上司の感情が与える影響

上司の感情が与える影響

上司の感情の話が生産性向上につながるというところについてまず情動伝染です。これは感情は無意識のうちに相手に伝染するという性質です。自分の感情は相手に移ります。相手の感情も自分に移ってきます。無意識のうちに、これが情動伝染という性質なのです。特に、部下は上司の感情に敏感に反応するため上司の感情は部下により強く伝染しやすいという性質を持ちます。皆さんも上司がいらっしゃる方は上司の感情の状態って気になりませんか。オフィスに行くと上司が機嫌がいいか、機嫌が悪いかでここは気になるところだと思います。

部下のあなたは上司の感情に敏感になります。上司の機嫌が良ければ仕事も楽になります。機嫌が悪いと部下の方も萎縮して仕事がしにくくなります。こういう経験あるかと思います。それぐらい上司の感情は部下の状態に影響を与えるわけです。

組織の感情の流れは、川上の上司から川下の部下に向かっていくのです。感情が流れていくのです。源流は上司です。上司から良い感情も悪い感情も流れてくるわけです。部下に向かって、部下はそれを真に受けるわけです。ですから、上司は自らの感情が部下の感情に強い影響を与えることを自覚しなければなりません。

さらに、上司の感情の状態は業績や離職率に大きく影響するため、自ら感情の状態を良い状態に保つことは、上司の極めて重要な仕事です。いつも不機嫌であるというのは、業績や離職率に極めて悪影響をもたらします。職務怠慢と言っても過言ではないことです。別に機嫌が悪くても、部下に直接当たってるわけじゃないんだから、別にいいじゃん、関係ないじゃん、というふうに思う方もいらっしゃるかもしれませんが、直接部下とコミュニケーションをとってなくても、部下は上司が機嫌悪いなというのがわかるわけです。

例えばパソコンのタイプの打ち方一つでわかります。あるいは歩き方でもわかるし、なんならこの表情の微妙な変化、言葉尻、こういったところから把握します。あ、機嫌が悪いんだなと。

特に独り言は注意です。独り言は、上司の方のみならず、独り言が出てしまう人はいると思います。例えば、上司に今から説明しますよとか言って、その説明が終わって、部下の人にハイハイとだけ返事で終わらせるような人、結構いるんです。

なぜ業績離職率に大きく影響するかというところですが、上司の感情の状態が悪いと部下は次のようになります。

過度の緊張が論理的思考を司る前頭前野。前頭前野というのはおでこのところです。ここの脳みそというのは論理的思考をまとまります。この前頭前野というのは、強い感情が生じると動きが鈍るのです。例えば怒りとか緊張とか恐怖とか、あるいは飛び上がるような嬉しさとか。こういう強い感情が生じると、前頭前野の動きが鈍るのです。動きが鈍って論理的な思考ができなくなるのです。なので、皆さんも怒りに我を忘れているとか、緊張して頭が真っ白になったとか、あるいは飛び上がって喜んでいる最中とか、こういう時に論理的な思考をしてくださいと言われても難しいと思います。なぜかというと、前頭前野の動きが落ちているからです。なので、前頭前野をフルに働かせるためには、まず感情を整えることが必要なのです。感情が整っていないと、論理的思考が難しいんです。上司の機嫌が悪いと過度な緊張が生じて、これが前頭前野の動きを鈍らせて集中力や思考速度が落ちます。その結果、部下のパフォーマンスも下がります。

そして上司の感情の状態が悪いと部下は質問しづらいです。わからないところがあっても、上司に聞かれれば、ものの5分で終わるようなことでも、今の上司の機嫌悪そうって、聞いてよいかなと質問を躊躇します。こんなことをやっていたら5分10分が経つわけです。これが1日3回起きたらそれだけで30分部下の手が止まるのです。10人部下がいたら300分です。300分ということは5時間です。これが週5日営業日だとすると25時間。1ヶ月4週にすると100時間。100時間部下の手が止まるという、ものすごい悪影響になります。この非効率性を取り返すというのは相当難しいのです。そういうふうなことが上司の感情の状態で悪いと起きます。質問しづらいと質問の機会を伺う。自分で調べるなどしてすぐ質問した場合と比べて時間がかかるわけです。

さらに不明点を確認しないまま、質問しづらいですから、もういいやとこっちでやってしまえと間違った方向にするとさらに深刻な問題は報告しないですね。これやばいとやってしまったどうしようという報告を機嫌の悪い上司にできますかという話です。できないとなり、言えない。どうするかというと、隠蔽しようとします。

例えば、大きな不正の背景には、だいたい不正をした人の上司がパワハラ系なのです。あるいは、ノルマを徹底的に達成させる、達成できなかったらきつく詰める、というふうなきつい上司がいるケースも多いのです。

そんな上司にこんな悪い数字は報告できないと、どうしようと言って水増しして売上を計上するところですね。こういう数字の改ざん、あるいは問題の隠蔽、これを行っていくと、こういう不正をする人もやりたくてやっているわけじゃないんです。だけど、上司がそんなこと怖くて相談できないからといって、数字の改ざん、問題の隠蔽したりするわけです。

そして精神的な疲労が溜まりやすく。パフォーマンスが下がり、もう耐えられないと思うと離職をします。疲労には肉体的疲労と精神的疲労がありまして、肉体的疲労というのは精神が前向いているのであればある程度耐えられます。だけど精神的疲労というのはいくら体が元気でも耐えられないものは耐えられないのです。よって、精神的疲労、これが部下の離職を促進することになります。

ご自身の感情を整え、分からないところはないかと声を掛けをすることで、部下の業務効率や疲労度は改善されます。

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