新規のお客様を増やす上で、説得が大事になってきます。商品の価値を伝えることや、その場でできるだけ具体的に、そして明確に伝えることが必要です。商品は買いませんかというのが一つの説得なわけです。
説得においては、アリストテレスの説得の三要素というのを重視しています。この説明の説得の三要素は、2300年前にアリストテレスが「弁論術」という本を書き、その本は人を説得する上で、この感情をこう使えと詳細な記述があるわけです。その「弁論術」という本は、いまだに欧州の知識層の間で、ディベートやプレゼンテーションのバイブルとして読まれています。2300年間ベストセラーと名著の中の名著などです。その中で人を説得する上で特に大事なのは3つだと言っているわけです。それがエトス。話し手の徳、信頼性。話し手は相手から信頼を得ることが必要であります。そしてロゴス。ロジック、論理、話は理由付けや推論、例証を用いて論理的に議論を展開することが必要となります。そしてパトス、感情、情念、話し手は相手が抱いている感情を理解し、それに訴えかけ、共感を得ることが必要になります。つまり、信頼を得た上で論理的かつ共感を得られるように、感情に訴えかける必要があります。
この説得の3要素は、人間の脳の構造と一致しています。人間の脳は80%が右脳を使っていると言われています。人間の脳の8割は大脳が占めております。脳は表面的に発達している部分、これを大脳新皮質と言います。ここは知性や理性とか論理を扱う脳です。そして軸の部分、大脳辺縁系があります。ここは本能と感情を扱う脳です。このように、大脳新皮質を中心とする論理の脳と、大脳辺縁系を中心とする感情の脳の2つの種類の脳から、大脳は構成をされています。つまり、人を説得し動かすには、論理の脳と感情の脳から了承を得る、つまり論理的かつ共感を得るように話すということが大事になります。
提案のアプローチの全体像
まずは人間的信頼を得る姿勢が大事になります。お客様から心を開いてもらえる関わりを行います。
次にニーズを把握、喚起し、強化します。相手の感情を動かします。
そして、ニーズを満たせる理由を説明します。
そして、ニーズを満たした事例を説明します。その事例を通じて、能力的信頼の高さを伝える。
そして感情を出す事例。そして感情を動かす事例。
そして共感を生む。ポリシーを語る。ここでまた感情、共感を得るというわけです。
順番としては、信頼を得た上で、まずは感情を動かしに行きます。
そのように商品ができるんだと興味を持たれた後に「本当にできるんですか」「本当にできます。なぜなら」という理由を説明していくわけです。こんな事例もあります。事例をお伝えしていきます。そして最後にこういうようなポリシーで我々は仕事をさせてもらっていますと伝えて、共感を得て行きます。こういうような順番で提案をしていきます。
人間的信頼を得る姿勢
まず「人間的信頼を得る姿勢」というところがあります。心を開いてもらえる関係を作ります。そのために、相手に関心を持ち、相手の理解を深めます。相手のニーズに沿って、先にお役立ちをします。まずは人間的信頼を得るというふうなことをやっていく上では、相手に関心を持つということが、相手の理解を深めるというところから始まります。そのために、例えばホームページを見るなどして、事前に相手の理解に努めます。そして、相手の状況を深く理解するために質問を重ねます。2つの意識と6つの聞き方で話を聞きます。
2つの意識
聴き手が心構えとして常に保持すべき姿勢です。
1.相手や相手の話に興味を持つ:心から関心を持って話の情景や心情を具体的にイメージします。人は関心を持つと自然と瞳孔が開き「目の輝き」として相手に伝わります。
2.安心して心を開ける場を創る:「ここだけの話ですが」「あなただから言いますが」といった深い本音や悩みを話せる心理的安全性を整えます。
6つの聴き方
「2つの意識」を体現し、相手に好子(行動を強化するポジティブな刺激)を与えるための具体的な行動技術です。
- 相手に共感し、共感を表現する:相手の感情を共に感じ、心の中で思うだけでなく表情・相槌・言葉などでしっかり外へ表現します。
- 相づちを打ち、ペースを相手に合わせる:話す速度やテンポ、理解度、言葉遣いを相手に合わせ(ペーシング)、被せるような早すぎる相槌を避けて丁寧に打ちます。
- 相手の言葉を最後までさえぎらない:途中で結論が見えたり反論したくなっても口を挟まず、相手が話し終えて「。」が入る程度の間を置いてから話し始めます。
- 大事な点は要約して聴き返す:「つまり〜ということですね」と要点を返したり重要なキーワードを復唱・メモすることで、関心の高さを伝えミスコミュニケーションを防ぎます。
- 体を相手に向け、目を見て手を止める:作業中の手を止め、顔だけでなく体ごと正面を相手に向け、「今はこの時間だけに集中している」という姿勢を全身で示します。
- 質問で話を引き出す:ただ黙って聴くのではなく、相手が話したい内容や関心事に沿って質問を投げかけ、会話の主導権を握りながら発言を深掘りします。
そして相手のニーズに沿って先にお役立ちをします。例えば、お役立ちの例としては顧客や提携先を紹介する。我々のビジネスにおいてお客様に対してこんなふうにお役立ち何かできませんかということです。先に一言二言、貴重な情報を提供するとか、こういうことだったらできますよとか、伝えます。
この人は自分の利益のためなら嘘を言う人だと思われると信頼を失ってしまいます。そうすると何を提案しても売れなくなってしまいます。
この人は自分の利益のためにそういう人ではないと思われると信頼を得て成約率がぐっと高くなります。やっぱりお客様というのは営業をしている人が本当に自分のために思って提案してくれているのかどうかここを見極めようとします。お客様「これおすすめですよ」と言っているけれど、本当にそう思っているかと、自分が儲けたいからといっているんじゃないかと、本当に私のために思って言ってくれているのかどうか見極めようとします。
自社の商品が本当にお役立ちに立てるかを確かめるため、相手の状況をよく理解します。その旨を説明した上で質問を重ねます。そのための質問を準備しておくことが大事です。
お役立ちに立つのが難しい場合は、仕事を受けないこともありますが、その時の姿勢や態度が大事になります。姿勢が信頼をもたらします。それがまた紹介にもつながります。