商品の価値を伝える
お客様に価値を伝えることが、新規のお客様を増やす上で大事になります。この価値の伝達ということは非常に難しいのです。例えば商品、サービス自体が持っている価値。これを100だとします。お客様が感じる価値は、100かというと残念ながらそうとは限りません。お客様が感じる価値というのは、もともとの商品・サービスの価値のうち、表現によって伝わった部分だけがお客様が感じる価値となります。表現というのは、ホームページやチラシ、パンフレット、パッケージの文言や写真、あるいは営業トーク、店舗ビジネスの場合は、店構えとか動画とか、こういう表現を通じて、お客様に価値を伝えるというふうなことをやっているんですけど、この表現というのができていない会社がとても多いです。
なぜかというと、表現について体系的に学んでいる人というのはあまりいないわけです。ホームページ、チラシ、パンフレット、パッケージ、これ、デザイナーさんにやってもらうから大丈夫というふうに思う人もいるかもしれません。デザイナーはかっこいいデザインは作ってくれます。ただ、売れるデザインを作ってくれるかというと、そうではありません。かっこいいデザインと売れるデザインというのは別なのです。だからこそ、この表現ってすごく難しいのです。
その表現をここはうまくできていないので、これは0.4だとするのです。100価値がある商品サービスなので、表現が0.4だとすると、お客様が感じる価値は100×0.4で40になるのです。それを50円で売ってたら高いと思われて、買っていただけないわけです。
じゃあどうするかというと、そういった場合は価格を下げるわけです。価格を下げたら利益が下がります。この100の価値を200にしますかと。それをやるとまたコストの手間がかかるのです。また利益が下がります。
そうではなくて表現を磨きましょうとなります。表現を磨くのは、そこまでコストをかけなくても磨けます。価値を伝える表現というのは、消費者の心理に基づいて作っていきます。それによって、仮に表現が0.4から0.8まで上がったとしたら、お客様が感じる価値は100×0.8の80になるのです。それを50円で売ったら安いと思って買ってくれるわけです。商品サービス自体は何も変わっていませんが、お客様が感じる価値が倍増しているということになります。何が変わったかというと、表現が変わっているわけです。それぐらい表現って大事なのです。だけど、おろそかにされやすいのです。
そして、リピーターと口コミ紹介を除き、良い商品が売れるのではありません。良さそうに見える商品が売れるのです。なぜかというとお客様はその商品を使っていないので良いかどうかはわからないのです。良いかどうかはわからない状態で買うかどうかを判断しなきゃいけないのです。その時に唯一手がかりになるのは表現なのです。これ以外の手がかりはないのです。だからここを磨かなきゃいけないのです。
ところが良い商品を作っていれば売れると思っている方が多いのです。特に日本人はです。日本人はものづくりの国です。良いものを作ろうという意識が強いのです。一方で商品をよく見せようという努力は薄いのです。欧米はうまいです。特にヨーロッパとかはうまいです。商品をよく見せるのは非常に長けています。
そういう点においては、日本人は意識の欠如というものがあり、日本という国は世界的に見ても珍しい商売の仕方をしていると言われています。それが良い商品を安く売ろうとするのです。こんなこと言ったら利益出ません。良品商品を作ればコストがかかります。それは安く売るのです。利益が出ません。そういうふうなことをやろうとしている国なのです。世界的に見ても非常に特殊な商売の仕方をしています。お客様からしてみればありがたいです。ところが、企業側からすると利益が出ないのです。他の国々は良い商品を高く売ろうとします。その努力をするのです。高く売る努力をするのです。ところが、日本という国は良い商品を安く売ろうとします。
表現の重要性、例えば同じ指輪でも、容器の見た目で価値の感じ方は全く異なります。指輪をきれいにする努力ばかりして、見た目を良くする努力をしていない人は多いです。良い商品でも、よく見えない商品には価値を感じない。商品をよく見せるために表現を磨いているかが大事になります。
報酬予測
商品の価値には、報酬予測という脳の性質があります。商品の価値を感じるメカニズムを理解する上で、報酬予測という脳の性質が鍵を握ります。これは、脳はその行動をとると正の感情が得られるイメージができると、その感情を味わうために行動を起こします。正の感情の例としては、満足感とか安心感とか、楽しいとか美味しい、便利、こういう風な正の感情がイメージできると、実際のこの感情を味わいたくなるのです。その感情を味わうために必要な行動を起こします。
お客様にその商品は、例えばこの商品を買うという行動を起こしてもらうためにどうすれば良いですか。それは、その商品を買うことによって得られる正の感情をイメージしてもらうということです。その正の感情をイメージできれば、実は味わいたくなるわけです。お金を払ってでもその商品を欲しいとなるわけです。よって、お客様が感じる価値というのは購入前の時点でイメージする購入後の正の感情についてお客様が感じる価値なのです。
例えば皆さん、何か商品を買うとき、この商品を買ったら自分どうなるんだろうという商品購入後の未来、これをイメージした上で買うかどうかを検討するというふうなことをやっているのではないかと思います。日常商品でも、高額商品でも、この商品を買ったら自分がどうなるんだろうと、自分の生活がどう変わるんだろうというふうなことをイメージして、そしてそのイメージの中に正の感情をイメージできたとき、この商品を買ったら、きっとすごく自分は満足しているんだろうなと、すごい楽しいんだろうなと、すごい便利なんだろうなと、この正の感情もイメージできたら、お金を払ってでも欲しいと思います。まさにそこに価値を感じるわけです。
逆にこの商品を買ったら、自分はどうなるんだろうという未来のイメージができません。そういう商品に手を出そうとはしないはずです。この商品を買って自分の生活をどう変わるのか。全然イメージができない。あるいはそれイメージはできるんだけれども、そこに正の感情を感じることが全くできないという商品に価値を感じることはないと思います。よって、まずは購入した後の、イメージができるか。購入後の未来がちゃんとイメージできると、そのイメージの中に正の感情がちゃんとイメージできると、この状態で初めてお客様は価値を感じるわけです。皆さんの普段の買い物をするとき、そういうことをやっていると思います。この購入前の時点で購入後の正の感情がイメージできるように提案の仕方が大事なのです。
お客様が欲しいのは商品ではないのです。商品を使うことで得られる正の感情が欲しいのです。よって、購入前の段階で確認しておく必要があります。購入後の正の感情がイメージできなければ価値を感じなくなります。その正の感情を明示するための情報提供をすると、売れている営業はこれがうまいです。
自己イメージ法
自己イメージ法に関する実験があります。これは、購入後の正の感情をイメージしてもらう方法です。
購入後の正の感情を維持したまま、提案したところ、成約率は19.5%でした。
ケーブルテレビを導入することによって、自分の娯楽のパターンがどのように広がるか、これを視聴者にイメージさせた場合、成約率が47.4%に上がりました。購入前に購入後の状況と正の感情をイメージしてもらうことで、成約率は2.4倍になっているのです。このように、購入後の正の感情をお客様にイメージしてもらうかどうかが、成約率はここまで変わることになります。
では、どんな状況になればお客様は正の感情をイメージできるのか、ここに関してお客様は商品を購入して望む状況が手に入るとイメージできると正の感情もイメージできます。ただ、どんな状況を望んでいるのか、これはお客様によって微妙に違うのです。この微妙な違いを沿う形で提案できるかどうか、ここが大事なものです。お客様はどういった状況を手に入れたいのか正確に把握するため、商品の購入目的や商品購入後にどんな状況になればよいかについて質問をします。この質問が大事なわけです。お客様は、こういう目的で商品を買いたい、購入した後はこのような状況にしたいということ、ここを聞くのです。そういう状況にしたいんですね。であるならば、うちの商品はお役に立てると思います。という説明をします。話が抽象的な場合もあります。その場合は、お客様が想像できる話しをこちらからしてください。そうすると、お客様の頭の中の思考を具体的にします。より解像度が上がるのです。具体的になればなるほど正の感情は強くなります。具体的になればなるほど欲しいという気持ちも強くなります。ポイントは話を具体的に進めていくところです。抽象的な話では買いたいという気持ちは強くなりません。よって、話が抽象的な場合は、「具体的には」と質問し、話を具体的にしていくことで、お客様は手に入れたい状況を明確にイメージし、正の感情は強くなります。
お客様、そういう状況になればいいんですね。であるならば、うちの商品はお役に立てると思います。うちの商品をお使いいただくと、こんなふうにその状況が実現できます。実際にこういったお客様の事例もございますと言えば、お客様は本当にこの状況が実現しそうだと思えるわけです。そうすると正の感情もイメージできるわけです。その状況を実現したら、自分は満足します、買ってよかったと満足してくれる、嬉しい、楽しい、便利というふうに正の感情をイメージできます。そういった実現した状況をイメージしやすくするために必要なデータや写真や動画なども見せると、こういった形で先に見せるのも良いです。お客様に何が欲しいんですか、話を聞き、先に聞くのであれば、「あれが欲しい」となり、提案をすればいいのです。その都度質問が必要です。
そして、購入後手に入れたい状況がどのように実現していくかを時系列で示すとイメージしやすくなります。また、事例を示すと、正の感情を類似体験できます。正の感情を疑似体験でき、説得力が増します。
購入後の具体的な状況を示します。購入後の進め方、担当者や場所の写真などを示し、購入後の状況を具体的にイメージできるようにします。例えば、この商品やサービスを買われた後、さあ、どんな展開が待っているかというのをイメージできる情報を提供します。
このイメージができるかどうかで買いやすさというのは随分変わってきます。こういう風なところをよく整理しておきます。お客様がどんな状況を手に入れたいか、その手に入れたい状況がどんなプロセスで実現していくか、ここを説得力のある形で示します。その説得力をさらに増すのが事例です。実際にこういうお客様の事例がございます。
こういうふうな提案の仕方ができると成約率がぐっと上がっていきます。