次に相手の行動を変える叱り方という話をします。言葉が心に届かないと相手は行動を変えません。心の扉が閉じている状態では、心は言葉が心に届かないのです。この状況というのは、「心の扉」というものがあります。この扉が閉まっていると、その状況で叱るというコミュニケーションをとっているのですが、もうそもそも扉が開いていないので、相手の心には届かないのです。
では、この扉をどうやって開けることができるのかというと、それは、人は認められたいという関係欲求から認められると心の扉を開き、否定されると心の扉を閉ざすという性質があります。ですので、言葉を相手の心に届け、行動を変えるにはまず心の扉を開けるために相手を認め、その後に叱るというコミュニケーション、認めるコミュニケーション。これを取ることによって、心の扉を開けることになるのです。扉が開いた状態で叱るというコミュニケーションをとると、相手の心にダイレクトに届きやすくなります。ですので、こういう叱り方をするということが大事なものになります。この心の扉が閉じた状態で叱っても効果はありません。その時「はい、わかりました」と言っているけれども、心の中では納得していないと。逆に反発したくなると。そういう状況で叱るコミュニケーションが終わったりすることがあるわけです。そうならないように、相手に心にしっかり届けて、相手もちゃんと反省できる。そういう仕掛け方をするためには、まず先に、心の扉を開けなければいけないのです。心の扉を開けるために、相手のことを認めるというコミュニケーションを先に取るということが大事なわけです。
サンドイッチ方式という叱り方を説明します。これは、母性、父性、母性という順番で叱るというものです。父性を母性でサンドイッチするからサンドイッチ方式と言います。まず、相手を認め、心の扉を開ける。母性の発揮です。事情や状況をよく聞き、共感できる点は共感する。なるほどね、と。そういう事情があったならねと。だったらそういう行動をとってしまうよね。だったらそういうことになるわ。わかる、そうだよね。そういうところを、よく聞いて共感できるところは共感する。これまでの努力や優れた結果については褒める。能力の高さ、意識の高さが見られたら、そこもちゃんと認めると。その上で相手のため、組織のため、改めなければならない。理由を伝え、改める点を的確に論理的に指摘する。論理的に納得できると反発されにくくなります。ここで父性の発揮です。改めてください。そして最後に期待しているからこそ叱ったものを伝える。真面目な内容については、この内容を再度伝え、今後の期待を伝えます。そして大前提として、あなたのことを高く評価している、好印象を持っているということが伝わるように話を進めることが大事です。
叱るというコミュニケーションを取ると、相手からすると、この上司に嫌われてきて、嫌われたと思うのです。私はこの上司に嫌われたと。そう部下は思いやすいです。そう思うと部下も上司のことを避けようとします。上司のことを遠慮しようとします。上司のことを嫌いになると部下の人は叱られたら嫌われたというふうに思いがちなのです。そう思われないように、大前提として、私、あなたのことが大好きなんだよというコミュニケーションを取っておくことが大事になります。でも、大好きなんだよというと、ちょっと語弊があるかもしれませんから、あなたのことを高く評価しているとか、好印象を持っているというふうなところをお伝えをします。ここを手厚くやっておきますと、かなり叱るコミュニケーションを取りやすくなります。やっぱり皆さんもですね、面談の時とか、これ言わなきゃいけない、ちょっと今の状況はまずいぞと、いつか言わなきゃと、そういうふうな面持ちで面談をするのはしんどいと思います。だけど、言わなきゃいけないと取っておくわけにはいかないと。言ったらどうせ反発してくるんだろうなと。自分も嫌われるんだろうなと。それですね、重い心境で面談に臨むというふうなことを、管理職の方、経営者の方であれば経験はあるかもしれませんけれども、そういうふうな状況において、この叱り方を実行してくる人は、叱り方を実行することが大事です。
そして父性の発揮、さらに良くするための提案が必要になります。ここは直そうとか、でも期待しているよと、こういうふうなコミュニケーションなのですが、特に若い人で、若手の人で、繊細な人は少しでも注意されたと感じると、傷つく人もいます。こうやって前段で褒めてるのに、やっぱりここはもったいない。ここはどうにかしようかと。これ言うと、もうここの内容がどっかに行っちゃって、自分叱られているんだというふうに傷つく人もいるのです。特に若い人というかそういう人はいます。なのでさらに全体なコミュニケーションをとっていかなければならない場合もあります。そこは取れた上でさらに良くするための提案を行うとなります。母性から父性に移行するときにポイントですね。「でも」とか「ただ」とか、「しかし」、という逆説詞を使わないということです。この逆説詞を使った瞬間、今から叱られるんだなと思うのです。今まで褒めてくれたよねと、これいいんだけれども、ただねとか、でもねとか、こういうふうな逆説詞が来ると、ああ、この後叱られるんだなと思うわけです。結果叱られたんだなという印象を持ってしまいます。そうなると傷ついてしまいます。辞めるという方も中にはいらっしゃるわけです。なので、逆接詞を使わないというのがポイントです。例えば、君は能力が高いからここを直すともっと伸びるよ、とかあなたはうちの会社にとって大切な存在だから今後期待も込めてこの点をこうしてほしいとか、逆接詞を使わないので、そういうふうな叱り方をするとまた印象が変わります。
逆接詞を使うと褒めたって逆接詞を使うと、あ、叱られてるんだなという印象になってしまいます。だからこそ、そういったところも慎重にコミュニケーションを取ります。そしてここを直してほしいという言い方ではなくて、改め方を質問して本人の意見を採用すると、より傷つきにくくなります。次回はまた同じミスをしないようにするにはどうすればいいと思うって、あるいはこの、ここをこういう風にしていくためにはどうすればいいと思うという風に相手に質問をするのです。そして相手に答えてもらうのです。こういう風な改め方ができると思いますとか、こういう風な仕事の仕方できると思いますとか、そしてそれができた意見でいいなと思ったらいいねと、じゃあそのやり方やってみようとか素晴らしいとか、その意見を褒めるのです。
そういう風にしてしましょう。ああしなさいじゃなくてどうすればいいかという風に質問をする。できた答えを褒めて採用する。その方が本人も素直に受け入れやすくなります。だって自分が言った言葉ですから。自分が言った意見ですから。それ、自分もですね、素直に行動に移しやすい。こういう風な繊細な人のために丁寧なコミュニケーションということも今の時代の取っていくことも大事です。
そしてピークエンドの法則というのがあります。聞き手の心には会話のピーク時と終わりの印象が強く残るというものです。その印象が会話全体の印象を形成することになります。ですから、叱る場合も順番に改めて優れた点を込めて期待の高さを伝え、ポジティブな感情になる話をすることで、会話全体の印象がポジティブになります。その後のところの関係も悪くなりにくくなります。また、褒めて会話を終えると、叱る側はネガティブな感情を引きずりにくくなります。その結果、叱った後も母性を発揮しやすくなります。あのネガティブな感情でコミュニケーションを終えてしまうと、次会うとき気まずくなってしまいます。そして次会うときに母性の発揮。要は認めるコミュニケーション。これも取りにくくなるのです。気まずいですから。関係が良くないと、相手から嫌われたかもしれないと、そんな風に思われると、母性の発揮が難しくなるんです。だからコミュニケーションの締めくくりはポジティブな感情になるように締めくくります。
そのために、やっぱりこのサンドイッチ方式というのが理にかなっているわけです。母性、父性、母性、最後は、相手のことを認めて期待しているよという期待を伝えて、ポジティブな感情で終わらせるというところ。そういうピークエンドの法則で、最後の印象というのはすごく会話全体の印象になりやすいくなります。こういうふうなところを認識されるの、すごくいいことでもあります。
このサンドイッチ方式というのはいろんなところで使います。例えば上司に対して意見をする時、私はこうした方がいいと思うと上司、あなたはこうすべきだとこういう風な言い方をすると上司がもうカチンときます。え、なんと生意気な部下なんだとそう思われてしまうかもしれないのでサンドイッチ方式をお伝えします。まず、日頃の指導や、気遣いへの感謝を伝えます。そして、意見したい内容を伝えます。最後に、日頃の指導や配慮への感謝、会社への期待を伝えます。このサンドイッチ方式を使って上司の、というか経営陣に意見を述べたという人もいます。
それから、顧客に対して苦言を呈する時にも時の例です。まず母性。相手の優れた点や努力を認める。そして父性で苦言を呈したい内容を伝える。母性で、相手の優れた点や努力を認め、さらなる可能性を示唆するというところをお伝えしていきます。こういうふうな価値観が根付いていると、こういったところでできているから、多分あんまりないと思います。そういった意味で、すごい大きな可能性を持っているということになります。こういったところができていないというところを、いつまで経っても、もう改めようとしないと、ここ非常にもったいないということなので、この機会に徹底的にやりませんかここを徹底直しませんかだって、私はここを可能性を持っているんだから、他社がやってないようなことをちゃんとやってるし、他社が持ってない素晴らしい価値観をちゃんと根付かっている人、すごい可能性を持ってるんだから、この機会、しっかりここをやっていきませんかと、こういう言い方をするのです。
そして「今後の時代に求められる力」ということで説明します。言い方がきつい、圧が強い、冷たい印象を受ける、言い方がそっけない。対話の時に眉、口角、頬があまり動かず無表情。本人はこういうつもりがなくても、このようなようになっていることはあります。それが原因で部下が傷ついたり離職したりすることも少なくありません。本人は全然悪気なんか強くないでしょう。言い方きつくないでしょうともっと気づきにくいのはそっちです。冷たい印象を受けると、全然思いやりを持って接している、思いやりを持つ、接しているんだけど、ところが部下は冷たい印象を受ける。言い方がそっけない。そういう風に感じられることも、あるいは表情があまり良くない。こういう風なコミュニケーションの癖がある方は、部下がすごくやりづらくなってしまいます。ストレスを感じるのです。上司の側は全くそのつもりはなくても、だけどこういうコミュニケーションの癖があると、部下は余計なストレスを感じます。それで人が辞めても、上司の側はわからないんです。なんで辞められたか。部下の側からすると、上司の言い方がきついとか、上司が冷たいとか、上司はきつくしているつもりはないし、冷たくしてるつもりはないんだけど、部下側からすると、それストレス感じて辞めていったりするのです。今後ますます人が取れなくなる中で、離職は組織を衰退にもたらしてしまいます。加えて、繊細な若手はより増えていきます。ですので、部下のストレスが少ないコミュニケーションを取る力というのは、時代の流れとして必須の能力となります。
動機づけの心構え。部下の育成は継続的に取り組む必要があります。すぐ諦めては成果は出ません。部下と向き合うことは自分と向き合うことにもなります。部下を成長させることは自分を成長させることになります。部下は上司に育てられ、上司は部下に育てられます。
まず先に自分を変えます。素直な上司というのは人望があります。素直さは大事です。時間の使い方を考えます。部下に任せられるところを任せてみる。1日10分でも良いのでマネジメントをやってみようと、を育て、組織を成長させるというところについてやってみようと。10分でも毎日やれば本当に組織は変わっていきます。それから意味、理由を考える。今大変な部下がいたとしても、そういう部下を持ったことには必ず意味があるわけです。そこから何を学べということなのかということです。それから成長を信じ諦めない。
すべての人間は偉大な存在であるという考えを根底に持っていれば、そのような考えになります。そして見返りを求めない。良いリアクションを求めると、良いリアクションがなかった時には腹が立ってしまいます。悲しくなります。部下の良いリアクションが取れなかったとしても、その原因はリアクションに戸惑っているのです。照れくさいとか、急にそんなことを言われても困るとか、思うようにリアクションが取れなかった結果、たまたまリアクションが薄いとか、そっけなかったとか、そうなってしまわざるを得ないという部下の事情もあったりします。だったら初めから良いリアクションを求めすぎなければ、自分のためだったりしてるわけです。こういうふうな心構えが大事になります。
今日1日、上司として成長したら、これを日々顧みると。上司として成長すればするほど、組織も成長します。部下も幸せになってきます。その結果、離職率も下がります。みんなに良いことが起きるわけです。大事なことは、上司としての感情の状態を整えるということです。朝、オフィスに入るとき、良い感情の状態でパッと入るだけで、組織の雰囲気も良くなります。上司の感情の状態というのは、すごく大事なのです。
その心がけが、とても大事になります。