コンサルティングメニュー

コンサルティングメニュー

コンサルティングメニューの作成と9つのパターン

ここからはメニューの作成というテーマに入っていきます。お客様の課題が特定され、お客様自身も解決の必要性を感じて取り組む段階になったとき、それに対してどのようなメニューを提案するかが重要になります。コンサルタントが「コンサルティング」という名目で具体的にどのような活動を行っているのかを分析すると、大きく分けて次の9つのパターンが存在します。

  1. 知識提供型
  2. 作業請負型
  3. コーチ型
  4. 分析レポート型
  5. 研修セミナー型
  6. 調整型
  7. 役員型
  8. 仲介型
  9. 商材提供型

コンサルティングというと「知識提供型」を思い浮かべる方が多いですが、知識の提供だけで高い対価を得ることは、実は非常に困難です。 たとえば、お客様がものすごく困っている問題に対し、一言アドバイスをしたとします。相談に乗った時間はわずか10分でしたが、そのアドバイスで問題が解決しそうだとします。そこで「100万円ください」と請求しても、お客様は納得されません。「たった10分の相談で100万円ですか」となってしまうのです。 人間心理として、実働や「物」が伴わないと高い対価を払おうとしない傾向があります。そのため、提供側も「たった10分で100万円は請求しにくい」と感じてしまいます。これが10時間の実働を伴うものであれば、100万円という金額も請求しやすくなります。

現在はAIの普及により、一般的な知識そのものの価値は相対的に低下しています。そのため、知識提供のみで報酬を得るモデルを確立できないケースが増えています。 上手に契約を取っている方は、メニューの作り込みが非常に巧みです。知識提供によって信頼を得て、その他のメニューで収益を稼ぐ構造を作っています。

中には、知識の提供を無料で、SNSなどで積極的に発信している方もいます。有料級の知識を惜しみなく披露することで信頼を獲得し、その後の「実行支援(2番〜9番のメニュー)」で収益を得るのです。本を出版し、それを読んだ読者から仕事の依頼が来るのも同じ仕組みです。契約がなかなか取れない方は、このメニューの作り込みが不十分である可能性が高いと言えます。

それでは、1番から9番のメニューについて解説します。

1. 知識提供型メニュー

お客様の課題を解決するための知識やノウハウを提供します。ここではAIには語れない、自分自身の体験に基づいた「豊富な事例」を語れることが最大の価値となります。 収益化のポイントは、時間あたり、あるいは1回あたりの相談料を明確に決めることです。ただし、知識提供だけでは対価をいただく動機になりにくいため、その知識を実行する際の手続きやサポートなど、他のメニューへつなげることでニーズを喚起するのが効果的です。

2. 作業請負型メニュー

課題解決に関する実務作業を請け負います。また、本来売りたい商品(不動産、保険、証券、投資信託など)がある場合に、関係構築のために作業の一部を引き受ける「コンサル営業」という手法もあります。 収益化のポイントは、請け負う作業内容、所要時間、料金をあらかじめ提示できるようにしておくことです。「なぜ自社に任せるべきなのか」を事例とともに説明し、複数の作業をパッケージ化したプランとして提案するのも有効です。

具体的な例:

  • 財務・融資コンサルティング: 銀行に提出する事業計画書の作成を1通5万円で請け負う。
  • 行政書士・許認可業務: 新規事業の立ち上げに際し、業法に基づいた体制構築や責任者の配置、更新準備などをパッケージで提案する。
  • 労務コンサルティング: 労務問題の相談を受けた際、再発防止のために雇用契約書や就業規則の作成・修正を請け負う。

無料相談ばかりで仕事につながらないと悩んでいる方は、契約の出口がはっきりしていないことが多いです。たとえば無料の労務相談を受けた際、「今の雇用契約書や就業規則はどうなっていますか? トラブルを繰り返さないために一度確認させてください」と促し、現状の不備を指摘した上で「今のビジネスモデルに合った内容に修正しましょう」と実務作業の提案につなげることが重要です。

提案の切り口と実績の説明

課題解決において必要となる作業について、お客様自身で対応できるかどうかを質問します。もし対応できない場合のリスクについても併せて説明します。

たとえば融資の場面では、銀行から事業計画書の提出を求められます。その際、「計画書は作成できますでしょうか」と伺います。事業計画書の書き方次第で融資の成約率は大きく変わるため、適切に書けない場合のリスクも事前にお伝えします。 「自社で作成するのは難しいかもしれません」という反応があれば、そこで具体的な実績を示します。「弊社は年間約50件の融資をサポートしており、計画書作成のノウハウが豊富にあります。先日も御社と同規模の企業で5000万円の融資が実行されました。弊社でお引き受けできますが、いかがでしょうか」と提案します。

ポイントは、「お客様側で対応可能か確認する」「対応できない場合のリスクを伝える」「弊社に依頼するメリットを事例とともに示す」という流れです。最後に「いかがでしょうか」と問いかけることで、依頼をいただける確率は格段に高まります。

3.コーチ型コンサルティング

コーチ型の実施内容は、長期的に取り組むべき課題に対し、目標設定・進捗管理・解決策の調整を行い、期限を決めて行動を促すものです。

これは、すぐに解決できる問題ではなく、解決に時間を要する大きなテーマを扱う際に向いています。 収益化のポイントは、「解決策は理解していても、実行段階で不明点が出たり、他の業務を優先して進捗が止まったりする」という実情を示すことです。提案の際には、解決まで「伴走」する過程を視覚的に提示します。

この「伴走」こそが大きな価値となります。人によっては「やらなければいけない」と分かっていても、忙しさから手がつかないことがあります。そこで、第三者であるコンサルタントが期限を決め、「いつまでにやりましょう」と約束を交わすのです。 「あの人に進捗を確認されるから、やらざるを得ない」という適度な強制力が働き、結果として会社が変化し、状況が改善されていきます。この進捗管理の価値は、AIには代替できない人間ならではの仕事です。

これからの時代、知識の提供はAIに任せられるようになりますが、「いかに相手の行動を変えるか」という伴走型の支援は、人間に残る重要な役割となります。約束を通じてお客様と共にゴールを描いていくのです。

なお、コーチ型では関与頻度と報酬をあらかじめ明確に決めておくことが重要です。たとえば「月1回、2時間の打ち合わせで10万円、電話相談は随時可能」といった条件を定めます。ここを曖昧にすると、関与時間だけがズルズルと増えて報酬が見合わなくなるといった状況を招きかねませんので、注意が必要です。

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