質問の力

ビジネスコミュニケーションでは、言葉が持つ力を身につけるということがテーマとなります。コミュニケーションは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに分けられます。言語コミュニケーションというのは、言葉によるコミュニケーションです。多くの場合、コミュニケーションというと、この言語コミュニケーションを意図して使われることが多いです。

もう一つは、非言語コミュニケーションです。これは、言葉以外のコミュニケーションの要素です。例えば、感情や表現、こういった身振り、手振りとか、姿勢、あるいは声のトーン、間の取り方、こういう言葉以外のコミュニケーションの要素のことを非言語コミュニケーションと言います。コミュニケーションというのは、この言語コミュニケーションと、非言語コミュニケーションの両方を意識して対応を取らなければなりません。コミュニケーションの効果は、ぐっと上がります。言語コミュニケーションを身につけると、関係構築、関係強化、説得交渉、指示、依頼、プレゼンテーション、問題解決に関して、成果を上げることになります。非言語コミュニケーションでは、感情の性質と克服法を学び、感情を整え、自らの状態を影響力のある状態にするために、どう話すか、ということが大事になります。何を話すかと、どう話すか。この両輪でコミュニケーションを形成をしていきます。この両輪とともに高いスキルを身につけていく必要があります。

そしてコミュニケーションでは、質問の力がとても大事になります。質問の力というのは、意識的に使いこなせるかというと、なかなかそういう人は多くはないことになります。ただ、質問を持つ力というのは、ものすごく強い影響力があります。この力を我々は使いこなせるようにしようというのがこの目的でもあります。質問というのは、なぜそんなに強い力を持つかというと、人は質問されると無意識的に答えようとする習性を持ちます。そのため、質問は次の力を持ちます。人間の脳というのは、質問されるとつい反応してしまうという性質を持っています。この性質から、質問というのは人を動かす力があります。例えば、相手の思考を強制的に変えることができます。例えば、普段我々が名刺交換をしていた時に、お相手の方にどんなお仕事をされていますかと質問をしたら、相手の方は仕事の話をしてくると思います。あるいは、ご出身はどちらですかという質問をすれば、相手の方は出身の話をしてくれると思います。二人の会話において、相手が何を話そうが自由なはずなのですが、質問をすると、相手の話題を限定することができるのです。なぜかというと、質問されたら、そのことについてつい考えてしまうわけです。どんな仕事をされていますかと質問されてだけで質問されて、「昨日の野球はすごかった」と。趣味の話をするかというと、そういう人はいません。「ご出身はどちらですか」と言って、「うちの息子がやっと大学に受かりました」って話をすることはありません。質問されたら、その質問に答えようとするということです。人間の習性なのです。なぜかというと、質問されたらその内容について思考が始まるのです。ですから質問することによって相手の思考を強制的に変えることができます。そして質問を使うと会話の話題もコントロールできるようになってきます。それから感情を変えることができます。例えば最近何か正しいことがありましたと質問すると、最近あった楽しいことを思い出そうとします。例えばこの前見た映画が楽しかった、面白くてどんな映画だったんですかそういうふうに質問すると、より映画の詳細について思考が始まる、説明が始まるわけです。説明しているうちに、その面白かった映画のこともどんどん思い出したわけです。そうすると、その時の映画の楽しいとか面白いとかいう感情も蘇ってくるわけです。あるいは最近なんかヒヤッとしたことありますかと質問すると、ヒヤッとした時のことを思い出します。いや、そういえばこの前、階段からそうなりましたと、どこの階段だったんですか、いや、あそこの階段でこんな階段しました。そんな話をしている時に危ないという感情がよみがえってきます。こんな風にして質問一つで相手の感情を変えることができます。

それから思考させることができます。これは人間の成長を促進できます。特に活用しやすいのが部下の育成です。部下がミスした時に何をやってるんだ、やる気がないのか、気合いを入れろ。そんな風に叱る人もいますけど、そんな風に叱ってもあまり効果はありません。部下がミスをすることに対して、必ず質問します。なんでこういうミスをしたのと原因を聞きます。それを聞いた上で、ではその原因を踏まえて、次に同じミスをしないようにするためにはどういうやり方をすればいいのかという質問をします。ミスの報告を受けるたびに必ずこの2つの質問をします。それをずっとやっていますと、部下の側もミスをしてしまいましたという報告の際に、どうせまた聞かれると思ってミスの内容とミスの原因、そして同じ失敗を繰り返さないための対応策、この3点セットを報告するようになります。この3点セットで報告できるようになると、もう自分の頭の中でそういうことを考えるという習慣が身につくわけです。そういう習慣が身につくと、同じミスを繰り返さなくなるのです。同じミスを繰り返す人は、これができていないのです。なぜミスをしたのかの原因分析をしっかりとやっていない。そしてその原因を踏まえた上での対応策を講じるということをやっていない。だから同じミスをするわけです。その原因分析と対応策を講じること。講じるという習慣がない人は、繰り返し同じミスをします。だからその習慣をつけさせるのです。どうやってつけさせるかという指標をして強制的に考えさせるわけです。それを繰り返すと、どうせまた聞かれるぞと思っています。その3点セットというのが保証する。それを繰り返し繰り返しやっていると、もう自分の頭の中でそういうことを、考える習慣ができます。これによって部下の成長がぐっと早まります。

それから、相手が説得に応じる確率を高められます。例えば、部下にこの仕事を明日までにやっておけと、そういうふうにお願いの仕方をしようとすると、明日までですかそれはもう無理です。勘弁してくださいよと反発されるかもしれません。そういう言い方ではなく、この仕事を明日までにやってもらうには、どんなやり方があるという質問をします。明日までですか、もうだったらこういうやり方、やり直しはないんじゃないかと。じゃあそのやり方でいいから明日までやってもらえるかなということを言います。だから説得に応じてくれる確率がぐっと上がるわけです。このように説得において質問を使えるようになっていきますと人を説得する力というのは、ぐっと上がっていきます。いろんな場面において質問を使うことによって、皆さんが相手を動かせる力がどんどん変わっていきます。

よって、質問はすごく力があるのです。これは質問の力を活用することで、信頼関係の構築、営業、説得、交渉、問題解決の成果を上げることができます。そしてもう一つ話題になってくるのが好子です。好子と嫌子という行動分析学の言葉があります。好子というのは、行動の直後に出現するとその行動を強化する刺激や出来事。頷き、笑顔、同意、共感を褒める、感謝、こういったのを好子と言います。一方で嫌子。これは行動直後に出現すると、その行動を弱化させる刺激や出来事。無表情、無視、しかめっ面、否定、怒り、叱責、こういうのを嫌子と言います。

この説明だけではよく意味が分からないと思いますので具体的にお話しします。この分析学では好子と嫌子を使って構図のパターンを4つに分類します。

好子の出現による強化。

これはAさんが無表情でした。Bさんの発言をしました。そしたらAさんが笑顔になりました。笑顔という好子を出現させました。その結果、 Bさんの発言が増え、この好子というのは行動を強化する刺激や出来事なわけです。なので、 Bさんが発言をした。それを受けてAさんが笑顔になった。そういう好子を出すことによって発言する行動、発言するという行動を強化した。それを受けてAさんが笑顔になる。そういう好子を出すことによって発言するという行動を強化したわけです。その結果、 Bさんの発言が増えた。

好子の消失による弱化。

Aさんがいて、ところがBさんが発言をした。それを受けてAさんが無表情になった。孔子が消失したわけです。そんな反応を見るとBさんの発言が減った。これが孔子の消失による弱化と言います。

嫌子の出現による弱化

Aさんの遅刻を黙認していた。そして、 Bさんの遅刻が増えた。よって、遅刻を叱った。叱るという嫌子を出現させました。その結果、 Bさんの遅刻が減りました。これを嫌子の出現による弱化と言います。

嫌子の喪失による強化

遅刻を叱っていたらBさんの遅刻が減りました。なので叱るをやめました。嫌子を喪失させたわけです。その結果、 Bさんの遅刻がまた増えました。遅刻という行動が強化されたわけです。こういったパターンを嫌子の喪失による強化と言います。

こんな風に4つのパターンに分けて人の行動を分析するわけです。特に特有なのが好子。その好子の出現による強化、これをどんどん使っていきます。この2つを使っていくと、人を動かすということがものすごくできるようになります。このテーマは関係構築です。現場を動かしていくために、まずは関係構築というので、意味がつきます。関係が築けている人は言うことを聞いてくれやしない。ところが関係が構築されていない人はなかなか言うことを聞いてくれ、なかなか言うことを聞いてくれてくると。どんな戦略や、まずこの理論でも、そういうふうなことを活用していこうと思ったら、周りから協力を得る必要があるわけです。協力を得るために、相手と関係を構築していくことが大事になります。これはマネジメントでも営業でも同じとなります。部下と関係を築く、お客様と関係を築く、そういうふうな時に、どんなふうに話していくというところを話します。具体的なコミュニケーションとの場面ですが、会話を弾ませ、関係を構築していきます。まだそこまで親密ではない人と出会った時に、人との出会いにおいて会話が弾むかどうかで、その後の展開が大きくなります。会話を弾ませる力の有無が人脈の有無に比例し、人脈の有無が将来の可能性に比例していくということがテーマです。会話を弾ませるところです。会話を弾ませて、相手と関係を築いていく上で、会話が全く弾みませんでした。でもめちゃくちゃよく仲良くなりましたっていうのをちょっと考えにくい。仲良くなって、会話を弾ませるということが大事なわけです。これが部下の方と上司の方とそういった方々と会話は弾み、それによって関係がより深くなっていくということができるようになっていきます。

それよりスムーズに経営とかビジネスが進みやすくなります。お客様とお会いした時に、何か話すことないな、沈黙だから気まずいな、そんな状況で営業がうまくいくというと、なかなか難しいです。やっぱり会話が弾んで、お客様と仲が良くなって、その状況で提案すると、買ってくれやしやすいわけです。そういうふうな会話が弾ませるというふうなことが大事になります。

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