社会貢献 活動の方法

活動の方法

組織市民行動と言います。これは別に自分の割り当てられた仕事ではなく、やってもやらなくても何も言われないという仕事です。しかし、組織の成長のためには必要な仕事です。こうした行動の有無が、業績や労働生産性に大きく影響するということがアメリカの研究で分かりました。つまり、業績を伸ばしたければ、組織市民行動を増やせばよいのです。社員がどんどん組織市民行動をとるような社内の文化をつくるということになります。1980年代、アメリカでこの組織市民行動がブームになりました。

それぐらい大事なことですが、かつての日本にはこのような言葉は必要ありませんでした。なぜかというと、古き良き時代の日本企業では、このようなことは当たり前にやっていたからです。お互い様の精神があり、助け合っていました。一人ポツンと残っている人がいても、「知らない、自分の仕事が終わったらさっさと帰る」のではなく、困っている人がいたら「どうしたのか」「大丈夫か」「何か手伝おうか」と、困った時のお互い様の精神で、組織市民行動なんて言われなくたってやっていました。ところが、今の時代の仕事のスタイルは欧米化が進んでおり、「自分の仕事さえ終わっていれば後のことは知らない。会社の成長や組織の成長などは知らない」という考えが見られます。「自分は営業をやります、経理をやります、自分の役割はやりますが、それ以外のことは知りません。自分の仕事が終わったらさっさと帰ります」という人が多い会社は、生産効率が低くなります。そして、利益率も低くなり、加えて離職率が高くなります。

なぜかというと、人間関係が希薄になるからです。だからこそ、コミュニケーションも希薄になってしまいます。コミュニケーションが希薄だと、お互いの融通が利かなくなります。わからないところがあっても聞けないので、聞けばすぐわかるようなことでも自分で抱え込んでしまいます。このようなことをすると生産効率や業務効率が悪くなります。

逆にお互いを助け合うことが浸透している組織は業績が良いです。生産効率も良く、離職率も低いです。そうやって組織が成長してどんどん利益が出ていくようになると、GDPは企業の粗利の総合計ですから、GDPが上がることにも寄与していきます。だからこそ社会貢献として、まずは皆さんの職場で組織市民行動をとってください。割り当てられた仕事ではなくても、組織の成長のために「誰かがこれをやった方が良い」ということを率先してやっていくことが大事です。このような研究もあり、管理職の人事評価の傾向を見ていくと、高く評価される人は実績を残した人よりも、組織市民行動をとっている人の方を高く評価するという傾向にあります。やはり評価する側も、こういう動きをしてくれる人はありがたいのです。特に社長などは、こういうことをしてくれる社員がありがたいのです。実績を伸ばしている社員ももちろんありがたいですが、実績以上にこうしたことがしっかりとできる人を、結果として高く評価する傾向にあるという研究もあります。

このような行動を通じて、給料以上の価値を提供し、会社の成長に貢献することも社会貢献となります。「もらった給料分だけ価値を提供すればいいでしょう。例えば月40万円もらっているのなら、40万円相当の労働を提供すればいい。それ以上の労働を提供するつもりは一切ありません」という考え方ではなく、社会貢献だと思って、40万円のお給料をもらっていても45万円分の労働価値を提供しよう、例えば5万円分は社会貢献だ、とこのように思っていただきたいのです。より会社の成長のために頑張るというのも社会貢献です。企業が成長し、利益が出てGDPに貢献し、税金をより多く納める、そういったところも社会貢献につながります。なので、まずはこういったところから始めましょう。これはかなり現実的な方法です。

それから、資源を節約します。これは言うまでもありません。家庭での資源の節約をします。電気をつけっぱなしにしない、水を流しっぱなしにしない、シャワーヘッドを節水タイプに変更する、LED電球や省エネ家電に置き換える、自動オフ機能の活用、エコバッグやマイボトルの持参、それから商品を購入して容器ごみの削減をすることなどです。そしてオフィスでの資源の節約として、文書をデジタル化しペーパーレス化を行うこと、両面印刷や裏紙の利用、再生紙の利用、残業時間を削減してオフィスの電気使用量を削減すること、そして退出者による照明オフの徹底などがあります。誰もいないのに電気がついているフロアなどはもったいないです。

そして3つ目に、社会や周囲の人の幸せを祈ることです。祈りというのは社会貢献になります。「何を言っているんだ」と思われるかもしれませんが、今、祈りの力が科学的に証明されています。筑波大学の名誉教授である村上和夫さんはかなり有名な方ですが、この方が行った研究があります。アメリカのエイズ患者を10名ずつAとBのグループに分け、Aグループには本人に知られないよう「健康で生き生きと生活してほしい」と祈りを捧げ、Bグループには祈りを捧げませんでした。その結果、Aグループは10人全員の症状が改善されました。対してBグループは4名が亡くなり、6名の症状が悪化したという研究があります。つまり、健康でいきいき生活してほしいと祈られた人たちは全員症状が改善し、祈られなかった人は全員症状が悪化し、そのうち4名が亡くなったのです。ここまでの違いが出ています。ですので、祈りというのは力を持つのです。このあたりは量子力学という分野からも、今後証明がどんどん進んでいくことになります。

加えて、医療ジャーナリストのリン・マクタガート氏の研究によると、脳腫瘍の患者に「他の人の病気が治りますように」と祈ってもらったところ、その患者自身の脳腫瘍が消えたとあります。つまり、他者の幸せを祈ると、相手にも自分にも良い影響があるということになります。他者の幸せを祈ることで、祈った相手が元気になり、さらに祈った本人の脳腫瘍が消えたという研究結果もあるのです。私はこれに似た話をあるお医者さんから聞いたことがあります。末期がんになられた方で、ごく稀にがんが完治する方がおられます。そうした方々の共通点を調べているお医者さんがいるという話です。どういうことか分かったそうですが、余命3ヶ月や半年と宣告されても、「絶対にがんを克服するんだ」という強い意志を持ってがんと立ち向かう人が完治したかというと、そうではありませんでした。

がんが完治した人たちに共通して言えるのは、自分の命があとわずかだと悟り、「残された時間を使って少しでも人の役に立とう」と思って、自分のことは二の次にして、人のために一生懸命活動した人たちでした。そういう人たちが、気がつけばだんだんがんが治っていったというのです。このように人のために頑張ることは、実は自分のためになり、病気を治す力も高めていくことがあります。祈りというものは、このように社会貢献になっていきます。神社で毎月お祈りしていますし、毎朝毎晩、神棚に手を合わせています。「皆さんに幸せがありますように」という祈りを毎朝欠かさずにやっています。そういう祈りも社会貢献になるということです。ぜひ知っておいてください。

それから、募金、寄付、遺贈寄付を行います。NPO団体や地域の学校に募金や寄付をします。寄付というと数万円から数百万円という単位を思う方もいるかもしれませんが、マンスリー寄付というものがあります。これはすごくおすすめです。私もいくつかの団体でマンスリー寄付をやっています。1,000円からできるのです。毎月1,000円を自動引き落としで寄付していく形ですが、これなら続けやすいです。それから一時寄付としてまとめて一括で寄付する方法、クラウドファンディング、そして会社によっては利益の何パーセントを寄付すると決めて経営している会社もあります。

それから遺言による遺贈寄付です。以前にもお話ししましたが、遺贈寄付とは亡くなった後、本人が残した財産の一部を寄付する方法です。これなら老後の心配や病気、介護の心配がありません。自分が亡くなった後のことだからです。日本では、相続だけでなく寄付や遺贈寄付によって富を若い世代に回すことが重要です。今は平均寿命が90歳に迫ろうとしており、亡くなって子供に財産を相続する段階で、子供も60代であることがあります。その子供がまた90歳で亡くなって次の世代に相続するとき、その子供もまた60代という状況になります。これでは60代以上の間で富がぐるぐる回り続け、いつまでたっても若い世代に富が降りてきません。しかし、消費意欲が旺盛なのは若い世代であり、この若い世代が現役として社会を支えています。それなのに、現役世代に富が降りてこず、子供たちの9人に1人がご飯を食べられないような状況があります。もっと富を下ろしていかなければなりません。その方法として、寄付や遺贈寄付があります。

また、物品を寄贈するという方法もあります。貧困家庭を支援する団体に、米やカップ麺、日持ちする食品、衣類、毛布などを寄贈します。あるいは、子どもの学習支援をする団体に、ノートパソコンやタブレット、文房具、リュックサックなどを寄贈します。ただし、団体によっては受け取りにくい物もあるので、そこは注意が必要です。私もずっと寄付している団体がいくつもあります。自分自身もいろいろなNPO団体のコンサルティングをボランティアで行っていました。そうやって関わりを持ってから、寄付をするようになりました。

ここでNPO団体について解説をします。NPOとは「Nonprofit Organization」の頭文字で、非営利組織のことです。利益を目的とせず、社会的な課題の解決や公益的な活動を行う団体のことです。日本全国に約5万の法人が存在しています。環境保護、福祉、教育、国際協力、災害支援など、法律で定められた20分野のいずれかの活動を行う必要があります。NPO団体の収入は、主に会費や寄付、助成金、補助金です。そこから人件費や家賃などの経費を賄いますが、多くのNPO団体が資金不足に悩んでいます。

資金がなくて困っている代表が、私財を投げうって活動を続け、資産が底を突いて活動が途絶えることもあります。思いが強い人が活動を始めても、お金を集めるのが得意とは限りません。収益を生むのが上手な人は寄付を多く集めたり会費制をうまく運用したりできますが、みんながそうではありません。「思い」だけで立ち上げ、少額の寄付でなんとかやりくりしているところに、助けを求める人がどんどん集まってくると放っておけません。しかし寄付が足りず、仕方なく自分のお金を投じて運用し、代表自身も貧しくなって共倒れ状態になってしまう、それでも活動が立ち行かないという団体が多いのです。

そうした中で、どのNPO法人を支援すべきか選ぶ基準の例をお話しします。まずはNPO法人として認可されているか、内閣府のNPO法人ポータルサイトで検索をします。また、より厳しい基準をクリアした「認定NPO法人」というものがあります。認定NPO法人に寄付すると、確定申告のときに「寄附金控除」という税制優遇が受けられます。寄付したお金の一部が税金の軽減という形で返ってくるわけです。

その他、ホームページやSNSなどでこまめに活動報告をしているか、年次報告を公開しているか、収支報告書において役員報酬や経費が適正か、実際の活動が長期にわたって行われているか、代表者や理事の経歴が明確か、メディアなど第三者の評価があるか、ボランティア参加者の口コミはどうか。こうしたところをチェックしながら、その法人が信頼できるか判断して支援をしてみてください。こちらを参考にしていただければと思います。

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