前回のテーマは「自発性」であります。そして、どのような時に自発的に仕事に取り組みたくなるかというディスカッションを行いました。答えとして多いものがまとめたものがあります。1目的を理解し、
目標が設定されていること。2. フィードバックや達成感が得られること。3. 自己効力感を感じていること。4. 心理的安全性が確保されていること。5. 役割と責任、権限、裁量が与えられていること。6. 自分の意見が採用されていること。7. メンバーとの関係が良好であること。このような要件を満たす関わりは、エンハンシング効果をもたらす上で重要となります。
自己効力感を感じているということが必要になります。この自己効力感というのは、自己に対する信頼感や有能感、目標を達成できる自信や組織の成長に貢献できているという感覚になります。自己効力感が持てずにいると自信のない状態で自発性を持たせるのは難しいことになります。自分はこういうふうなことに関して自信があるという状況でないと自ら進んで取り組もうとするということはなかなか難しいことになります。よって、まずは自己効力感を持たせてあげるということが大事になります。そのために必要なのが。
成功体験と言語的説得であります。言語的説得というのは、あなたは能力があるということを言葉で説明させることです。言葉で説明されることです。この成功体験を積ませ、能力があることに気づかせます。そして言語的説得を行うことで。
自己効力感を高められます。この成功体験を積んでもらう上で以前説明したシェイピングです。勝負目標を設定してハードルの低い目標を達成して成功体験を積んでもらうことです。そしてその成功体験を根拠に能力があることに気づかせるのです。それを繰り返し達成してもらったらその事実を根拠にあなたはこうやって。
そういうことをやる上で十分な力があるよ、と思う。それから、心理的安全性が確保されていること。心理的安全性というのは、今、非常にブームのような言葉になっています。これは発言に対して否定、叱責されるなどの対人関係のリスクが少なく、のびのびと発言、意見できる状況を指します。風通しの良さのようなものであります。
この心理的安全性が確保されているというところが、Googleの研究によって生産性が最も高いチームの特徴として挙げられています。よって、今この生産性を高める上で、心理的安全性が最も高いチームの特徴として挙げられています。ですので、今この生産性を高める上で、心理的安全性を確保しましょうという企業が増えています。この心理的安全性というのは、ちょっと勘違いして解釈される人もいます。とにかく部下にストレスを与えないということを心理的安全性を確保するというふうなことだと思っている人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。ただただストレスを与えないというわけではなく、自由闊達に意見が言えるという状況を心理的安全性が確保されているというわけです。その心理的安全性を確保するためには、
これらのリスクを感じさせないということが大事なわけです。まず無知と思われるリスクです。これを感じると質問や相談をしなくなります。そして無能と思われるリスク。これを感じると意見を言わなくなります。あるいは挑戦しなくなります。この意見を言って今一度意見を言ってくれるなというふうに思われたら無能と思われるんじゃないか。何か挑戦して失敗したら無能と思われるんじゃないか。こういうふうなリスクを感じると意見を言わなくなるし、挑戦もしなくなります。そして邪魔と思われるリスク。これを感じると助けを求めなくなります。否定的と思われるリスク。これを感じると率直な意見を言わなくなります。ですので、心理的安全性を確保し、自発性を高めるには、まずこれらのリスクを。
感じさせない関わりが重要になります。これらのリスクを感じさせる関わりについて前回話をしました。これらのリスクを感じさせる関わりについてお話しし、これらの関わりをしないように、そういった形でお伝えをしました。それから、役割、責任、権限、裁量が与えられていること。リーダーだから押し切ってくれるだろうと言って、役割に対して寄せられる期待を役割期待と言います。人は役割を与えられると、その期待に応えようと、役割にふさわしい行動を取ろうとします。これを役割行動というわけです。よって、役割を与えて意識を変え、必要な権限の裁量を与えて役割行動を取らせることで、自発性を引き出せます。立場が人を作るという言葉がありますけれども。
まさにこれは役割行動を促すゆえに、本人がその役割にふさわしい人に成長しきという言葉です。立場が人を作るとですので、その立場、与えるべく役割を与えましょう。かつて役割については、口を挟みすぎずのびのびやってもらうことも自発性を引き出す上で重要であります。与えた役割についても、役割にふさわしい行動を取った場合は褒めて役割行動をより強く促します。この役割を与える上で肩書きが大事になります。肩書きは部長とか課長とか公式の職位だけだともうその肩書きの方を待っているかもしれません。だから新たな肩書きを与えることができないという状況であれば新たな肩書きを作ってしまえばいいのです。例えば。
副主任という肩書きを作ってきました。10人のチームで1人が主任。あと9人は肩書き内メンバー。こういった状況から1人を副主任を任命すると主任ともう1人が副主任。あと8人が普通のメンバー。この副主任の意識と動きが変わるのです。副主任は副主任にふさわしい行動をとるようになるわけです。そうなるとチームがまとまるわけです。リーダー役と思っていたのが、副主任もそういうふうな動きを取ると、これでよりチームはまとまりやすくなるわけです。そうやって役割を与えると、人の意識と行動が変わります。そして、自分の意見が採用される。一貫性の法則というのがあります。これは自分の発言、行動を一貫したもののようにするという法則です。
人は自分が言ったことについて責任感や当事者意識を持って自発的に取り組みます。よって、こうしろ、ああしろって一方的に呼ばれることより、自分からこうした方がいいのではないか提案した意見の方がより自発的に取り組もうとします。自分が言ったことですので、それは自分が責任を持って当事者意識を持ってやんなきゃという気持ちになるわけです。よって、本人が言ってもらうというところもポイントになるわけです。そのためこれについてどうやればいいかと思うと、何か言い合いではないという意見を求める。部下の意見を採用する。良い意見が出ないときは助け舟を出す。質問より具体的にするといった形で意見を言います。そして意見を求めることは、あなたは参考になる意見を言う力があると暗に相手を認めることになります。この人は優れた意見を言う力はないと思っていたら。
そもそも意見を求めません。つまり意見を求めるということ自体、あなたは優れた意見を言う力があるという風に私は思っているよと、そういうメッセージになるわけです。メッセージを通じて相手を認めることになるわけです。例えば何かいいアイデアはないかと。なんとかどうでもいいと思う。なんとかどうやればいいと思う。こういう風な意見を求めました。で意見が出てきました。はい、その意見。自分も、そんなことわかっている。そんなことは自分もとっくに思いついている。そういうふうに思ったとしても、それは部下の意見として採用することが大事なわけです。なるほど、その方法いいね。ぜひそれやってみよう。そういうふうにして自分の中に良い意見があると、こうすればいいんじゃないのという考えがあると、あえて部下に質問してみる。部下は同じような意見を言ってきた。そうしたら素晴らしい。あなたの意見採用しようじゃないか。
そういうふうに関わりが大事になります。その意見、僕も思いついているからそういうふうでなくて他に何かないんじゃないか。じゃあその意見でいこう。いいね。そういうふうな形で採用すると本人は嬉しいわけです。あ、自分は自分の意見が採用されたと。これは自分が言ったことなんだから責任持ってやんなきゃという気持ちになるわけです。そうやって良い意見は積極的に褒めて採用する。そういうふうな形で自発性を促していこうという話をしました。
そして、動機づけのポイントというところについて話を進めてきています。人から感謝される、社会的意義を感じるという内発的動機づけが生じる条件があります。内発的動機づけが生じる条件というのは、仕事が面白いと感じる条件です。その5つ目が、人から感謝される、社会的意義を感じる好欲の部分です。公欲を生み出す。こういうテーマで話を進めていきます。私欲と公欲があります。欲を2つに種類に分けることができます。私欲というのは、自分がいい思いをしたいという欲求。ERGの生存欲求、関係欲求、成長欲求はいずれも私欲になります。そしてもう1つが公欲です。人を喜ばせたい、社会に貢献したい、世の人のためになることをしたいという欲求です。この公欲というのは。
今後の時代の鍵を握ることになります。今の若い人は私欲というのが、例えば物欲、金銭欲、出世欲、こういったところが一昔前に比べるとそれほど強くありません。一方で好欲が強くなります。人に喜んでもらいたい、人から感謝される仕事がしたい、そのため、世のため、人のため、なることをしたい、そういう好欲の部分が強いというのが、今の若い人の特徴です。よって、好欲を満たす関わりというのが、今後のマネジメントでとても大事になってきます。今の若い人が今後の時代を担っていくわけです。その人たちの特徴が好欲が強いところです。よって、これからの時代のキーワードになると思います。そして、好欲が強い人は、人が喜ぶことを率先して行い、面倒見がよく。
組織に貢献するため、組織の宝となります。欲が強いということは、人に喜んでもらうことが我が喜びなわけです。嬉しいのです。だから人が喜ぶことを率先してやってくれるわけです。面倒見がいい、組織に貢献するということをすること自体が嬉しいのです。だから率先してやってくれるわけです。まさにこうやって人は組織の宝になります。そしてさっきもお伝えしましたが、今の20代30代は欲がなくモチベーションが低いと言われるが、公欲が強い人は少なくないです。私欲に関する動機づけが功を奏しない場合でも、公欲に関する動機づけが功を奏する可能性があるわけです。ということで、この公欲についてお話をしていきたいと思います。以前、こんなアンケートを取ったことがあります。「高い意義を感じる人生とはどのような人生か」
このアンケートの結果、もうかなりの割合で出てきた答えがこれです。人の役に立てた人生、社会の役に立てた人生と答える方が極めて多かったのです。こういう人生が過ごせたら、高い意義を感じるというわけです。結局、公欲を満たすことは、人生の意義を高めることになります。仕事を通じて公欲を満たせると、仕事に意義ややりがいを感じます。
それが内発的動機づけをもたらすことになります。同じ仕事でも、自分のこの仕事が誰の役に立っているんだろうと、そういうふうなところが感じられる仕事と、そういったところが感じられない、とりあえずやれと言われたからやっていると。そういうふうな仕事といえば、仕事に対する意義とかやりがいが全然変わるのです。こう欲を満たすというふうなことをやっていくと、これは従業員の方、部下の方、人生の意義を高めることにもなるわけです。
自分の人生を振り返った時に、自分は仕事を通じて世の中の役に立ってきたなと、人を幸せにすることができたなと、人から感謝されたなというふうに人生を振り返れたら幸せな人生だと思います。けれども、そういうことが全く感じられない。とにかくお金のためにだけに働いて、人の役に立っているのか、明日から。役に立っているのかわからないけど、とにかく他のためにだけに働きましたよという人生を、先ほどのような人生とで、人生の満足度、人生の意義というのはずいぶん変わると思います。ですので、。
公欲を高めることの方が、そういう人生の意義を感じられるようになります。公欲を満たす、関わりしていくということが大事になります。公欲が満たされる例としては、社内の人から感謝される、喜んでもらえる、チームや組織の役に立っていることが実感できる、お客様から感謝される、喜んでもらえる、仕事に社会的意義を感じられる。
こういうふうなことを通じて、公欲が満たされていくわけです。けれども、相手がしてくれたことに対して感謝を伝えることは、相手の関係欲求と公欲を満たす関わりとなります。公欲を満たされていくわけですけれども、相手がしてくれたことに対して感謝を伝えることは、相手の関係欲求と公欲を満たす関わりとなります。感謝を伝えられて認められたことが嬉しい場合は関係要求が満たされ、喜んでくれたことが嬉しい場合は公欲が満たされます。これは微妙に違うわけです。相手からありがとうって言われた時、こう言われた時に自分が認められた、だから嬉しいと思ったら、これは私欲になります。
私欲が満たされたら嬉しい。関係欲求になります。私欲が満たされて嬉しいということになるわけです。けれども、相手が「ありがとう」って言ったときに、「相手が喜んでくれている」「相手がやること自体が嬉しい」これは「こう欲」という意味です。こういう欲が満たされると嬉しいとなるわけです。ですので、「ありがとう」と言われて嬉しいと感じる。でも、その動機は何かと、関係欲求というより、私欲が満たされて嬉しいのか、公欲が満たされて嬉しいのかという違いがあるわけです。そして、褒めて反応がない場合でも、感謝を伝えると良い反応を示すものがあります。褒めるというのは、相手の関係欲求、私欲を満たすコミュニケーションです。素晴らしいとね。こういうふうに言われると、すごいねって言われて、。
自分の関係欲求が満たせることに関しては、それほど関心がない。ただ、「ありがとう」と言って相手が喜んでいると、その姿を見ると、相手が喜んでくれて嬉しいという効欲が満たされて、効欲が強い人はこっちの方が嬉しいわけです。自分が「すごいね」「素晴らしいね」と言われるよりも、相手が喜んでくれてるっていうことの方が嬉しい。なので、褒めて反応がない場合でも、感謝を伝えるという反応を示すことがある。ですから、マメに感謝を伝えることは、人の信頼を築く上で大きな効果を発揮します。いや、助かる、嬉しいねとか、いつもありがとうとか、本当に助かってます。こんな風に本人が喜ぶことが大事です。
本人が喜ぶと、好欲が強い人は喜んでいる姿を見るのが好きなのです。と思うわけです。
関係欲求が満たされても、あまり反応がないと。でも、公欲が満たされるとですね、ぐっと喜ぶという人もいるわけです。ですから、感謝を伝えるというコミュニケーションについては、関係欲求を満たすコミュニケーションでもあれば、公欲を満たすコミュニケーションでもあるわけです。そして、この公欲を満たすというふうなことは、普段業務の中で、業務の皆さんに喜んでもらえたとか、感謝の言葉をいただいたとか、そういった体験にじっくり意識を向けていますか。これがすごく大事なところになります。お客様から喜んでもらえた、感謝の言葉をいただいたというのは、この業務のやりがいを感じる上ですごく大事な部分です。ただ、普段が忙しいもんですから、そういうふうなところをじっくりと意識を向けることができていますか。
やっぱりですね、お客様に喜んでもらえる仕事というのは、やりがいを感じるものです。で、ある方がですね、こういうふうにお客様から喜んでもらえたと、また別の方はこういうふうにお客様が喜んでいただけると。ただ、これをお互い共有していないと、それぞれ担当者同士がですね、属人的にそういうふうな経験をしているだけというのはもったいないです。ですので、お客様の役に立てた、喜んでくださったありがとうを、言っていただけたというのをですね、体験をメンバーに書き出してもらい、シェアをすることで、自分たちの仕事がいかに人の役に立っているかを実感できることができると。こういう風にしてですね、我々の仕事ってお客様にこんなに喜んでもらっているんですよということをですね、社内のメンバーに伝えるわけです。事実としてそういうことがあるのに、そういうことを知らない、とりあえず目の前の仕事をやらされているという状況で働くと、皆さんのおかげで。
お客様からこんな喜びの声をいただきました。このお客様、こんな言葉をくれました。本当に喜んでおられましたというようなことをちゃんとみんなに周知するのかで、同じ仕事をやっていても感じ方が全然違うのです。
そのニーズが満たされた先の展開となると、人と会うのが楽しくなって、懇親会の茶会にも参加できるようになった。つまり、それは人間関係が豊かになった。つまり、それはお客様の人生が豊かになっている。こういうニーズが満たされた先のところまでですね、把握して、あなた方はこういう仕事をしてるんですよということが言えるのです。より強くいいと。やりがいを感じるわけです。ニーズが満たされた先の展開をもとに、会社のミッションを文言化すると、仕事に社会的意義を感じやすくなります。仕事に説得が持てた人生と、仕事に説得が持てなかった人生とでは、人生の満足度が大きく変わります。部下の人生の満足度を高めるためにも。
仕事に説得が持てるようにする関わりの意義は大きいです。そのためには、次の取り組みが重要になります。まず、会社としてお客様を大切にする姿勢を徹底すること。これは言うまでもありません。それから、顧客満足度を追求すべく品質改善を続けること。お客様の喜びの声や社会に与える影響を社員に伝えること。こういうふうな取り組みを通じてお客様に喜んでいただくようにする。
そして、その喜びの事実を把握する。そうすることによって、社員の方、部下の方は仕事に説得が持てるわけです。仕事や仕事に説得が持てた人生というのは、人生の満足度は高くなります。
金銭の心理的影響という話があります。ハーズバーグ心理学者フレデリック・ハーズバーグの2要因理論というのがあります。これはモチベーションを高める要因とモチベーションを下げる要因は別々にあるという考え方をする理論です。動機づけの要因。これはこの要因が満たされると大きくモチベーションが上がるが、この要因が満たされなくても大きくモチベーションが下がるわけではないということです。こういった要因を動機づけ要因と言います。例えば達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長こういった要因が満たされるとモチベーションが大きく上がりますが、これが満たされなくてもモチベーションが大きく下がるわけではないのです。
こういう要因です。一番大きいのはやっぱり何か達成するという達成感、それから承認、認められるということです。そして衛生要因。これはこの要因が満たされても大きくモチベーションが上がるわけではないが、この要因が満たされないと大きくモチベーションが下がるという要因です。内容としては、会社の方針と管理、監督者との関係、労働条件、給与、同僚との関係、個人生活とあります。けれども、特に会社の方針と管理、これが自分の考えと非常に合っているということがあったとしても、モチベーションが大きく上がるわけではないが、この会社の方針と管理が自分の考え方と合わないとモチベーションが大きく下がるというような要因です。そして、給与というのも衛生要因になるのです。この給与に満足したモチベーションが大きく変わるかというと、
一時的には上がるかもしれませんが、それにより給与に満足しないとなるとモチベーションが大きく下がるという衛生要因なのです。給与が衛生要因であるため、上げることによるモチベーション増加よりも下げることによるモチベーション低下の影響の方が大きいということになります。ですので、給料は一度上げたら二度と上げないという方向で考えると。給料を上げて慣れが生じるためモチベーションを上げる効果は長く続かない傾向にあります。利益が出たので昇給してあげたい。こんな風な相談も受けます。ただですね、期以降その給与水準維持できる保証がない場合は臨時賞与といった形で一時的な支払いをする方が無難です。例えば年収500万の人が利益が出たからといって会社が年収600万まで上げたとします。そして一年経って。
利益が出なくなってやっぱり給与を下げますと言って550万にされますと言った場合、年収500万の人の給与を550万に上げました。そしてそのままずっと維持してますという場合とどちらがモチベーション高く維持できるかということを考えると、これは後者の方だということになります。というのも年収500万の方が600万に上がりました。一年経つと初めのモチベーション上がるんです。600万上げてくればありがとうとなるわけです。ところが慣れが生じるわけです。なので600万がもう当たり前になるわけです。600万が当たり前になった状態で550万にされたら50万も給料がされたら腹立つわけです。それでモチベーション大きく下がります。けれども当初からすれば50万上がっているのです。であるならば後者の方ですね500万から550万上げてそこから維持という方がこのモチベーションを高く維持するわけです。ですので給与は一度上げたら二度と下げないという方向で考えることが大事です。
近年、若者を中心に給与がモチベーションに与える影響は小さくなりつつあります。先ほど申し上げましたけれども、最近の若者、若い人は物欲というのはあまりない。物欲があまりなければ金銭欲もそこまでない。なので出世したら給与が上がるよと、だから出世しようというふうな気持ちもあまりならない。出世したらしんどくなると、そんななるぐらいだったら給与は今のままでいいから出世なんかしたくないという、人が結構おられます。ですので金銭が与える影響というのはだんだん小さくなりつつあるというところがあります。ある学生のアンケートにおいて偏差値50か60、学生305人を対象にどのような企業に入りたいですかというアンケートを取りました。選択肢として人間関係が良好な企業、社会的に名の通った大手企業、社会や世の中の貢献している企業、ホワイト企業なら何でも良い将来性のある企業。
個人の能力を重視するベンチャー企業、多少きつくてもたくさん稼げる企業。この7つの選択肢を与えて一番人気だったのが、人間関係が良好な企業、そして社会的に名の通った大手企業、社会、世界のために貢献する企業、これがベスト3なわけです。けれども、人間科学をいかに重視しているかというところが見て取れます。そして多少きつくてもたくさん稼げる企業、これが最下位です。我々の世代であれば、結構選ばれる可能性が高いんじゃないかと思うんですけど。ただこれ最下位です。5%くらいは。その他の情報を含めて5%しかない。そういったことから見ても、お金というのはモチベーションに与える影響というのはずいぶん小さくなりつつあるということになります。アンダーマイニング効果というものがあります。これはエンハンシング効果の逆です。
エンハンシング効果というのは、外発的動機付けが高いモチベーションで仕事をしているうちに、内発的動機付けを生じて仕事そのものが楽しくなるというのがエンハンシング効果です。その逆です。内発的動機付けによって高いモチベーションで働いている状態において、金銭的報酬などの高い外発的動機付けを行うと、内発的動機付けが外発的動機付けへと変わり、外発的動機付けが得られないとモチベーションが下がる場合があると。これを、アンダーマーニング効果というわけです。ですので、外圧的動機付けによってモチベーションが高く働いている場合に、金銭的報酬などの強い外圧的動機付け、成功成果報酬型の給与制度などですが、これは控えた方が良いという場合があります。