ホームページ設計 ホームページの設計とコミュニケーションステップについて説明します。現代人の消費行動モデルである「AISAS(エイサス)」などの話をしました。現代人はリアルの営業プロセスであっても、商品を買うかどうか判断する際に、一旦ウェブサイトを見に来ます。そこが「サーチ(検索)」の段階です。ホームページ、あるいはSNSやブログなどを一通り確認していきます。 このホームページが不十分な状況ですと、非常にもったいないことになります。ホームページが整っていれば、適切なコミュニケーションステップが取れるのです。 例えば、ある接点で興味を持ち、動線を通してお試しで商品を使用していただいたとします。その際、非常に良い印象を持たれ、「もう少し詳しく商品のことを知りたい」と思ってホームページを見たとします。ところが、そのホームページの質が低い状況だったとしたらどうでしょうか。その後の提案においてもホームページの印象が影響し、「あまり良くないな」と思われてしまいます。その結果、提案の成約率が下がってしまうのです。 どのタイミングでホームページを見るかは人それぞれですが、かなりの確率で閲覧されます。ですから、このコミュニケーションステップをスムーズに進んでもらうためにも、あるいは検討を後押しするためにも、ホームページはきちんと整備しておいていただきたいのです。 そのホームページの設計の仕方について説明します。まず、現在は多くの割合でホームページはスマホで見られます。パソコンよりもスマホで見られる確率の方が高く、だいたい8割の方はスマホで見ています。ですので、スマホを中心に設計を行う必要があります。 ポイントは、「初めは画像と大きな文字しか見ない」ということです。そこで感情が動き、大きな興味を持つと、ようやく小さい文字まで読んでもらえます。これが重要な点です。 皆さんがどこかの会社のホームページを見に行った時を想像してください。そこまで詳しくはないけれども、少し興味があるという程度の感覚で見に行った時、ホームページに書いてある文字を端から端まで、上から順番にすべて読みますか。おそらく読まないと思います。 初めはどんな感じかなと思って、ページの上部をざっとスクロールし、興味が湧かなければすぐに離脱してしまいます。そんなものですよね。 そこで興味が湧いたら、また上に戻って細かい文字をじっくり読んでいく、あるいは気になったところだけを読んでいくという見方をしているはずです。初めからすべての文字を読もうとはしないでしょう。 ですので、まず視聴者が見るのは画像や大きな文字なのです。画像や大きな文字だけをざっと見て全体の概要をつかみ、興味が湧いたら細かい文字まで見に行くという動きをします。ですから、画像と大きな文字でPRポイントを端的に伝え、感情を動かすことが大切です。そして、論理的な文章で自社の魅力を伝え、次のコミュニケーションステップにつなげます。この流れをいかに作れるかがポイントです。 人間の脳には、感情を司る部分と論理を司る部分があります。この両方が納得しないと行動には至りません。まずは感情を動かす必要があります。感情が動かなければ興味が湧きませんし、興味が湧かないものは読みません。基本的に、小さい文字を読むのが大好きだという人はあまりいません。文字を読むのは本来面倒なことですが、「興味があるから読もう」となるのです。そこに書いてある文章で論理的に納得し、感情と論理の両方が満たされた時に、次のステップへ行こうというアクションを起こします。 しかし、なかなか文字は読んでもらえないものです。だからこそ、初めに感情を動かして興味を喚起し、小さい文字まで読んでもらう流れを作ることが重要です。 そして、ホームページで意外と盲点になりがちなのが、「人間的な信頼」を表現することです。 ホームページを見た消費者は、その会社の人間的な雰囲気が分からないと、なかなか一歩を踏み出せません。人間的な雰囲気が伝わる要素を入れることで、クリック数や問い合わせ数は上がる傾向にあります。 具体的には、メンバーの顔写真や一言紹介のページを入れることなどが挙げられます。メンバー紹介のページがあると、つい見たくなりませんか。実は非常に閲覧される可能性が高いページなのです。お客様は「どんな人が働いているのか」という情報を求めています。 社員が笑顔で仕事をしている写真を入れる、代表挨拶で社長の写真と事業への思いを載せる、社長ブログで公私の状況や思いを書くなど、人間味が伝わる工夫をしてください。店舗に来てもらう場合は、店内の写真を掲載することも有効です。これらがあるかどうかで、反応は大きく変わります。 人間の脳は、他人の顔に敏感に反応するという性質を持っています。脳には「紡錘状回(ぼうすいじょうかい)」という部位があり、その中に顔を認識するための領域があります。 そこで起きるのが「シミュラクラ現象」です。3つの点が集まると、それを人の顔と見てしまう脳の働きのことです。 例えば、逆三角形に配置された3つの点を見ると、ロボットの顔のように見えることがあります。目が2つあって口があるという風に、脳が勝手に捉えてしまうのです。実際にはただの点と線であっても、顔として認識しようとするのがシミュラクラ現象です。 このように人間の脳は人の顔に敏感にできているため、ホームページやチラシなどに顔写真を用いることで、注目を集めやすくなります。 今のCMやパンフレットにタレントさんが多く起用されているのも、モデルが載っていると無意識に目が行く確率が上がるからです。人間の脳は顔に反応し、注目してしまうのです。 さらに、顔写真の視線の先にPRしたい内容を書くと、より目が行きやすくなります。 写真の中の人物がこちら(特定の方向)を見ている場合、その視線の先に見てほしい文章を置くのです。これは非常に効果的な視覚効果です。 視線が文章とは逆を向いている場合と比較すると、視線の先に文章がある方が、違和感なく情報が入ってきます。ほんの些細なことですが、その差によって文章が読まれるかどうかが決まり、興味の有無に繋がります。 こうした反応は論理的な思考によるものではなく、感覚的なものです。なんとなくの感覚で興味を持ったり、あるいは違和感を覚えたりします。ですから、設計段階で違和感をできるだけ排除していくことが大切です。顔写真と文字の配置には、ぜひ気をつけてみてください。
コーチ型コンサルティング
コーチ型コンサルティング 時間の使い方と経営課題の進捗管理について 仕事の優先順位には、重要性が高いか低いか、そして緊急性が高いか低いかの4つの区分があります。 「重要性も緊急性も高い仕事」、「重要性は低いが緊急性は高い仕事」、「重要性は高いが緊急性は低い仕事」、「重要性も緊急性も低い仕事」のどこに時間を使うか分析しなければなりません。 緊急性と重要性の高い仕事、例えば大型取引の打ち合わせや、大型研究の打ち合わせなどは、分析的に時間を使うべきなのは言うまでもありません。 一方で、重要性も緊急性も低い仕事、例えば資料の整理や雑務などは、あまり時間を使うべきではないです。 重要性は低いのですが、緊急性が高い仕事には、小型取引の打ち合わせや接客、資料の作成といった仕事があります。 そして、重要性は高いのですが、緊急性が低い仕事には、制度設計や組織づくり、販売戦略の見直し、Web集客の体制づくり、システムの改善・導入、新市場の開拓などがあります。 こういうことは特に締め切りがないのですが、会社を成長させるためにはやった方が良いことです。しかし、締め切りがないため、どうしても後回しになってしまいます。 こうした仕事に外部のコンサルタントが関わることで、緊急性を「低い」から「高い」状態へと変えることができます。「宿題を出しますので、来月までにとりまとめてください」といった働きかけを行うのです。 そうすることで、緊急性が低い仕事が高いものへと変わります。そうして宿題をやってくるうちに、今までずっと手がつけられていなかった課題に着手できるようになるのです。 慣れていない課題の解決に現実的に取り組むことによって、状況が変わります。 例えば、小型取引の打ち合わせなどは、いつもやっていることなので要領がわかっており、手際もいいものです。大してストレスもかかりません。 ところが、販売戦略の見直しと言われた際、そこには様々な方法があります。今知っている方法で考えるべきか、あるいは新しい方法を勉強してから取り組むべきかと考え始めると、選択肢が多くてだんだん面倒になってしまいます。「もういい、後にしよう。とりあえず明日の資料を作らなきゃ」と、いつまで経っても手がつかないことがありがちなのです。 普段やっていない新しいことをやろうとすると、やはりストレスがかかります。だから後回しになりがちです。 けれど、こうした重要な課題に早めに着手した方が、会社の成長は早まるわけです。そのため、伴走と進捗管理のニーズが高まります。 「こういうことをやりましょう」と提案し、経営者が「そうだよね、やろうと思っていたんだ。よし、この機会にやろう」となって、コンサルタントに関わってもらうのが最適です。 自社に合った販売戦略にはどのような方法があるのか、いくつかの選択肢を提示します。その中で興味のあるものを選んでもらい、「では、このプロセスで進めていくので、まずここまでやっていきましょう」と進めていきます。 そうすると、今まで手がつかなかった販売戦略の見直しがしっかり行えるようになり、営業効率やマーケティングの精度が向上します。さらに言えば、成果が上がるようになり、会社は大きく成長します。 こうしたことに取り組まずに、「資料作成が間に合わない」「明日のお客さんとの打ち合わせがある」と、目の前のことに追われ続けていては、いつまで経っても前進できません。 だからこそ、重要な課題を確実に実行していく必要があります。それほど伴走と進捗管理のニーズは高いのです。 ピーター・ドラッカーはこう言っています。 「成果を上げるための秘訣を一つ挙げるならば、それは集中である。成果を上げる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。成果を上げるには大きな塊の時間が必要だ。総量が大きくとも、細分化された時間では役に立たない」 この「一つのこと」を明確にしましょう。御社が成長していくために、まず取り組むべきことは何でしょうか。一つのことを明確に仕上げていきます。 例えば販売戦略です。古いやり方のままではなく、SNS戦略など現代的な手法をしっかり取り入れましょう。AIを導入して反応の良い投稿を分析したり、AIに文章を作成させたりする体制を作ります。 今はあまりお金をかけずに実現できます。そして、やると決めたら大きな塊の時間が必要なのです。毎日10分ずつ細切れにするのではなく、丸1日使うなどして集中して取り組みます。1人ではなく5人ほどで集まって行うのも有効です。例えば、合宿を行って缶詰になり、一つの問題に徹底的に取り組むといったチームでの方法もあります。 コーチ型の進め方 この過程でニーズに応じ、作業請負型、社内調整型、研修セミナー型、仲介型など、他のメニューを提案することもあります。 課題解決までのプロセスを提示することも重要です。コーチ型契約の提案に際しては、契約締結後の関与状況と課題解決のプロセスを時系列で示し、課題が解決していく過程を視覚的に提示します。これは契約後の進め方の指針ともなるため、スムーズに進行できます。 例えば、3月に契約を締結したとします。テーマは「組織風土の改善と理念の浸透」です。 まず、目指す組織像や求める人材像を設定します。そして、それに合わせた人事評価制度を設定していきます。 どのような人材になってもらう必要があるのか、具体的にどのような行動や態度をとってほしいのかを人材像として定義し、その内容に沿った人事評価を行います。「こういう態度をとっている方は高く評価します」という評価制度に連動させるのです。 そして、年間研修の内容を6月までに決めます。この研修は、目指す組織像や求める人材像を理解してもらい、それが評価にもつながることを浸透させるためのものです。 9月までに管理職フォロー研修を実施し、10月には一般職研修を実施します。9月中のフォロー研修では、7月に実施した内容を実践できているかを確認します。11月には評価面談を実施して評価を行います。 12月には、4月に決めた「目指す組織像」への進捗確認を行います。どこまでその姿に近づいたのかを確認していくのです。 3月に契約した際、年内にどこまで到達できるかを具体的に示されれば、「この人にお願いすれば、組織が本当に変わっていきそうだ」と納得感を持ってもらえます。こうしたプロセスを示すことで、コンサルタント側にとっても契約後の確かな指針となります。皆様も、ご自身のコンサルティングにおいて、このようなプロセスを示せるようにしていきましょう。 コーチ型の例 心理的ハードルを下げるメニューの作り方 期間が明確ではない顧問契約は、先方にとってトータルの費用が把握しにくく、ゴールも見えにくいものです。 半年や1年など、期間を区切った提案は費用の目途が立ち、ゴールも明確になるため、契約がしやすくなります。期間満了後も、課題を深掘りしたり新たな課題が見つかったりすれば、契約は延長されます。 期間を区切った提案が延長された事例として、半年間で事業承継に向けた体制を作るプランを契約したケースがあります。その半年間で他の論点についてもやり取りをすることで複数の課題が特定され、結果として契約は2年間延長されました。
コンサルティングメニュー
コンサルティングメニュー コンサルティングメニューの作成と9つのパターン ここからはメニューの作成というテーマに入っていきます。お客様の課題が特定され、お客様自身も解決の必要性を感じて取り組む段階になったとき、それに対してどのようなメニューを提案するかが重要になります。コンサルタントが「コンサルティング」という名目で具体的にどのような活動を行っているのかを分析すると、大きく分けて次の9つのパターンが存在します。 コンサルティングというと「知識提供型」を思い浮かべる方が多いですが、知識の提供だけで高い対価を得ることは、実は非常に困難です。 たとえば、お客様がものすごく困っている問題に対し、一言アドバイスをしたとします。相談に乗った時間はわずか10分でしたが、そのアドバイスで問題が解決しそうだとします。そこで「100万円ください」と請求しても、お客様は納得されません。「たった10分の相談で100万円ですか」となってしまうのです。 人間心理として、実働や「物」が伴わないと高い対価を払おうとしない傾向があります。そのため、提供側も「たった10分で100万円は請求しにくい」と感じてしまいます。これが10時間の実働を伴うものであれば、100万円という金額も請求しやすくなります。 現在はAIの普及により、一般的な知識そのものの価値は相対的に低下しています。そのため、知識提供のみで報酬を得るモデルを確立できないケースが増えています。 上手に契約を取っている方は、メニューの作り込みが非常に巧みです。知識提供によって信頼を得て、その他のメニューで収益を稼ぐ構造を作っています。 中には、知識の提供を無料で、SNSなどで積極的に発信している方もいます。有料級の知識を惜しみなく披露することで信頼を獲得し、その後の「実行支援(2番〜9番のメニュー)」で収益を得るのです。本を出版し、それを読んだ読者から仕事の依頼が来るのも同じ仕組みです。契約がなかなか取れない方は、このメニューの作り込みが不十分である可能性が高いと言えます。 それでは、1番から9番のメニューについて解説します。 1. 知識提供型メニュー お客様の課題を解決するための知識やノウハウを提供します。ここではAIには語れない、自分自身の体験に基づいた「豊富な事例」を語れることが最大の価値となります。 収益化のポイントは、時間あたり、あるいは1回あたりの相談料を明確に決めることです。ただし、知識提供だけでは対価をいただく動機になりにくいため、その知識を実行する際の手続きやサポートなど、他のメニューへつなげることでニーズを喚起するのが効果的です。 2. 作業請負型メニュー 課題解決に関する実務作業を請け負います。また、本来売りたい商品(不動産、保険、証券、投資信託など)がある場合に、関係構築のために作業の一部を引き受ける「コンサル営業」という手法もあります。 収益化のポイントは、請け負う作業内容、所要時間、料金をあらかじめ提示できるようにしておくことです。「なぜ自社に任せるべきなのか」を事例とともに説明し、複数の作業をパッケージ化したプランとして提案するのも有効です。 具体的な例: 無料相談ばかりで仕事につながらないと悩んでいる方は、契約の出口がはっきりしていないことが多いです。たとえば無料の労務相談を受けた際、「今の雇用契約書や就業規則はどうなっていますか? トラブルを繰り返さないために一度確認させてください」と促し、現状の不備を指摘した上で「今のビジネスモデルに合った内容に修正しましょう」と実務作業の提案につなげることが重要です。 提案の切り口と実績の説明 課題解決において必要となる作業について、お客様自身で対応できるかどうかを質問します。もし対応できない場合のリスクについても併せて説明します。 たとえば融資の場面では、銀行から事業計画書の提出を求められます。その際、「計画書は作成できますでしょうか」と伺います。事業計画書の書き方次第で融資の成約率は大きく変わるため、適切に書けない場合のリスクも事前にお伝えします。 「自社で作成するのは難しいかもしれません」という反応があれば、そこで具体的な実績を示します。「弊社は年間約50件の融資をサポートしており、計画書作成のノウハウが豊富にあります。先日も御社と同規模の企業で5000万円の融資が実行されました。弊社でお引き受けできますが、いかがでしょうか」と提案します。 ポイントは、「お客様側で対応可能か確認する」「対応できない場合のリスクを伝える」「弊社に依頼するメリットを事例とともに示す」という流れです。最後に「いかがでしょうか」と問いかけることで、依頼をいただける確率は格段に高まります。 3.コーチ型コンサルティング コーチ型の実施内容は、長期的に取り組むべき課題に対し、目標設定・進捗管理・解決策の調整を行い、期限を決めて行動を促すものです。 これは、すぐに解決できる問題ではなく、解決に時間を要する大きなテーマを扱う際に向いています。 収益化のポイントは、「解決策は理解していても、実行段階で不明点が出たり、他の業務を優先して進捗が止まったりする」という実情を示すことです。提案の際には、解決まで「伴走」する過程を視覚的に提示します。 この「伴走」こそが大きな価値となります。人によっては「やらなければいけない」と分かっていても、忙しさから手がつかないことがあります。そこで、第三者であるコンサルタントが期限を決め、「いつまでにやりましょう」と約束を交わすのです。 「あの人に進捗を確認されるから、やらざるを得ない」という適度な強制力が働き、結果として会社が変化し、状況が改善されていきます。この進捗管理の価値は、AIには代替できない人間ならではの仕事です。 これからの時代、知識の提供はAIに任せられるようになりますが、「いかに相手の行動を変えるか」という伴走型の支援は、人間に残る重要な役割となります。約束を通じてお客様と共にゴールを描いていくのです。 なお、コーチ型では関与頻度と報酬をあらかじめ明確に決めておくことが重要です。たとえば「月1回、2時間の打ち合わせで10万円、電話相談は随時可能」といった条件を定めます。ここを曖昧にすると、関与時間だけがズルズルと増えて報酬が見合わなくなるといった状況を招きかねませんので、注意が必要です。
課題の特定
課題の特定 課題の特定とニーズの喚起 お客様に課題を認識していただかなければ、コンサルティングの必要性を感じてもらうことはできません。いかにして課題を特定し、それを解決することが重要であると気づいていただくかが鍵となります。 ここで「OATHの法則」という考え方をご紹介します。これは、顧客の課題意識の状況に応じて提案を変える手法です。 シンキングやハーティングの状態にある方は成約しやすいですが、世の中の多くはオブリビアスやアパセティックの状態にあります。こうした方々に課題を気づかせ、解決の必要性を感じてもらうためのコミュニケーションが重要です。 課題を特定するための5つのパターン 1. 未来実現型 これは名刺交換の際にも活用できます。単に仕事内容を伝えるだけでなく、一歩踏み込んだ「未来の質問」をしてみてください。「今後はどうされたいのですか?」と聞くのです。 相手が未来の展望を話してくれたら、「そのために今はどのような取り組みをされていますか?」「その方法でうまくいっていますか?」と深掘りします。そこで「実は人が足りなくて」といった悩みが見えれば、「それなら私にお手伝いできることがあります」と自然に提案できます。もし専門外であれば、専門家を紹介することで信頼関係を築くこともできます。 2. 問題指摘型 専門分野の観点から現状を質問し、対応が不十分であることに気づいてもらいます。 (例:資金繰りコンサルティングの場合) 「複数の銀行と取引はありますか? 1行だけだとリスクがありますよ」「資金繰り表は作成されていますか? 税理士は基本的に作成しませんので、ないと資金がショートする恐れがあります」 このように、専門家の視点で「ここはどうなっていますか?」と問いかけ、未対応のリスクを指摘することで、経理状況の診断へとつなげます。 3. 診断型(チェックリストの活用) アンケートやチェックリストを用いて課題を明確にします。「無料診断」は応じていただきやすく、効果的です。 たとえば、離職対策のチェックリストで「口コミサイトを確認していない」「管理職に教育をしていない」といった項目にチェックがつくことで、お客様は「ハッ」とさせられます。 チェックがついた項目に対し、「どれが一番気になりますか?」と問いかけ、優先順位の高いものから「プレ目標(無料のお試し解決)」を提示して信頼を獲得します。 4. 洗い出し型(付箋グルーピング法) 組織を拡大する前などに、現状の課題をすべて書き出してもらう方法です。社長や幹部に付箋へ課題を書き出してもらい、それをホワイトボードでグルーピングします。 これにより、優先順位、担当者、期限を明確にするファシリテーションを行います。この手法だけで高い報酬を得ている若手コンサルタントも存在します。 5. セミナー型 セミナーを開催し、陥りがちな問題やそれを放置した失敗事例を話します。解決策と事例を示した上で、個別相談へとつなげます。 セミナー集客は5名前後の少人数で十分です。人数が多すぎると一人ひとりの集中力が下がり、個別相談にも対応しきれません。少人数で丁寧に信頼を構築し、実績をしっかりと伝えることが成約への近道です。 心理的リアクタンスへの注意 提案の際、最も注意すべきなのが「心理的リアクタンス」です。人は強制されたり命令されたりすると、本能的に反発したくなるものです。「この課題は絶対に解決すべきです」と強く言うと、「今は必要ない」と拒絶される可能性が高まります。 そのため、強制するのではなく「この課題についてどのようにお考えですか?」と質問を投げかけてください。相手が「解決した方がいい」と言える状況を作り、解決すべき理由や事例を情報として提供します。 「質問」を通じて、お客様自らが「解決したい」と言ってくれるようなやり取りを意識してください。こうした細かな言葉遣いやコミュニケーションの積み重ねが、成約率を大きく左右します。
コンサルティング総論
コンサルティング総論 コンサルティングとは一体何かというと、相談に応じ、問題を解決する支援をすることをコンサルティングと言います。では、コンサルティングではない業務はどういうことなのかを考えてみます。非コンサルティング業務とは、言われたことを言われた通りにやることであり、これはコンサルティングではありません。それから、やるべきことが決まっている定型的な作業、これもコンサルティングではありません。 なぜコンサルティングをしたいのかという理由には、いくつかの側面があります。顧客から感謝されるクリエイティブな仕事がしたい、自分が持っている知識や経験を収益に変えたい、価格競争に巻き込まれずに高単価な報酬を得たい、あるいはAIやITによる自動化によって仕事を奪われたくないといった理由です。また、採用を有利に進めたいという理由から始める会社もあります。 採用においては、特に若い人の採用で「コンサルティングができるようになる」という募集広告を出すと、その言葉に惹かれる人が多いという傾向があります。「うちの会社に入るとコンサルティング能力も身につきますよ」というメッセージが響くのです。 しかし、そう書いてはあるものの、実際にはコンサルティングを行っていない場合、入社してみたものの全然やらせてもらえない、コンサルティング能力が身につかないということになり、結局辞めてしまいます。だからこそ、本当にコンサルティング事業を始めようと考えるのです。これまでの業務に加えてコンサルティングの要素も増やし、経験も積ませたい、それによって採用を有利に進めたいと考える経営者も多いです。 これから大きな影響が出てくるのがAIです。この5年で社会はまるで変わると思います。 Microsoft社のAI部門責任者であるムスタファ・スレイマン氏は、「ホワイトカラーの仕事のほとんどすべてが、今後1年から1年半以内にAIによって自動化される。過去15年でAIの計算能力は1兆倍に増加し、今後3年でさらに1000倍増える」と述べています。また、スタンフォード大学のエリック・ブリニュルフソン教授は、「AIは単なるツールではなく、蒸気機関や電気に匹敵する汎用目的技術であり、変革をもたらす。ホワイトカラーの仕事のタスクの大部分は、今後数年でAIによって再構成される」と指摘しています。さらにイーロン・マスク氏は、「AIは歴史上最も破壊的な力となる。やがて仕事が必要ない地点に到達するだろう。AIは何でもできるようになり、ホワイトカラーの知的労働における優位性は失われる」と述べています。 このように、今後のAIの進化により、世界は劇的に変わると言われています。 そのような中で、今どういう変化が必要なのでしょうか。 経営には流れというものがあります。経営方針を含め、その方針を実現させる戦略を考え、その戦略を実行し、実行する中で様々な作業が発生します。AIの進化により、この流れの下流にある「作業」の部分は、ほぼ自動化されます。そのため、ここだけで価値を提供することは難しくなり、つまりはお金が取れなくなります。そのような場合、作業以外の部分で価値提供をしていかなければなりません。つまり、経営の上流へ上流へと関与していくのです。そうした領域で価値提供をし、収益を得る方向にシフトしていかなければ、本当に仕事がなくなってしまいます。 下流の仕事は今後なくなりますが、士業、社外取締役、顧問などの上流の仕事は、高単価での需要があります。現在、様々な業界で勝ち組と負け組が明確に二極化されていると言われています。負け組はやはり「作業」の代行をやるだけの会社です。こうした会社は経営が厳しくなってきます。一方で勝ち組は「戦略提案」ができる会社です。「この部分は承っていますよ」というだけの仕事はだんだんなくなってきており、「ここに関して様々な提案ができますよ」という会社が大きく伸びています。 その中で、最近特に動きが激しいのが広告代理店です。特にウェブ広告業者では現在、倒産が急増しています。その理由は、ウェブ広告の運用や、広告に必要な画像制作などがAIでできてしまうからです。多くの会社が業者に頼むのではなく、自社で内製化しています。お金をかけなくても自分たちで出稿できますし、AIがどこに出稿すればいいかも教えてくれます。画像もすぐに作れます。そのため、作業だけをやっていた業者はだんだんと潰れてしまいます。 逆に、すごく業績を伸ばしている業者もいます。それは広告戦略の立案から提案をするビジネスモデルの会社です。「ターゲットのお客様がこういう属性であれば、こういうところに広告を打ちましょう」「こういうイベントをやりましょう」「こういうモデルさんを起用して、こういうCMを作りましょう」といった、上流からの提案ができるところは、随分と業績を伸ばしています。 コンサルティング契約を獲得するための具体化とプロセス コンサルタントやコンサルティングという言葉は、非常にイメージがしづらいものです。お客様に具体的なイメージを持っていただかなければ、契約には至りません。そのため、「経営コンサルティングの契約を取るためには、通常の商品やサービスと同様に、具体的な内容を準備しておかなければイメージされない」という相談をよく受けます。 コンサルタントとして独立した方や、コンサルティング事業を始めた方の状況を伺うと、多くの場合、次の2つのパターンのいずれかに該当します。中でも特に多いのが、「収益化しやすいコンサルティングメニューが決まっておらず、関与の仕方や価格設定に迷いがある」というケースです。 「コンサルティングをやっています」と伝えた際、お客様から「具体的にどんなことをしてくれるのか」「月々いくら払えばいいのか」と聞かれ、言葉に詰まってしまう方がいます。「言っていただければ色々やりますので」と答えても、お客様は具体的なイメージが湧きません。 たとえば「財務コンサルタント」と名乗っても、お客様は「資金周りを色々と手伝ってくれるのだろうか」という漠然とした印象しか持てず、話が終わってしまいます。 ここで、もっと具体的な話を提示する必要があります。たとえば、「会社と銀行をお繋ぎします」「融資が必要な時に事業計画書を作成します」「経費削減できる項目を洗い出し、AIを活用して業務の効率化をお手伝いします」といった具体的な提案があれば、「それならお願いできることがあるかもしれない」と興味を持っていただけるのです。 具体的なメニューを示さなければ、作業量が見えないため、金額も提示できません。これではお客様も依頼しにくいのが実情です。「このような業務を行い、月額いくら頂戴しています」と明確に示すことが重要です。たとえば、関与の仕方に合わせて3つのプランを用意し、「がっちり関わりたい方はAプラン(月30万円)」「程よい関与を希望される方はBプラン(月10万円)」というように、内容と価格をセットで提示することが大切です。 「9パターンのコンサルティングメニューの作り方」があります。世の中のコンサルタントが具体的に何をしているのかを調べると、大きく9つのパターンに分類できます。中には「これは作業ではないか」と思われるものもありますが、それが事業として成立し、仕事が取れているのであれば、一つのモデルとして有効です。皆さんはこの9パターンに基づき、自身のメニューを考えていきます。 また、お客様に課題を認識してもらうことも重要です。「うちに問題はない」と思っている会社に提案しても、必要性は感じてもらえません。契約を取るのが上手な方は、提案の前にお客様自身に課題の存在に気づいてもらうことが非常に得意です。「御社にはこのような課題があることにお気づきですか」というコミュニケーションを通じ、お客様が「これはまずい、どうにかしなければ」と思ったタイミングで提案を行うと、成約率は格段に上がります。 契約獲得のキーワードは、「メニューの作り込み」「課題の特定」「未来の具体化」「信頼」の4つです。 成功しているコンサルタントは、次のような流れで提案を行っています。 次の打ち合わせでその変化を確認し、「確かに変化が起きた」「この人は本物だ」と感じていただければ、本契約へと繋がります。契約後は、一つの課題を解決して終わりにするのではなく、関与する中で見つかる新たな課題を次々と解決していくことで、長期的な契約へと発展していきます。 特に重要なのは「現状をどこまで丁寧に詳しく聞くか」です。相手が話せば話すほど、「この人は自社を深く理解してくれている」という信頼が生まれます。その上で、「将来はどうしていきたいですか」と未来の質問を投げかけます。 組織コンサルティングであれば「規模を拡大したい」「離職を避けたい」といった回答に対し、「そのために採用や育成でどのような悩みを抱えていますか」と深掘りし、「それならお手伝いできます」と準備していたメニューを提示するのです。 自分の知識や経験を活かし、アプローチできる相手が抱える悩み(資金繰り、採用、営業力強化など)を解決する具体的なメニューを定めていきます。「課題を解決したらどうなるのか」という未来をイメージさせ、それを実現する手法とプロセス、そして具体的な事例を提示することが不可欠です。ポイントは、すべてを「具体化」することです。未来、解決策、プロセス、事例のすべてを具体的に話すことができて初めて、お客様は価値を感じ、依頼を決意してくださるのです。
コミュニケーションステップ
コミュニケーションステップ 接点から成約に至る過程をステップに分け、接点から提案につなげる導線となるステップを設けます。各ステップにおいて、次のステップへの進行率を高めるようにPDCAを回していきます。ステップを分けることでPDCAを回していくという点が、大きなポイントです。 接点から提案、成約に至るまで、この導線となるステップを設計しなければなりません。例えば、お客様と会っても、すぐに提案はできません。面識を深めて、何度も連絡を取り合って、そして仕事につなげていきます。接点を得ているだけではなく、仕事につながるような動線を設計しなければならないのです。そのためには、どのような動線を設計していくかという点が重要になります。 接点の種類には、対面、名刺交換、Web、ホームページ、SNS、ブログ、パンフレットやチラシがあります。それらを通じて接点を得て、そこから動線のステップにつなげ、提案、成約につなげていきます。接点から動線のステップに進める確率をいかに高めるか、そして動線ステップから提案のステップに進んでいく確率をいかに高めるか、この2点についてPDCAを回していきます。 それぞれのステップを進める上で、成約に至るまでの確率を高めることが重要になります。つまり、それぞれのステップでPDCAを回す必要があります。そうすることで、結果として接点から提案サイクルに至るまでの、全体のPDCAが回せるようになります。このような考えのもとで、プロセスを分割してPDCAを回すという点がポイントになります。 この動線にあるステップを、6つのパターンに分けてお話しします。 以上のような組み合わせを行い、自社の必勝パターンとなるコミュニケーションステップを確立していきます。接点から動線、そこから提案、そして成約につなげていきます。 動線には様々な方法があります。お客様の反応を見て、新たな方法を取り入れる「革新」と、今の方法を分析して磨き上げる「改善」を繰り返していきます。分析と改善を通じて軌道に乗せ、コミュニケーションステップを組み合わせて、ご自身の必勝パターンを確立していくことが成功の鍵となります。
感動する能力
感動する能力 「感動する能力」があなたの成長を加速させる:人生を豊かにする4つの真実 1. 鳴り止まない日常の中で、忘れてしまった「心の共鳴」 毎日がただ淡々と過ぎ去り、昨日の延長線上にある今日を繰り返す。そんな「心の停滞」や、景色がモノクロームに見えるような感覚を抱いてはいないでしょうか。どれほど効率的に仕事をこなし、知識を蓄えたとしても、どこか満たされない空虚さが残るのだとしたら、それはあなたの「心の開口部」が閉じかけているサインかもしれません。 人生の質を劇的に変える鍵は、特別な才能や環境ではなく、極めてシンプルな、しかし深い「感動する能力」に隠されています。感動とは単なる一時的な感情の揺らぎではありません。それは、私たちが世界とどのようにつながり、自己をいかに更新していくかを決定づける、人間としての本質的な感性なのです。 2. 現実を愛し、価値を認める「感謝のセンサー」 感動とは、ドラマチックな事件が向こうからやってくるのを待つ受動的な体験ではありません。その出発点は、今目の前にある現実をありのままに認識し、謙虚に受け入れることにあります。 心理学的な視点で見れば、感動が生まれるプロセスには「感謝」という不可欠なセンサーが存在します。感謝とは、対象の価値を正当に認める行為です。現状を「当たり前」として素通りしたり、否定的なフィルター越しに世界を見たりしている間は、このセンサーが作動しません。 「現実を認識し、感謝すること。そうでなければ感動はしない」という言葉は真理です。目の前の事象に価値を見出し、感謝の念を抱くことで初めて、私たちの心は「感動」という名の豊かな共鳴を始めるのです。 3. 「心の透過性」がもたらす人間としての立派さと成長 心が動くということは、その人が世界に対して開かれていることを意味します。感動できる人のことを「立派である」という言葉で表現できます。この「立派さ」とは、地位や名誉のことではなく、外部からの刺激に対して純粋に反応できる精神の成熟度、いわば「心の透過性」を指しているのです。 反対に、どれほど素晴らしい教えや美しい光景に触れても、全く「答えない(反応しない)」人がいます。心が硬直化し、外部からの刺激を撥ね返してしまう状態です。こうした精神の停滞にある人は、自己を更新するきっかけを失い、成長が止まってしまいます。 感動する人は立派である。どんな感動するような条件にあっても全く答えない人もいます。やはりそういう人は成長はしない。 成長とは、新しい価値観に触れて自分を書き換えていくプロセスです。感動する力を持つ人だけが、経験を糧にし、常に新しい自分へと進化し続けることができるのです。 4. 逆境を希望に変える「強靭な感性」のパラドックス 興味深いことに、感動する能力は物質的な豊かさと必ずしも比例しません。むしろ、恵まれた環境に安住して不平不満を募らせる人ほど、感動の感度は鈍麻していきます。 一方で、肉体的な障害や過酷な境遇に立たされている人々が、誰よりも深い希望を抱き、小さな事象に激しく心を動かされる姿を目にすることがあります。これは、感動が「余裕のある人の嗜み」ではなく、困難な状況を生き抜くための「強靭な生存戦略」であることを示唆しています。 苦しい状況下であっても、腐らずにベストを尽くそうとする姿勢。そこから生まれる一筋の光への感動こそが、閉ざされた運命を切り拓くエネルギーとなります。感動する心を持つことは、逆境を乗り越えるための「真の強さ」を手にすることと同義なのです。 5. 結論:愛と感謝が紡ぎ出す「生きがい」という名の感動 人生の豊かさとは、蓄積した財産や知識の量で測れるものではありません。愛や感謝の気持ちを土台とした感動こそが、私たちの生に「生きがい」という息吹を吹き込みます。 感動のない人生には、彩りも、自分を突き動かす理由も生まれません。つまり、感動とは人生そのものであり、私たちがこの世界を肯定して生きていくための源泉なのです。愛を持って世界を見つめ、感謝を持って現実を受け入れたとき、あなたの人生は再び力強く鼓動を始めるでしょう。 今日、あなたの目の前で起きている小さな出来事に対して、あなたはどれほど心を開けていますか? その小さな気づきの中に、あなたを明日へと運ぶ「成長の種」が必ず隠されているはずです。
高齢化問題、経営問題、介護問題
高齢化問題、経営問題、介護問題 高齢化率これは、人口に占める65歳以上の人の割合を言います。モナコは35.7%、日本が30%、イタリアが24.4%。世界一はモナコでありますが、モナコの人口はだいたい3万6000人です。日本は1億2000万人ですので、比較は難しいですので、ある程度規模の国ということで考えた場合に、日本が世界一の高齢化国ということになります。医療や介護などの社会保障費は増え続け、 2024年の介護保険制度総費用は14兆2000億円と過去最高になります。今後、若い世代への負担はますます,大きくなります。若い世代に税金や社会保険という形で負担をしてもらって、高齢者の方々に医療費や介護費に企てるという割合が高齢化率は上がっていきます。高齢化率が上がると、若い人の負担が増えるわけです。ところが、若い人の人口が減ってくるとなると、 1人当たりの負担率が跳ね上がるということになります。こういう時代になっているのです。 高齢者は消費を控える傾向がありますと、若い人ほど消費意欲が旺盛ではないわけです。ですから、高齢化率が上がると、国内需要が減るため、景気にも悪影響を及ぼします。そういう状況にあるにもかかわらず、60歳以上の保有する金融資産の割合が1990年47.4%、2014年には65.7%まで上がっているのです。金融資産の半分以上を60歳以上持っています。さらに2035年には70.6%に達します。7割となります。60歳以上の方が持つという状況になってしまいます。残りの3割を60歳以下の方々がどうにかこうにかで生活していくという、このような状況なのです。60歳以上の方が6割、 7割の金融資産を持っている。 でも若い世代の方は3割、 4割しかないのです。今後も、若い世代の金融資産割合は減少する見込みなのです。いろんな状況で、若い人たちの税金と社会保険がまだまだ増えるわけです。子どもの世代、孫の世代、もう高齢者に潰されてしまうという状況になりかねません。 税金や社会保険が高い。ではどうするか。国外脱出税率が低い国へ移住する人も増えています。これがますます加速するかもしれません。そういうことが加速すると、もっと若い人が減るわけです。もっと日本にいる若い人に対する負担率が増えるわけです。悪循環になります。日本の日本人の平均寿命は85歳。その年で亡くなると、 50代、 60代の子どもに財産が相続されます。その結果、日本の富の多くは50代以上の世代で、循環し続けることになります。これからますます寿命が延びると思いますけれども、90歳ぐらいまではなります。90歳ぐらいで亡くなりまして、子どもは60歳となります。こういう風にして、亡くなった後、その財産を相続する子どもは、もはや高齢者という状況がずっと続くことになります。相続財産が60歳よりも下の世代に降りてこないことになります。つまり、日本の富のほとんどが、 60歳以上でぐるぐる回り続けるとです。若い世代に富が降りてこないという状況になったのです。 この状況を解消するために、相続という方法以外の方法を、若い世代に,意識的に富を下ろすということをやっていかなければいけません。そのために、例えば、寄付があります。あるいは、遺贈寄付などのより若い世代に向けた財産の承継が必要になります。寄付というとなかなかハードルが高いですが、自分が寄付するだけの余裕があるわけでもない、だから寄付がなかなか難しいというふうな方は、遺贈寄付はできるのです。遺贈寄付というのは、相続財産の一部を亡くなった後に寄付する方法です。人生で使いきれなかった財産を寄付するために、お金の余裕がない、老後のお金が心配などの懸念なく寄付が可能です。NPO法人や学校に寄付する例も多いです。 経営の話になります。経営者の平均年齢は63.8歳です。これが平均年齢です。60歳で定年退職するような状況にありますが、経営者の平均年齢は63.8歳です。平均年齢ですから70代、80歳代の経営者もいるわけです。そして企業の全国の企業数が約400万社と言われています。経営者引退と後継者不足の廃業が増加していきます。2025年までに70歳を超える。中小企業経営者は245万人となり、うち127万社が後継者未定となります。 後継者不足の問題のみならず、現場でリーダーシップを取れる人が非常に多い状況にもなります。今、日本は現場のリーダーが圧倒的に足りない状況になります。また、後継者など、経営がわからないままリーダーになった人の経営支援をする経営参謀も足りない状況です。 国の方では、何か対策をやっているかというと、抜本的な対策はやっていないのが現状です。事業承継税制とかやっていますけど、とても使いにくい。税金のそういう間接的な話ではなく、リーダーの育成は必要となります。それでは、リーダーの育成のために国は何かやっているかというと、後継者育成のために何かやっているかというと、これといったものはあまり知られていませんが、もっとリーダー育成のための教育プログラムというのをやっていかなければ、会社の危機的な状況を向かいます。今は、日本の経済は危機的状況にあり、この事業承継の問題、これを今後一気に露呈することになります。 そして、とても大きな問題が、介護離職です。日本では、年間約10万人が介護離職をしている状況にあります。介護離職というのは、親の介護をしなければいけないという理由で会社を辞めるということです。10万人が介護離職をしています。介護離職をするということは、だいたい40代か50代の方です。企業の管理職の人です。重要な人物です。そのような人が辞めざるを得ない状況にあります。 介護のために、企業は経験豊富な人材を失い、離職には至らずとも、介護により業務に支障をきたす人も多いです。介護離職や介護と仕事を両立による生産性低下による経済損失は、 2030年には9兆円に達します。高齢化が進むにつれて、この負担はさらに大きくなり、医療・介護の費用も経済に大きな負担となります。 そのため、老後の健康増進は、日本経済の重要なテーマであります。老後の健康には「きょういく、きょうよう、ちょきん」が大事であります。そのためにも、ライフワークを持つ必要があります。定年退職をされた後、健康でいていただくということが大事なわけです。子どもに負担をかけないように、なるべく健康でいていただくことが大事です。健康でいていただくためには、「きょういく、きょうよう、ちょきん」が大事と言われているのです。きょういくは何かというと、今日行くところがあるということです。きょうようは何かというと、今日の用事があるということです。ちょきんというのは、筋肉を貯えると書くのです。 今日行くところがあって、今日用事があって、筋肉をしっかりと衰えさせないようにするということが、老後と健康増進のために大事だと言われています。けれども、定年退職をした後、仕事がなくなり、やることもなくなる。それで部屋にこもって、テレビばかり見ていると、今日も行くところがない、今日も用事もない、部屋に閉じこもっていれば、筋肉をどんどん衰えることになり、そういう人がいっぱい増えてきます。 そんな状況を作らないためにも、ライフワークを持つことが大事になります。ライフワークは、生涯をかけて取り組む仕事です。仕事、定年退職をした後、ライフワークはあるのです。この状況を作っていかなければならないのです。全ての国民、 1つでもライフワークを持つことが大事です。ライフワークを持っていれば、定年退職をした後であっても、今日行くところもあるし、今日も用事もあるし、用事があって、外出して、人と会って、そしたら足腰の筋肉が衰えなくて済むわけだし、貯筋ができるわけだし、そのためにでもライフワークを持ちましょう。このライフワークを推進するということが大事です。ライフワークを持つということは、とても大事なことです。 現在、日本は、子どもの数は減り続ける一方で、 9人に1人の子どもが貧困に苦しんでいます。その子どもたちは、旧態依然とした教育を受け、国際競争力のない人材に育ってしまいます。体力・気力が限界を迎えているのに、半分の会社で後継者がいません。そして、GDPも国際競争力も順位は下がり続けています。それなのに、定年退職後にやることがない人が増え続け、高齢者が富の7割を持ち、若手の負担は増え続けます。この状況に歯止めをかけるためには、国民一人一人が,ライフワークを持つという意識を持つことが重要となります。 そのためにも、社会課題の現状を知る、そして伝えていくことが大事です。欧米では、仕事でどれだけ活躍していても、社会貢献活動を行っていないと、真のエリートとは見られにくいということがあります。アメリカでは、就職先人気ランキングトップ10にNPO団体が2つもランクインしています。 将来の夢を話す際、日本の子どもは職業を話し、カンボジアの子どもは志、国や地域をよくすることを語ったという話があります。理由の一つが、日本では社会課題を知る機会が少ないというのがあります。理由の二つ目は、日本では、親や大人が志を語らないというのがあります。社会課題を知り、親や大人が志を持つことで、子どもも志を持てるようになり、それが人生の意義を高めることになります。志を持って取り組まなければいけないことが山ほどあります。山ほどあるのに、その実態を知らない。大人が志を語らない。ですから、子どもの志を持たない。そういう状況を少しでも良くしていくことが、日本の社会課題に取り組み、地域を良くし、国を良くしようという気持ちがとても大事になります。
日本の経済問題
日本の経済問題 国際格付けランキングにおいて、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ、オーストラリア、スイス、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、シンガポール、カナダ、リフテンシュタイン、これらの国は、 AAAの1位です。日本の格付けは、 A+32位となります。日本よりも上位の国を見ていくと、そこまで大きな国ではないのですが、たくさんありますが、日本は32位とこのような状況になります。 そしてGDPにおいて日本は1980年代から2009年までは第2位でありましたが、それが2010年から2022年。において3位に落ち、さらに2023年からドイツに抜かれて4位まで落ちました。まもなくインドに抜かれて5位になると言われています。右肩下がりの状況です。さらに1人当たりのGDPは1990年は3位だったものが、 2000年には12位、 2010年には22位、 2020年には29位、 2024年には36位と、これも右肩下がりです。さらに、国際競争力ランキングにおいては、 1990年は日本は世界1位でありましたが、 2000年には17位、 2010年には27位、 2020年には34位、 2024年には38位と、下げているわけです。どこまで転び落ちるかという感じであります。 この日本をここまで低下している主な要因は、労働生産性を高める取り組みの遅れ、不十分さ。さらに、少子化による労働力不足、市場の縮小、そして高齢化による社会保障費の増額、消費の停滞、というようなことが主な原因として挙げられています。 国際競争ランキングにおいて、デンマークは2023年総合一位、日本はこの時35位、 2024年デンマークは総合3位、日本は38位でした。デンマークはビジネス効率性は1位、 2023年も2024年も1位となります。日本はビジネス効率性では47位と51位なのです。そんな状況にあるわけです。 そのデンマークは、世界一の国際競争力、世界一のビジネス効率性の国ということですが、日本とどのように違うかというところを見ていきます。これだけの国際競争力でありながら、デンマーク人は16時になったら帰ってしまいます。そこから家では仕事はしません。仕事は16時までなのです。そして家に帰ったら、家族との時間をゆっくり楽しむ。趣味を楽しむ、そういうふうなところに時間を当てることになります。それ以降の仕事をするなんてことはしないのです。そのような状況なのに国際競争力が世界1位となります。 日本は残業するのは当たり前で、休日出勤もします。それだけ働いているのに、国際競争力はこのような状況なのです。 なぜ、このように差がついていくのかというと、デンマークの人というのは、仕事の仕方が違います。上司に仕事の目的を確認し、その目的を最も効率的に達成する方法を自ら考えて進めます。上司から「この仕事をやっておいて」と言われたときに、部下は目的を確認します。この仕事は何のためにやるのですかと聞くわけです。上司はそれを説明するわけです。こういうふうなことのために、これをやってもらう必要がある。それを聞いた部下は、そのような目的であれば、こういうやり方ではなくて、こっちのやり方がいいのではないかと提案します。よりその目的を達成しやすい手段を上司に提案をします。そのために、その手段を自分の頭で考えます。よって、上司と部下というのは、最適な方法を共に考えるパートナーの考えと関係となります。上司の指示よりも、より良い方法があれば、部下の方法で進める。真に関係がフラットな感じとなります。 上下関係はあまりなく、フラットな関係の姿の目的を一緒に撮影しようとなります。そのために最適な方法は、一緒に考えるという環境。上司の意見であれ、部下の意見であれ、より良い方法を採用して進めていくとしていくわけです。 日本では、上司に言われたことを言われた通りにやろうとする。上司に仕事を振られました。この仕事、何のためにやるのですか目的にあるのを確認せず、言われた通りにやればいいと思っています。ですので、やり方まで指示をしないと、うまく今日も進められないという人も多いのです。この仕事をやって、具体的にどうやるか。それでも自分の頭で考えて、自分で進めていくというふうなことができる人ばっかりでもないのです。やり方まで指示しないとやれない。なので、この仕事やって具体的にどうやるかというと、こうやってやっていくんだよ。これやっていくんだよというふうになって、言われたことは分かりました。言われたことを言われた通りにやればいいんだと。そうなるわけです。最適な手段を考えるなんていうことはしないのです。ましてや、目的を確認するためみたいなことをしないで、ただただ言われた通りにやればいいんだと。右から左に言われたことを言われた通りにやるという働き方をするわけです。そして、上司と部下は,上司の言う通り、部下が動く服従関係、上下関係が結構激しくなります。部下が仕事を振られた時に、この仕事の目的は何ですかと、このような言おうと思うのなら、上司側は、こいつは生意気だ。言われた通り、やりゃいいんだ。そういう風な感じでいう、上司もいます。 ところがデンマークは決してそんなことはないわけです。部下は仕事の目的を聞いてくる、確認しに来るというのは当たり前なのです。この仕事の目的は一体何なのですか目的をこれだよとなります。そしたらこっちの方法じゃなくて、こっちの方法の方が良くないですかとなります。なるほど。じゃあそっちの方向で行こう。こんな風な形で,上も下もないと、この目的を達成するために最も効果的かつ効率的な方法を一緒に考えていきます。より良い方法を採用してやっていこうという考え方です。 日本は上司が言ったことは黙ってやれというのです。言われた通りにやればいいんだという働き方をします。部下も「はい、言われた通りにやればいいんですね。言われた通りにやります。自分の頭で考えられるのです。上司がアップデートしないと部下の成果も上がらない。上司のやり方が古いとか効率が悪いとかそういうやり方しか上司は知らない。そのやり方を部下に指示するわけです。部下はもっといい方法があるにもかかわらず、言われた通りにやるわけです。 なぜこのように働き方に違いが生じるかというと、教育に原因があると言われています。日本というのは記憶型教育が中心です。これからAIとともに生きていく時代なのに、いまだに暗記型学習です。教科書に書いていることを先生に言われたことを、これを右から左に暗記して書くということをします。そして暗記力、記憶力が高い人が高い評価を受けるというテストになります。記憶力を養い、記憶力を養えと言われて学校教育が育ってくるわけです。ところが今、生成AIで知識はほぼ無限に出て入るわけです。記憶力そんなに必要ですかという話です。それにもかかわらず、記憶力を鍛える教育ばかりをやっています。古すぎます。欧米はもっと進んでいます。ところが日本の教育は旧態依然のままであり、時代遅れ、甚だしいです。さらに、デンマークでは、自ら問題を発見し、解決するプロジェクト型学習や討論型授業が行われ、問題解決力やコミュニケーション力を鍛えるというふうなことをやっているわけです。 反復授業というのを欧米の国々では結構やっています。これは、インプットは各自で済ませ、学校ではインプットの内容に基づき、プレゼンテーションやディベートなどのアウトプットを行うという授業です。反復というのは、大学の講義でインプットをします。先生が前で説明をして、生徒はそれを聞くだけ。その聞いた内容をテストで書けという授業をするわけです。大学はインプットをしに行くところだ。ところが欧米の大学では反復授業というのが行われます。大学はアウトプットをしに行くところだと、インプットとアウトプットが反転しているのです。だから、反復授業というのです。インプットなんて教科書に書いてんだから、自分でインプットしてこいと。そのインプットをしたということが前提として、大学では授業でプレゼンをやってもらいます。ディベートをやってもらいます。参加した生徒が、試されるわけです。 入試は、課外活動やボランティア、クラブ活動について、課外活動やエッセイを志望理由書に書き、これを重視する確率的な筆記試験はほぼないというのが、デンマークだったりするわけです。高校の時にどんな社会貢献活動をやってきましたかどんなボランティア活動をやってきましたかこの課外活動を重視します。 仕事ができる人、事業を拡大する人は、問題解決力とコミュニケーション力が高い人です。例えば、問題解決というところに関して言うと、時間をかけずにより高い効果を残すには、問題を解決するための情報集めに解決策を考えます。これは、仕事ができる人がやることになります。時間をかけずに、より高い成果を残すには、という問いを立てて、その問いに対する答えを見つけていくわけです。この作業をより早く、かつミスなく終わらせるには、相手の立場に立って、必要なコミュニケーションをとり、相手を動かします。その問題を解決していくためには、人の協力を得なければいけなかったのです。さらに、お客様に商品を売るというのであれば、お客様も説得しなければいけません。そういったところの、コミュニケーション力も高いというふうなところがあるわけです。こういうふうなところで、問題解決力やコミュニケーション力が高い人というのは、やはり仕事ができる人です。そして事業を拡大していくというところがあるわけです。 欧米では、その力を伸ばす教育が行われ、日本では記憶力を磨く教育が行われ、競争力に差がついています。そして、日本の労働生産性は一時間あたり56.8ドルと言われています。G7の中で最下位です。OECD 38カ国中29位、 OECDは平均76.5ドルとなります。OECDは経済協力開発機構となりますが、先進国38カ国とイメージになりますが、 29位と、 G7の中では最下位となります。 日本の労働生産性が低い原因として、無駄な会議、非効率な報告、資料の作成が多い。作業のDX化、自動化の不十分、属人化。過剰な低価格競争と過剰な業務・作業。上司の言う通りやるだけでなく、より良い方法を考える。上司も部下に意見を求め、良い意見は採用する。 このようなことをやっていかないと、先進国に勝てなくなります。日本流のよろしくない仕事の仕方を抜本的に見直ししていかなければなりません。
社会課題の現状
社会課題の現状 まず、 SDGsの説明をいたします。SDGsは、国連で採択した2030年までの持続可能でより良い世界を目指す。国際目標です。17の目標とそれを達成するための169のターゲットで構成されています。世界が抱える社会問題を把握する上で、重要であります。現在世界でどのような社会課題があるかというところを網羅されているのがこの17の目標となります。 貧困をなくそう、飢餓をゼロに(食料生産の効率化など)、すべての人に健康と福祉を(医療体制の強化など)、質の高い教育をみんなに、ジェンダー平等を実現しよう、安全な水とトイレを世界中に、エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、働きがいも経済成長も(若者の雇用促進など)、産業と技術革新の基盤をつくろう、人や国の不平等をなくそう、住み続けられるまちづくりを(防災対策など)、つくる責任、使う責任(リサイクルなど)、気候変動に具体的な対策を、海の豊かさを守ろう、陸の豊かさを守ろう、平和と後世をすべての人に、パートナーシップで目標を達成しよう これらがSDGsの17項目となります。このような項目から、この世界にどのような社会課題があるのか把握する必要があります。そして、 社会課題に対する意識について。説明をいたします。社会貢献のきっかけは、社会課題を知ることであります。社会課題を知ったとき、どのような意識を持つかが重要であります。こんな社会課題があるんだと。いつか誰かがどうにかするだろう。このような意識を持ってしまうと、社会課題を深刻化させ、子どもの世代、孫の世代が安心して暮らせる社会を維持するのが難しくなってしまいます。 このような意識をずっと多くの方が持ってきて、今の社会、このような状況になっています。本当に子どもの世代、孫の世代、日本は大丈夫かと疑うほど深刻な問題でもあります。それが、今の日本の現状となります。それを知って、いつか誰かがどうにかするでしょうと、自分がやらなくたって別にいいよと、意識を持つと、ますます深刻になっていきます。 そうではなく、今自分に何かできないか。このような意識を持つことで、社会課題を考えるようになります。 このような意識を多くの人が持たなければ、将来日本が終わってしまう、そのような深刻さもあります。このような意識を持って、社会課題を考えていく必要があります。そのためには、想像力と共感力が重要となります。みんなが想像力と共感力を働かせて、この意識を持てば、今後の社会は大きく変わっていきます。 次に、社会課題の一つのテーマである貧困問題について説明をしていきます。「相対的貧困」という言葉があります。これは、国民の可処分所得の中央値の半分以下の所得で、生活をしているという状態です。公表されている可処分所得の中央値は約254万円となります。その半分の127万円が相対的貧困の基準となります。 さらに、 1人世帯、 2人世帯、 3人世帯において、この基準の金額を,が変わってきます。1人世帯の場合、収入が127万円、月に換算すると10万5000円、月10万5000円未満で生活している人は相対的貧困となります。2人世帯の場合、世帯収入が179万6000円、月14万9000円未満の場合は、相対的貧困となります。3人世帯の場合は、世帯収入が2,19万9000円、月18万3000円未満で生活している人が相対的貧困となります。 この相対的貧困の状況では、食費は月3万円となります。1回の食事代で100円となります。例えば、 3人世帯において月3万円となると、1日1,000円です。1日1,000円を朝昼晩3で割ると333円です。それを家族3人でいますから、 1人1食100円となります。このように考えると、 100円で何が食べれるかということになります。そのような状況になるわけです。日本の相対的貧困率は15.4%と言われています。つまり、 6.5人に1人が。相対的貧困状態ということになります。日本の子どもの貧困率は11.5%、9人に1人が相対的貧困状態にあると言われています。したがって、 40人のクラスであれば、だいたい4人から5人、貧困状態の子どもがいるということになります。それぐらい、たくさんのお子さんが貧困状態にあるという現状があります。そして、ある団体におけるお子さんから寄せられた声があります。 子どもはお腹が空いたら水を飲んでいます。1日の食費は1人100円。米ともやしばかりです。友達を作るとお金がかかるので、友達は作らない。米びつの底が見えたとき、絶望的な気持ちになった。夏、暑くてもクーラーをつけられない。子供があせもだらけで熱中症になり、命すらも危うい。久々にお肉を買ったら、上の子がダイエット中だからと言って妹にあげていた。涙もこらえられなかった。 こういう生活をしているわけです。かなり深刻な状況です。普段の支出を貧困家庭の食事代に換算すると、 1回の食事代で100円です。例えば、飲みに行って1万円払った。この場合、貧困家庭の100回分の食事代となります。海外旅行に行って60万円かかった貧困家庭の6000回分の食事です。この感覚をぜひ知っておく必要があります。今の自分の生活ができているのは、当たり前のことではなく、その状況を享受できない人がたくさんいます。子どもの貧困を放置すると、日本の所得が42.9兆円失われ、財政収入が15.9兆円失われる試算もあります。それぐらい貧困問題は経済的にも大きな損失をもたらすことになります。 その貧困家庭の話となると、そもそも親が悪いというふうに考える人もいます。親が怠けているから、そんな生活の状況になってしまう、親が悪い、自業自得だというふうにいうような人もいるかもしれません。しかし、その実態を見ていくと、ひとり親世帯のケースが多いことがわかります。ひとり親世帯の貧困率が、日本は44.5%となります。ひとり親世帯の89%が母子世帯となります。さらに離婚をして養育費を受け取っている母子世帯は28.1%となります。72%が養育費が受け取れないという状況にあります。お母さんが自分で働いて、そのお母さんの給料だけで生活をするというふうになってしまいます。ひとり親世帯の貧困率を見ていくと、先進国では日本が44.5%トップとなります。アメリカは33.5%イスラエルは31.6%メキシコは30.4%。日本がダントツでトップになります。ひとり親世帯になると貧困になる確率がここまで高いというのが現在の日本の国の状況になります。 この観点から、日本という国がいかに劣悪な状況にあるかということが分かります。パート時給1,100円で働く場合1,100円×7時間週5日働いてそれが4週あると、 1ヶ月の給料は15万4000円になります。手取りで約13万円となります。子どもを2人とか育てると、そこで家賃を払い、光熱費を払い、スマホ代も払い、残ったお金で食費となります。そのようになると、 1日100円ぐらいの食事になるわけです。パート掛け持ちで、朝から晩まで必死に働きながら、自分はろくに食事も取らず、子どもに与える人もたくさんおられるわけです。このような状況になります。親が怠けているから悪いんだと、自業自得だという風な方、そのような意見を持つ方いますが、お母さんは朝から晩までパート掛け持ちで必死に働いています。それでも、パートとなると、時給が低いわけです。正社員で働くといっても、子どもの面倒を誰が見るのか考えると、正社員では難しい。よってパートになってしまうわけです。 パートであると、このような給料になります。朝から晩まで一生懸命働いて、決して怠けているわけではないのですが、このような給料になってしまいます。食費はなかなか捻出。できずに、朝から晩までヘトヘトになるまで働いて帰ってきて、自分はご飯をほぼほぼ食べずに、子どもたちに与えるというお母さんも多いわけです。そうなると、健康状態も危うくなり、そんな苦しい状況がいつまで続くんだろうと、そのようなことを思うと、絶望的な気持ちになり、メンタルも病んでしまいます。その状況に疲れ果てて、うつになる人も少なくありません。この状況でお母さんがうつになってしまったら、どうなってしまうのかどうなるかという話ですが、子どもたちはお母さんから離れなくなってしまった。もう出歩けなくなりました。家事はすることもできなくなりました。こういう状況が一人親世帯の場合、44%もいるということです。大変大きな数字です。 さらに、お母さんがそういう状況になってしまうと、ヤングケアラーとなり、子どもたちも出てきます。ヤングケアラーとは、本来、大人が似合う家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことです。勉強や部活をする時間、友人と遊ぶ時間などを犠牲にして、家事や家族の世話をすることになります。貧困のような主な要因の一つが、離婚によってひとり親世帯になることがあります。 ひとり親世帯になると、貧困になる可能性が非常に高くなります。親の離婚により、子どもが貧困に苦しむケースが多いため、夫婦仲を良くすることが子どもの貧困を防ぐことにもなります。夫婦でコミュニケーションを取り、そのための質問をして、話を聞き、共感をして、感謝を伝える、当たり前を見直しをして、照れくさいを克服する、感情をメタ認知し、感情を整える、ということが大事になります。