消滅してしまう失敗例はたくさんあります。予想以上にうまくいったときこそ要注意なのです。後から心変わりをして条件を変えろと言っても、それでは最初の約束の意味がありません。

ですから、きちんと書面や契約書という形で残しておくことが大切です。そもそも、最初の段階で人間性の優れた人を選んでおけば、そのようなトラブルは避けられます。自分のメリットばかり考える人と提携すると、後から「条件を変えてくれ」といった相談が持ち上がります。これではビジネスが台無しです。そうならないように注意します。

提携の機能させるために

それから、できるだけ早く成功例を作り、メリットを実感してもらいます。メリットが実感できると、相手も本気になります。そのためには、まず1件の成功事例を作ることです。例えばお客様を紹介する提携であれば、まずはできるだけ早く1件紹介してください。そうするとお相手も「ここはすごいな、本当に紹介してくれたぞ」と本気になり、信頼関係が深まります。

また、継続的に連絡を取ることも重要です。提携した後に連絡を取らなくなると、提携が機能しなくなる可能性があります。こちらから積極的に動く工夫をすれば、上手に運用できます。提携が決まったら、例えば「月に1回会う日」を決めて、1年分の目標を立てます。毎月欠かさず打ち合わせをして、提携が機能する状況を維持していきます。

提携はしたものの、どちらも動かなければ、いつの間にか立ち消えになるのはよくある話です。そうならないよう、お互いに努力しましょう。もし上手くいかないことがあれば、定期的に会って「どうすればいいか」を話し合い、結果を残せるように調整していきます。これによってお互いの必勝パターンを確立し、提携を機能させていくのです。本音を伝え合い、調整し合うことで、共に成功の形を作り上げていきます。

そして、一つ成功例ができると、次々と横展開が可能になります。ある会社との提携がうまくいけば、同じような業態の会社は世の中にたくさんありますから、他の会社とも同様の提携ができます。一つ必勝パターンが確立できれば、同じような提携先を次々に見つけ、事業を一気に拡大していくことができます。

最後に、初心を忘れることなく、感謝の気持ちと「相手に十分なメリットを提供できているか」を意識し続けることが非常に大事です。提携が5年、10年と続いてうまくいっていると、それが当たり前だと感じ始めてしまいますが、そこが危険です。「提携させていただいている」という謙虚な気持ちを持ち続けなければなりません。常に相手のメリットを考え、何年経ってもその姿勢を崩さないことが、強固な提携関係を築きます。

こうした提携が一つでも二つでも機能するようになれば、皆さんの事業の可能性はぐっと伸びていきます。これまで提携という発想がなかった方であれば、なおさら可能性は広がります。そのためには、まず「どこと、どういう提携がしたいのか」を整理してください。自分一人で思い浮かばない場合は、社内でブレインストーミングをして、みんなでワイワイ話し合ってみるのもよいです。

提携したい先が見つかったら接点を持ち、お相手に大きなメリットを提供できるよう本気で考え、継続的なコミュニケーションを通じて提携を形にしていきます。そして、提携が機能し始めた後もメリットを提供し続けることを意識してください。こうした積み重ねが、事業の可能性をぐっと高めていくことになります。

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