感謝を伝える
感謝を伝える。感謝の力を発揮する。その話をしていきます。感謝をすることで、脳から次の物質が分泌されます。セロトニンは不安を排除し、安らぎをもたらす物質です。オキシトシンは癒しやリラックス。信頼をもたらす物質です。ドーパミンは、やる気や集中力、創造性を高める物質です。エンドルフィンは、ドーパミンよりもさらに強い幸福物質です。感謝すると、これらの物質が分泌されて、感情が安定して穏やかになり、そしてドーパミンとエンドルフィンが分泌されて、パフォーマンスが上がる。こういう風な作用が起きます。これは経営やビジネスで成果を出す上で重要であります。
感謝の気持ちを持つということは、ご自身の心を穏やかにし、パフォーマンスを上げるという作用があります。これが感謝の力です。感謝をしていく上で、相手に感謝をできるところを見つけていかなければなりません。あるいは、周囲のことも普段の生活の中でもありがたいなと思えることを見つけなければなりません。
ところが、人間というのは感謝が苦手な生き物なのです。馴化という脳の作用があります。これは刺激が長時間繰り返し与えられると、その刺激に鈍感になり、反応が見られなくなるという脳の性質です。つまり、慣れてしまいます。馴化によって、脳は当たり前の感覚を覚えていきます。「ありがとう」という言葉、これは「あることが難しい」と書きます。この反対語は、あることが難しくない。つまり、当たり前になってしまいます。何事も当たり前だと思ったら、ありがたいと思えません。これだけの給料をもらえるのが当たり前だと思ったら、給料をいただくことに感謝はできません。何事も当たり前だと思ったら、もう感謝できません。当たり前があると思ってしまっていることをよくよく見直して、これは決して当たり前ではないと思うと感謝できることはいっぱい見つかります。部下、上司、お客様、家族に対して当たり前と思ってしまっていることを見直す。それによって感謝できることが,見つかることで、見つける力が高まります。感謝を伝えるということに関する見つける力、これは当たり前を見直すことで、ぐっと高めることができます。特に周囲の人間関係に当たり前、そんな風に思っていると感謝はできません。そこを見直すと、そして人は当たり前の基準を超えたことに感謝できます。当たり前の基準が高い人は、よっぽど良いことが起きないと感謝ができません。なので、感謝できることがなかなか見つかりません。一方で、当たり前の基準が低い人は、ちょっとしたことでも感謝できるわけです。なので、感謝できることが多くなります。そして、当たり前の基準は、馴化によって上りのエスカレーターのように自然に高くなっていきます。馴化によって脳は慣れていくわけです。慣れていくと、どんどん当たり前の基準が上がっていきます。当たり前の基準を低く保つには、上りのエスカレーターを下る勢いで継続して意識することが必要なのです。そうしないと、勝手に上がっていくのです。部下、上司、お客様、家族に対して当たり前の基準を低く保つことができているか見つめ直してください。幸せになるためにはどうすればよいかこの答えは単純明快です。当たり前の基準を低く保つことです。
当たり前の基準を低く保つには2つの方法があります。1つが感謝日記です。1日の終わりに感謝したことを日記に書く。良かったことに対する感謝だけでなく、当たり前と思ってしまっていることへの感謝を書き出す。毎日書くようにすると感謝できることに対してアンテナを張るようになります。
それから、「ありがとう」を唱えるのです。「ありがとう」を唱えると、認知的不協和音を解消しようとする脳の修正により、感謝が言葉に引っ張られやすくなるので、感謝の気持ちが起きやすくなります。脳は認知的不協和音を嫌います。認知的不協和音というのは矛盾です。例えば、心の中では「ありがたい」と思っていないのに、口では「ありがとう」と言うと、そうすると矛盾が起きます。心の状態と発する言葉が一致しないと、これがこの認知的不協和が大嫌いです。解決する方法は2つです。1つは、感情の状態に言葉の内容を合わせていくことによっていくことです。もう1つは、言葉の内容によって感情を合わせていくことです。この合わせていくことを通じて、認知的不協和音を解消しようとします。「ありがとう、ありがとう」と言い続けると、もう言葉を変えるというのは難しいですから、だったら心の状態を変えるしかないと言っています。無理やりありがたいという気持ちにさせようとします。感情は言葉に引っ張られやすいので、まず言葉を先に言い出して、そして感謝の気持ちは自然と湧いてくるようになります。