

お寺は葬儀や法事などの法要、供養、墓地の管理などを行います。全国の寺院数は約7万7000カ所です。

お寺と神社の違いを理解してください。お寺は「仏様」をお祀りする場所であり、神社は「神様」をお祀りする場所です。
お寺には墓地があることが多く、亡くなった方を供養し、お経をあげるのがお坊さんの役割です。一方、神社には神主さんがいらっしゃり、神様に対して儀式を行ったりお供えをしたりして、人々の幸せを祈ります。葬儀や法事でのお勤めはお寺の仕事であり、商売繁盛や合格祈願、安産祈願など、さまざまな祈願を行うのが神社の役割です。こうした違いも日本の大切な文化ですので、ぜひ説明できるようになっておいてください。

お寺には、「檀家制度」というものがあります。これは家族や故人が特定のお寺に所属し、葬儀や法事を依頼する代わりに、寄付や年会費などの経済的支援を行う仕組みです。皆さんのご家庭にも、いわゆる「菩提寺(ぼだいじ)」があるはずです。役所と同じように管轄があり、お葬式や法事の際にお願いをすることになります。

しかし現在、2040年までに3分の1以上の宗教法人が消滅する可能性があると言われています。お坊さんが減り、お寺がなくなってしまった場合、檀家の方々は誰にお経をあげてもらえばよいかという問題は発生してしまいます。お寺には真言宗、日蓮宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗などさまざまな宗派があり、それぞれの地域を管轄しています。自分の家の宗派を知っておかないと、どのお寺にお願いすべきか分からなくなってしまいます。

次に、神社の役割についてです。神社は各地域を管轄する「氏神(うじがみ)様」が祀られており、感謝を伝える場です。お住まいの地域やオフィスの場所にも、そこを管轄する神社があります。人によっては毎月月初に、自宅とオフィスの氏神様へ参拝しています。

神社は本来、お願い事をする場ではなく、感謝を伝えに行く場所です。
「守っていただきありがとうございます」と過去の平穏に感謝を述べるのが本来の姿です。ところが、いつの間にか未来のお願いをする場に変わってしまいました。わずかなお賽銭で「億万長者になれますように」と自分勝手な欲をぶつけるのは、本来の趣旨とは異なります。まずは日々の生活への感謝を伝え、その神社の繁栄をお祈りした上で、必要であればお願い事を添えるようにしてください。
神社は本当に我々を守ってくれる役割を果たしています。具体的には、例えば、活断層の話があります。日本の活断層は、福島と茨城の間を流れる利根川付近などから始まっており、九州まで活断層が続きます。 驚くべきことに、この活断層の上には日本を代表するような有名な神社が数多く配置されています。その代表格が、三重県伊勢市にある伊勢神宮です。伊勢神宮は日本で最も位の高い神社であり、毎年多くの参拝者が訪れます。
その他にも鹿島神宮や香取神宮など、有名な神社があります。「神宮」とつく神社は、格付けが非常に高いのが特徴です。社号には「神宮」「大社」「神社」という格式の順番があり、神宮で最も有名なのは伊勢神宮ですが、明治神宮や九州の幣立神宮なども挙げられます。大分県の宇佐神宮は、全国の八幡神社の総本山です。こうした格式の高い神社が、あたかも地震から守ってくれているかのように、活断層の上に配置されているのです。
神社の代表者は「宮司(ぐうじ)」と呼ばれます。その数は約1万2000人ですが、法人格のある神社は約7万8000社あります。法人格を持たない小さな神社まで合わせると、その数はさらに膨大になります。つまり、1人で平均7社、多い人では70社もの宮司を兼務しなければ運営が成り立たない状況です。これほど多くの神社があるにもかかわらず、宮司が1万2000人しかいないという現状を比較すると、圧倒的に不足していることがわかります。氏子(その神社が管轄する地域に住む方々)からの寄付やお賽銭、お守りの収益で維持されていますが、神道離れや過疎化により収益は激減しています。神社本庁が管轄する神社であっても、将来的に41%が消滅すると見込まれています。


このように日本文化が失われていくことは、日本人のアイデンティティを揺るがしかねない事態だと危惧しております。神社を非常に大切に考えており、全国を巡りながら、神社のおかげで今があるという感謝の念で仕事をしております。地方の有名な神社を訪れると、かつては繁盛していたであろう商店街が寂しくなり、シャッターが閉まったまま設備が老朽化している光景を目にします。観光客が減り、新しくすることもできない現状は、非常に忍びなく、もったいないと感じます。こうした状況からも、地域復興や地方再生に取り組まなければなりません。まずは、このような深刻な現状があるということを、知ってください。

